「2度目のウエディングドレス」という言葉が、SNS上で物議を醸している。これは、結婚式で新郎新婦の母親が着用する、“マザードレス”のことを指すキャッチコピーだ。しかし、その表現が思わぬ波紋を呼んでいる。
マザードレスとは、黒留袖と同等のフォーマルな洋装のこと。日本ではまだあまり馴染みがないが、昨今の結婚式の多様化を受けて、マザードレスを選択する人も増加しているという。
「体調によっては、一日着物で過ごすことが難しい方もいらっしゃいます。また最近は、少人数によるカジュアルな式を採用したり、レストランやゲストハウスなど結婚式場以外の場所で式を挙げたりと、結婚式の形はそれぞれのスタイルに合わせて変化しています。
そういった身体負担の少なさや式の雰囲気に合わせて、マザードレスを選ぶ方も少しずつ増えています。黒留袖と変わらないフォーマルな装いとして、マザードレスも選択肢のひとつです」(ブライダル誌ライター)
しかし、“2度目のウエディングドレス”というキャッチフレーズが、意図しない誤解を生んでしまった。
母親もウエディングドレスを着る?
「実際はウエディングドレスではなく、マザードレスなのですが、“2度目のウエディングドレス”という表現が“母親もウエディングドレスを着る”ことを奨励していると、誤解されてしまったのだと思います。日本ではまだあまりマザードレスが十分に浸透していないので、“新婦より目立とうとしている”と受け取られてしまったのかもしれません」(前出、ブライダル誌ライター)
実際、SNS上では否定的な意見が相次いだ。
《子どもの結婚式でこの発想は割とホラー》
《なんで母親がウエディングドレス着るの? 主役は花嫁ですよ?》
《結婚式にお母様が輝く必要はない》
母親がドレスを着ることへの拒否反応は、想像以上に強いものだった。
その一方で、
《着物はめんどくさいと感じちゃうからマザードレスが定着するのはうれしいけど》
《見たら場にふさわしい素敵なドレスだし、タイトルが悪すぎる気がする》
《息子娘としっかり話し合ったうえでのドレスなら別にいいのでは?》
と理解を示す声も見られた。
もっとも、マザードレスを選ぶ際には注意すべき点もある。配慮を欠けば、せっかくの晴れの日に水を差すことにもなりかねない。
和装か洋装の決まりはない
「まず、会場の雰囲気にあっているかどうか。そして、両家両親で服装の格式がそろっているかどうか。そういった配慮は非常に重要です。逆を言えば、格式がそろっていれば和装か洋装、どちらかに統一しなければならないという決まりはありません」(前出、ブライダル誌ライター)
格式というのは、正礼装、準礼装、略礼装のこと。例えば、黒留袖は正礼装にあたるため、一方が黒留袖を着る場合、もう一方はアフタヌーンドレスなどの格式高い正礼装でそろえる必要があるということだ。格式さえ合わせれば、和装と洋装が混在していても問題ないという。
思わぬ誤解を招いてしまった“2度目のウエディングドレス”というキャッチフレーズ。この言葉の是非はともかく、大切なのは新郎新婦と両家でしっかりと話し合い、お互いが納得した選択をすること。結婚式の主役である新郎新婦が心から祝福され、後悔のない式を迎えることが第一優先だ。
