4月配信予定のNetflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』が話題です。かつて一世を風靡した故・細木数子さんをモデルとした波瀾万丈の作品ですが、同じくメディアで活躍した、あの占い師はどうしているのか。本人たちに当時の思い出と、近況を聞きました!
1958年、日本がまだ戦後の復興に向かう最中、新宿東口のデパート横の街頭で道行く人の占いに立った女性。驚異の的中率と、母親のように親身になってくれる人柄に、いつしか人々は彼女を「新宿の母」と呼ぶようになった。
偉大過ぎる母の背中
メディアにも多数出演していたため、その名は全国区に─。そんな伝説の占い師、栗原すみ子さん(2019年に他界)を母に持ち、「二代目新宿の母」として活動する栗原達也さん。
「細木数子さんの人生がドラマ化されるの? 楽しみだね。おふくろや私とは違うやり方の人だったけど、彼女の人気はすごかったからね。そういえば、泉ピン子さん主演でウチのおふくろがドラマ化されたこともあったな」(栗原さん、以下同)
「あんたは詐欺師か占い師に向いている」と母に言われ、青年期に母に弟子入りしたことも。しかしその存在の大きさがプレッシャーとなり、母の元を離れ、さまざまな職に就いた。
「30歳くらいで喫茶店など2軒の店を持つようになったけど、売り上げのお金で店の女の子たちと飲み歩いちゃって(笑)。結婚も3回、経験しました」
縁あって某有名デパートの駐車場担当として、会社員生活も送った。最終的には200人の部下を抱える所長にまで昇進したことは、栗原さんの人生で最も誇れることだという。
その後、すみ子さんから「最後の願い」として後を継ぐことを懇願される。
「さまざまな経験を積んだ今の自分なら、人の悩みに寄り添えるかもしれないと思った。でも、おふくろの存在はやはり大きすぎた。再び修業を始めたけど、不安だったね。しかも最初は、手相を観る際に女性の手を握るのが恥ずかしくてね(笑)」
本格的に占い師になったのは53歳のとき。すみ子さんが街頭での鑑定を終えたのを機に「二代目新宿の母」を名乗り、母の代わりに街頭に立つようになった。
栗原さんが行うのは、栗原家の一子相伝ともいうべき手相や人相学、九星気学や姓名判断を合わせた鑑定だ。現在は街頭での鑑定は行っておらず、完全予約制の対面鑑定のみだという。
「『ありがとう』の言葉を忘れずに笑顔でいれば、運気はついてくる。私の鑑定は、薬や注射のないお医者さんのようなもの。来た人の背中を押して、生きる力を与えるのが役割だと思っています」
母親について問うと「『相変わらず、しょうもないね!』ってあきれてるよ」と、照れた。かつて母の存在に気後れした息子は、今では立派な占い師として、鑑定を続けている。
取材・文/三尋木志保
