巨人・阿部慎之助監督

 WBC2026決勝トーナメント進出を決めた、大谷翔平投手(31、ロサンゼルス・ドジャース)ら野球日本代表「侍ジャパン」にメディアが沸き立つ一方、3月27日のセ・パリーグ開幕に向けてオープン戦を行なっているプロ野球。

 2年ぶりのリーグ優勝と日本一を目指す読売ジャイアンツだが、その戦いぶりに変化が起きている。ここまで9試合を戦って5勝3敗1分、12球団で4位とまずまずの成績を残している巨人だが、チーム本塁打数は「ゼロ」(3月13日時点)。12球団で唯一、ホームランが出ていないのだ。

 また得点「18」はワースト2位と、やはり“貧打”が目立つ巨人打線。近年は投高打低の傾向が強くなっているとはいえ、かつての“空中戦の巨人”は見る影もなく明らかに長打不足の緊急事態が起きている。

「岡本の離脱はやはり大きいと思います」在京球団を取材する野球ライターは、昨年までチームを牽引した主砲不在を懸念する。

 2018年に巨人軍89代4番に就くと、以降で247本のホームランを放った岡本和真選手(29)。2026年シーズンはトロント・ブルージェイズと契約を交わし、念願のMLBデビューに向けてWBCでも奮闘中だ。そんな主砲の“後継者”として、阿部慎之助監督(46)が期待を寄せたのが砂川リチャード選手(26)だった。

「当初こそリチャードを4番候補に据えた阿部監督ですが、キャンプでの練習を見て“任せられない”と考え直したのか候補から外れる格好に。そして“持っていない”というべきか、(3月)11日のソフトバンクとの試合で死球を受けて左手骨折。

 開幕は絶望的で、昨年に77試合の出場で11本塁打を放った貴重な“大砲”を失うことに。そもそもリチャード以外でも“ポスト岡本”が育たない現状、オープン戦の本塁打ゼロは必然と言えるでしょう」

 そんな自軍の現戦力を踏まえてか、オープン戦が始まる直前に出演したYouTubeチャンネル『日テレスポーツ』で、あらためて開幕スタメン構想を明かした阿部監督。4番に据えていたリチャードの名前はなく、4番打者の欄には「ホームランを打たないで良い」と“名無し”で記すと、その理由を、

ホームラン打つ4番でなくとも良い

「最近ちょっと思ってて。つながりがある打線をつくるために、どうすればいいかと考えたときに、こういうこと(4番はホームランは打たなくてもいい)考えてもいいのかなと思ってます」

監督会議に参加したセ・リーグ監督。右から、阪神タイガースの藤川球児監督、横浜DeNAベイスターズの相川亮二監督、読売ジャイアンツの阿部慎之助監督、中日ドラゴンズの井上一樹監督、広島東洋カープの新井貴浩監督、東京ヤクルトスワローズの池山隆寛監督

 オープン戦9試合で4番を務めたのはリチャードが1回、トレイ・キャベッジ選手(28)が3回、そして新加入のボビー・ダルベック選手(30)が5回。外国人選手2人もチャンスではヒットでつなげようとする意識が見えただけに、ホームランを打たずとも勝てるという、阿部監督の理想を体現した結果なのだろうか。

 そして今年の巨人の試合では、明らかに昨年とは異なる変化が現れているとも。

「昨年はセ・パ12球団で最下位だった盗塁数は、オープン戦で11個を記録して2位。さらに同じくワーストだったエラー数も、9試合でわずか1個で最少と、長打自慢から走って守れる“スモールベースボール”のチームへの変貌が見られます。

 ただ新たな不安要素も露呈しています。完全復活を目指す戸郷翔征投手(25)をはじめとする投手陣で、11日の試合ではホークスに15失点するなどチーム防御率は最下位の3.65。ホームランが出やすい本拠地・東京ドームの試合で、自軍ファンからため息が漏れなければいいですが」(前出・ライター)

 2026年シーズンも阿部監督の心配は尽きなさそうだ。