「まずは皆さま方にお詫びを申し上げたい。本当に申し訳ございませんでした」
と12日、衆議院の予算委員会で陳謝したのは松本洋平文部科学相。大臣就任以前に、既婚女性と不倫関係にあったと週刊誌に報じられた。記事では、衆議院議員会館の自身の事務所に女性を招き入れていたとも伝えられた。
高市首相は続投を指示
松本氏は報道について謝罪したものの、詳細な説明は避けた。
「相手もあることでありますので、すべてにコメントをするということはなかなか難しい」
そう述べ、具体的な経緯については語らなかった。ただし、女性が議員会館の事務所を訪れていた点については、「いらっしゃったのは事実だ」と認めたうえで、「規則に反するようなことがあったかと言われれば、私はないと申し上げたい」と強調。
さらに松本氏は、「これは過去の話」であり、「当時、妻から厳しく叱責を受け、家族間では整理がついている」と説明。そのうえで大臣辞任については否定し、「信頼回復に全力を尽くす」と述べた。
今回の問題が注目を集めているのは、松本氏自身の“直前の発言”とも重なるからだ。それは伊藤穰一氏が学長を務める千葉工業大学をめぐる問題。
伊藤氏は、米国の資産家ジェフリー・エプスタインとの関係をめぐり、過去に資金提供を受けたことが報じられた。エプスタインは未成年少女への性的搾取事件で世界的に問題となった人物。大学運営や倫理問題が改めて注目される中、松本大臣は6日の閣議後記者会見で「文科省として学校法人に対し、学生や保護者、社会に対する丁寧な説明を求めた」と述べた。
疑惑の詳細には踏み込まない松本大臣
それだけに、今回の不倫疑惑への対応をめぐり、「大学には説明を求めるのに、自身の説明責任はこれだけ?」という疑問の声が広がっている。
SNS上でも、松本氏の対応をめぐってさまざまな声が上がった。
《家庭内の問題が片付いたから 続投という理屈は政治では通らない》
《愛人を職場に連れ込むというあまりにもハイリスク過ぎることを、なぜ犯したのか。 果たして、その程度の個人的なリスクヘッジもできない人間に、国のリーダーが務まるのだろうか》
といった批判や疑問の声がある一方、
《不倫は私生活の問題》
《家族で解決しているならそれでいい》
と擁護する意見も。
もっとも議論の焦点は、男女関係そのものよりも、議員宿舎という公的施設の利用と指摘する声が多い。
議員会館は国費で運営される公的施設であり、本来は議員活動のための場所だ。仮に私的な目的で利用されていたとすれば、その危機管理や倫理観を疑問視する声が出るのも無理はない。松本氏は「規則に反することはない」と否定しているが、その根拠については具体的な説明は示されていない。
今回、松本氏は謝罪こそしたものの、疑惑の詳細には踏み込まなかった。それが結果として、十分な説明と受け止められているかといえば、そうではないだろう。
高市首相は「松本大臣は文部科学行政のスペシャリストとして、私が就任をお願いした。一生懸命、職責を果たしてもらいたい」と続投を支持した。
しかし時期は卒業・入学シーズン。教育行政のトップが起こした今回の騒動は、はたしてその“スペシャリスト”にふさわしいものなのか。説明を求めた本人に、いま改めて説明が求められている。
