WBC2026の優勝候補と目される、スター軍団「アメリカ代表」がまさかの1次ラウンド敗退危機に晒されている。3月11日(現地時間10日)のイタリア戦を8対6で落として3勝1敗とした状況下、イタリアとメキシコの最終戦ではとある“戦略”も囁かれてーー。
ニューヨーク・ヤンキースの主砲、アーロン・ジャッジ選手(33)をキャプテンとする、現役メジャーリーガーの中でもトップ選手を揃えたアメリカ代表チーム。“ドリームチーム”とも称される名高い面々に、これまでとは違う“本気度”が伺えた。
「彼らが目標とするのは2028年に自国開催するロサンゼルス五輪で、競技復帰する野球で金メダルを獲得すること。今回のWBCはその“前哨戦”として位置付けされ、MLB各球団が一丸となって惜しみなく主力選手を派遣しています。
その背景にあるのが、アメリカ国内における野球人気の低下。近年は若い世代を中心にMLS、サッカー人気に押されている傾向も指摘されるだけに、MLBとしても“ベースボール大国”復活に本腰を入れています」
米国メジャースポーツ市場に詳しいスポーツライターが解説するように、WBCでのアメリカ代表は「優勝」以外はあり得ない環境が整えられている。そのプレッシャーもあったのか、イタリアに大金星を許してしまったわけだが、これで事態は複雑化した。
メキシコが勝利した場合に複雑化
3月11日時点において「プールB」では、全試合を終えたアメリカが3勝1敗、1試合を残したイタリアが3勝、メキシコが2勝1敗としている。12日(現地時間11日)に直接対決が行われる、イタリアとメキシコの“最終戦”にアメリカの命運がかかっている。
イタリアが勝利して4勝とした場合、同国が文句なく1位、アメリカも2位で決勝トーナメント進出が決定する。ややこしいのはメキシコが勝って、3チームが3勝1敗で並んだケースだ。今大会では同成績の際は「失点率」で順位が決まる。
イタリアは負けたとしても4失点以内であれば1次ラウンド突破、5失点以上ならば敗退。3チームの中で一番失点率が低いメキシコは、最小得失点で勝利すれば決勝トーナメント進出が決定。メキシコが大量得点でイタリアを退けた場合、アメリカが2位で突破することになる。
しかし両チームが1次ラウンドを抜けたとしても、決勝トーナメントで再びアメリカと対戦することは脅威だ。そんな状況下だけにXでは、イタリアとメキシコが張り巡らせる“戦略”を勘繰る声もーー。
《イタリア×メキシコで談合無気力試合もあり得るかもですね》
《次戦イタリアvsメキシコ戦、お互い進出条件守りながら戦う無気力試合にならないでしょうか》
《利害が完全に一致してるからイタリアとメキシコが談合組んでも何もおかしく無いんだよな》
メキシコが先制点をとった段階で、お互いにそれ以上の得点をとることなくイタリアが敗戦する試合展開を、いわゆる「無気力試合」「談合」との言葉を用いて予想しているのだ。たしかに互いが決勝トーナメントに進出できて、優勝候補のアメリカをが消えるのならば“winwin”とも言えよう。
「無気力プレー」が「戦略的プレー」に
3月9日に東京ドームで行われた韓国対オーストラリアでも「無気力」指摘される場面があった。韓国が9回に7点目をとった後に打席に立った5番のムン・ボギョン(25、LGツインズ)だったが、ど真ん中を含む3球を見逃し三振に倒れ、試合はそのまま7対2で勝利。このプレーに激怒したのが台湾メディアやファンだった。
というのも、ボギョンがホームランを打って8得点としならなば、台湾に決勝トーナメント進出の芽が出ただけに、それを知った上でわざと三振をした、「無気力プレー」と台湾側が批判したのだ。しかしながら、日本に次ぐ2位で「プールC」通過を決めたことで、ボギョン、そして韓国の「戦略的プレー」とも認められている。
「各プールを5チームで組んだことで、同時刻に試合をできないスケジュールが招いた弊害とも言えます。しかし、互いのチームが有利になる状況を作るのは国際大会におけるサッカーでも見られる光景で、仮にメキシコとイタリアの試合が1対0で終わったとしても、アメリカが文句をつけるのも筋違いでしょう。
アメリカに有利とされるスケジュール、ピッチクロックをはじめとする大会ルールも全て決めたのは主催のMLB。今更ですが、国内における独占放映権をNetflixに譲渡したりと、少々首を傾げたくなる面もある今回のWBC。アメリカの1次ラウンド敗退が決まった際には、次回大会にはどんなルールが設けられるのやら」(前出・スポーツライター)
アメリカ代表、そしてMLBはどんな気持ちで最終戦を見守るのだろうか。
