3月10日のチェコ戦、終盤まで投手陣を攻めあぐねながらも、8回裏に一挙9点をとって終わってみれば9対0の完勝。「WBC2026」1次ラウンドを全勝で突破し、決勝トーナメント進出を決めた野球日本代表「侍ジャパン」。
翌日には各局の情報番組が大勝劇を取り上げる中で、不満顔を見せたのがフジテレビ系『サン!シャイン』でMCを務める谷原章介。「みなさんからお叱りを受けると思うが」と前置きした上で、チェコ戦で欠場した大谷翔平選手(31、ロサンゼルス・ドジャース)に言及したのだ。
「球場に来ている子どもたちは、大谷さんの打つバットの音を絶対聞きたかったと思いますよ。それが残念だったなって思うんですが、プロの選手から見ても1日休むのは大事なことなんですか?」
3月6日の台湾戦から韓国戦、オーストラリア戦と3試合連続でフル出場した大谷だが、チェコ戦までは1日空けての試合スケジュールだけに出場できたのではないか、と疑問を呈する谷原。大谷目当てに駆けつけていた多くのファン、子どもたちをガッカリさせたのではないか、との持論を展開したのだ。
解説コメンテーターとして番組出演していた元プロ野球選手・内川聖一氏(43)は、「(1次ラウンド突破で)一度張り詰めたものをちょっと緩めて、もう一度(決勝トーナメントに向けて)張り詰める作業というところで、必要だったかなと」と、井端弘和監督(50)の起用法に理解を示したが、最後まで納得いかない表情の谷原だった。
チェコ戦前には「投手」としての練習
たしかに日本にとっては“消化試合”だったチェコ戦。そのため代打での出場機会もなく、特大ホームランで観客を魅了する試合前の打撃練習「ショータイム」さえもなかった。というのも、この日の大谷はというと、
「スタメン選手が試合に備えて練習する中で、大谷選手は外野を使って1球1球の感触を確かめるように、入念にキャッチボールを繰り返していました。これはWBCでは出場しない、“投手”としての練習であって、MLB開幕に向けての調整の一環だったのは明らか。
ドジャースの柱として投打に活躍が義務付けられる今シーズン、打者としてWBC参加が許可された代わりに、ローテーション投手としての調整も怠れない。チェコ戦での欠場は決して“オフ”ではなく、メジャーリーガーとしての調整日に充てられたのでしょう」
なるほど、MLB事情にも精通する野球ライターが解説するように、ドジャースにはワールドシリーズ3連覇の目標がある。それこそデーブ・ロバーツ監督(53)からの“内々のお達し”があった可能性もある。万一にも故障させるわけにもいかず、井端監督もやむなしの欠場を許したわけだ。
それでもチェコ戦では、さすがのパフォーマンスを披露した。試合出場しない代わりに、イニング間にはライトの守備につく佐藤輝明選手(26、阪神タイガース)のキャッチボール相手を率先してこなすなど、積極的にグラウンドに姿を見せた大谷。
「キャッチボールを終えてベンチに戻る際には、各回ごとにボールをスタンドに投げ入れるファンサービスをしていました。その中でエキサイトシートの最前列で待ち構えていた少年に向かって放ったところ、横から取りに来た客と重なってしまい、彼はグラウンドにボールを落としてしまったのです。
するとガックリする姿を見た大谷選手は自らボールを拾いに行って、その少年に直接手渡してあげたのです。MLB公式Xでも、笑顔になった少年の動画を引用してポストされると、瞬く間に拡散されて神対応ぶりが称賛されています」(前出・ライター、以下同)
この子どもはたしかに、大谷選手による快音は聞けなかったかもしれないが、その人間性に直接触れたことで一生忘れられない思い出になっただろう。
村上の満塁ホームランを演出
さらに大谷、ファンだけでなくチームメイトにも“サービス”していた。8回裏に村上宗隆選手(26、シカゴ・ホワイトソックス)が打った満塁ホームランを演出していたのだ。この日のチェコ戦まで10打数2安打、ホームラン無しといまいち調子に乗り切れていなかった村上。
「9日のオーストラリア戦でのベンチ内で、首を傾げながらバットを構える村上選手の横に立った大谷選手が、構えた際の肘の角度や、グリップの握り方について何かを指摘していました。普段ならアドバイスを授けるのは珍しい光景です。不信に悩む村上選手に、居ても立ってもいられなかったのでしょう。
チェコ戦でも4打席ノーヒットで迎えた、5打席目にようやく出た念願のホームランに、大谷選手もハイタッチで迎えていました。メジャーリーガーの先輩のアドバイスで、決勝トーナメントでの活躍が期待できますね」
試合に出ても出なくても、大谷は大谷だった。
