天皇誕生日の一般参賀に、ブルーのドレスと同色のバラの花があしらわれたヘッドドレス姿で出席(2026年2月23日)

 2月13日、佳子さまは東京・元赤坂の秋篠宮邸で、友禅や漆器などの伝統工芸士と懇談した。宮内庁によると懇談は約1時間で、佳子さまは金釘を使わず板材を和家具に組み立てる「江戸指物」の職人ら6人から説明を受け、熱心に耳を傾けていたという。

佳子さまが新型コロナで欠席した記念式典

日本工芸会の総裁として、伝統工芸士たちと懇談(2026年2月13日)写真/宮内庁提供

 昨年11月に出席する予定だった伝統工芸士たちの記念式典を、佳子さまが新型コロナウイルスに感染し欠席したことから、この日、改めて懇談の場が設けられた。

「誕生日に、このように来ていただき、皆さんから祝っていただくことを誠にありがたく思います。この冬も、多くの地域で大雪や厳しい寒さに見舞われました。雪の事故などで被害に遭われた方々に、心からのお見舞いをお伝えいたします。

 日ごとに春に向かっているのを感じます。皆さん一人ひとりにとって、穏やかな春となるよう願っております。皆さんの健康と幸せを祈ります」

 2月23日に、天皇陛下は66歳の誕生日を迎えた。誕生日を祝福する一般参賀が皇居で行われ、陛下は皇后雅子さまや長女の愛子さま、それに、秋篠宮ご夫妻と次女の佳子さま、長男の悠仁さまと宮殿・長和殿のベランダに立ち、参賀者たちに笑顔で手を振った。

 この日の佳子さまは鮮やかなブルーのドレスと同じ色のヘッドドレス姿で、愛子さまと悠仁さまの間に立ち、とてもうれしそうな様子だった。

「今年は東日本大震災から15年、熊本地震から10年の節目の年になります。震災が各地に甚大な被害を及ぼしたことは、今思い出しても胸が痛みます。(略)

 災害による影響は人それぞれに異なり、10年、15年という年月の経過だけでは測れない重みを伴うものだと思います。これからも雅子と共に、被災地に心を寄せていきたいと思っています」

 誕生日を前にした2月19日、天皇陛下の記者会見が皇居・宮殿で行われた。今年は東日本大震災から15年にあたることなどへの思いを、記者から尋ねられた陛下は、このように答えた。

 また戦後80年にあたる昨年、戦没者慰霊の旅に愛子さまも同行したことについて、陛下は次のように話し、改めて平和を守ることの大切さを訴えた。

「昨年は戦後80年にあたり、雅子と共に、硫黄島と広島県を、また、愛子も一緒に3人で沖縄県、長崎県、東京都慰霊堂、昭和館を訪れました。先の大戦において、世界の各国で多くの尊い命が失われたことを大変痛ましく思います。今回、国内の各地を訪れて、亡くなられた方々に改めて深い哀悼の意を捧げました。それぞれの地で、戦災に遭われた方々や亡くなられた方々のご遺族、戦争の記憶を語り継ぐ活動をしている方々などのお話を伺いましたが、皆さんに語っていただいた一つひとつの記憶が、私たちの心に深く残っています。(略)

 愛子にとっても、戦争の悲惨さや平和の尊さを改めて感じることができた1年だったのではないかと思います。戦争の記憶と平和の尊さを次の世代へ引き継いでいく役割を愛子にも担ってほしいと思っています」

 宮内庁は2月23日、天皇陛下の誕生日にあわせて新しい写真や映像を公開した。この中で陛下や雅子さま、愛子さまがミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック、パラリンピックの公式マスコット「ティナ」と「ミロ」を手にしてご一家3人で笑顔を見せる、なんとも微笑ましい場面も紹介されている。

「現在、イタリアで開催されているミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックでの熱戦もテレビで観戦しています。雅子や愛子と一緒に見ることもあり、日本選手の活躍も大変うれしく思っています。(略)

 ところで、大会が行われているコルティナ・ダンペッツォでは、ちょうど70年前の1956年にも冬季オリンピックが開催されています。そのオリンピックでのスキー回転競技で日本人として初めて銀メダルを獲得した猪谷千春さんからは、子どものころにスキーを指導していただいたこともあり、コルティナ・ダンペッツォという場所には子どものころから親しみを感じていました」

 このように陛下は誕生日会見で、日本人選手が大活躍したミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックについて、感動を表しながら語った。

フィギュアスケートの経験を持つ秋篠宮ご一家

ミラノ・コルティナ冬季オリンピックTEAMJAPAN結団式に出席した秋篠宮ご夫妻と猪谷千春さん(2026年1月18日)

 以前、この連載で紹介したが、今年1月18日、秋篠宮ご夫妻は冬季五輪のTEAM JAPAN結団式に出席している。旗手代行を務めたフィギュアスケート女子の坂本花織選手は、「チームジャパンは全国民の皆様、全世界の皆様に、エネルギッシュで元気な姿と笑顔を届けます」などと力強く決意を表明したが、団体と個人で見事、銀メダルに輝いた。

 それだけに、秋篠宮ご夫妻やフィギュアスケートの経験を持つ佳子さまにとって、坂本選手や日本人選手の活躍はさぞかしうれしかったことであろう。

新潟県苗場で上皇さま(左から2人目)とスキーを楽しむ、当時12歳の天皇陛下

《私が、幼稚園の時に、家族で苗場(新潟県にある国内有数のスキー場)にスキーに行くことになった。筍山スキー場という所があり、何回か練習したあとで父とゴンドラに乗ってそこまで行った。(略)その時は、猪谷千春さん(略)も一緒で、ある程度のところまで行くと猪谷さんが向きを変えてくれたことをよく覚えている》(拙著『秋篠宮さま』より)

 天皇陛下が誕生日会見で、元国際オリンピック委員会(IOC)副会長・猪谷千春さんの名前を懐かしそうに挙げたことを知り、私も、前述した秋篠宮さまの小さいころのスキーの思い出が頭に浮かんだ。

 陛下と秋篠宮さま兄弟に限らず、猪谷さんは、上皇ご一家にとってとても忘れられない人なのだと感激した次第である。

 誕生日会見で陛下は、甥の悠仁さまについて次のように述べているが、私は、姪である佳子さまについても、同じことを陛下は言いたかったのではないかと考えている。

「悠仁親王は、昨年、成年式の諸行事をつつがなく終えることができました。立派に成長した姿を見て、うれしく思っています。小さいときから甥として成長を見守ってきましたが、近頃は、都内や地方への訪問であったり、外国の方々との交流であったり、皇室の一員としての務めを果たしてくれていることを頼もしく思っています。(略)

 今、この時にしかできないことを大切にしながら、これからも一つひとつの経験を積み重ね、人間的にも、また皇室の一員としても成長していってほしいと、見守っていきたいと思っています」

 伯父から佳子さまへの温かい激励でもあると、受け止めたい。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に2025年4月刊行の『悠仁さま』(講談社)や『秋篠宮』(小学館)など