竹内涼真主演『再会〜SilentTruth〜』(TV朝日公式サイトより)

 2025年秋クールで『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(TBS系)が話題を呼んだ竹内涼真(32)。2クール続けて連ドラ登板となった『再会〜Silent Truth〜』(テレビ朝日系・火曜よる9時)とは一つ共通点がある。それは終盤で視聴率を上げてきているということだ。

『じゃあつく』のスマッシュヒットを経て

聖地巡礼が巻き起こっている(『じゃあ、あんたが作ってみろよ』公式Xより)

『じゃあつく』は初回6.3%でスタートし、しばらく上下動したが、終盤3回は7.9→8.0→8.7%と上昇し、スマッシュヒットとなった。『再会』は6.8%でスタート。その後いったん低下したが、6話で6.9%と初回を上回り、7話で7.1%とさらに上昇した(8話はWBC放送による休止を挟んだ影響もあってか5.8%に留まった)。

 近年のドラマは特に、第1話は期待を持って見られるが、回を追うごとに視聴率が下降し、結果的に第1話が最高視聴率だったというパターンが多い。

 そんな中、竹内は2作連続でV字カーブという珍しい曲線を描いている。これは作品自体が面白いとともに、竹内の演技に惹きつけられている人も多いといえよう(※以下、ネタバレ含みます)。

『じゃあつく』の亭主関白風の古い男の演技は、不器用でかわいいと共感を集めたし、『再会』での、少年時代に拳銃で人を殺めてしまった記憶に苦悶する演技には、「見ていて息が苦しくなった」とネット上に賞賛の声が集まった。

 その『再会』に関しては、23年ぶりに再会した同級生4人の誰かが殺人犯かもしれないという、スリリングな展開も視聴者の興味をかき立ててきたが、8話でヒロインの井上真央が犯人だったと判明する衝撃的な展開があった。

 これまでのおさらいをすると、23年前に瀬戸康史の警察官だった父親が、強盗犯と撃ち合いになり殉職。第一発見者は当時小学6年生だった竹内、井上、瀬戸、渡辺大知の4人だった。強盗犯も死亡したが、奪ったとされる現金3000万円と、父親の拳銃は行方不明になっていた。実は拳銃のありかを知っているのは同級生の4人だけだった。

 そして23年後、渡辺の腹違いの兄・小柳友が、店長を務めるスーパーで閉店後に射殺された。その銃弾が、行方不明になっている拳銃のものだったのだ。

 警察の調べで容疑者となったのは井上。井上の息子がスーパーで万引きをし、それを表ざたにしない代わりに、小柳に高額の金を要求されていたのだ。

 井上は元夫の瀬戸に相談し、2人で事件の夜、スーパーを訪れていた。刑事になった竹内は瀬戸を追及するが、瀬戸は拳銃を掘り出そうとしたものの、なくなっていたと答える。

 そんな中、渡辺は自分が犯人だと名乗り出る。竹内も瀬戸も渡辺も、あの頃、井上に淡い恋心を抱いていた。

 だが、竹内のバディである刑事・江口のりこの追及により、23年前に強盗犯を射殺したのは現場に一番に駆けつけた竹内で、拳銃は4人で埋めたことが明らかになる…。

 というのが、7話までの展開だった。

気になるのは9話=最終回の予告

 4人ともそれぞれ、疑わしいところがあった。ただ、井上は物語のヒロインだし、第一容疑者は犯人ではないのが推理ドラマの定石だ。そんな中、8話では井上が小柳を殺害したことが確定。井上と小柳の後味の悪い過去も含めて、予測がつかなかった視聴者が多かったのではないか。

 だが、物語はまだ続く。ここで気になるのは、9話=最終回の予告を見ると、「事件は解決したはずだった」とあることだ。これはどういうことなのか?

 筆者は実は、これまで4人を疑わしく見せてきたのは、4人だけに目を向けさせるためのミスリードで、犯人は別にいるのではないかと思っていた(だから小柳殺害の犯人が井上だったことには正直意表を突かれた)。

 そこで基本情報を見直してみると、23年前の事件では、拳銃だけでなく3000万円も行方不明になっていることに目が行く。劇中ではほとんど触れられてこなかったが、この金を手に入れて得をしている人物がいるはずなのだ。

 23年前に大金を奪ったなら、現時点でそれなりの年齢であると思われる。そうなると主要キャストの中でも、だいぶ絞られてくる。

 この人物が犯人と思って見返すと、江口が拘留中の渡辺を現場検証に連れ出すのを何気なく気にしていたり、江口のその人物を見つめる表情など、さり気ない描写の中に腑に落ちる演技が散見されるので、確認していただきたい。

 ただ、23年前の事件にその人物がどう関わっていたのかは、私も予想がつかない。竹内は23年前の自身の行ないに、どう決着をつけるのか? また渾身の芝居が見られるのか。

 そして忘れてならないのは、いきなりタップを踏んだり、『家政婦は見た!』ばりに玄関口から顔をのぞかせたりする江口のりこが、何か企みがあるのかも気にかかるところだ。

 気になることが山積みの最終回だけに、また過去最高視聴率を更新できるのかにも注目したい。

古沢保。フリーライター、コラムニスト。'71年東京生まれ。「3年B組金八先生卒業アルバム」「オフィシャルガイドブック相棒」「ヤンキー母校に帰るノベライズ」「IQサプリシリーズ」など、テレビ関連書籍を多数手がけ、雑誌などにテレビコラムを執筆。テレビ番組制作にも携わる。好きな番組は地味にヒットする堅実派。街歩き関連の執筆も多く、著書に「風景印ミュージアム」など。歴史散歩の会も主宰している。