ベネズエラに敗北を喫した侍ジャパン(公式インスタグラムより)

 3月15日(日本時間)、WBCの準々決勝・ベネズエラ戦が行われたが、5対8で敗戦。大会2連覇を目指していた侍ジャパンはベスト8で姿を消すこととなり、ネット上では落胆の声が広がった。

選手・監督に寄せられ誹謗中傷

「お互い先頭打者がホームランを打つなど、乱打戦になりましたが、日本が力負けした形で本大会を終えることに。決勝まで勝ち進む侍ジャパンを期待していた人が多く、過去最低成績のベスト8という結果に納得できないファンもいました。

 しかし、選手たちはベストを尽くしたうえでの結果です。“2連覇”という大きなプレッシャーがかかる中で戦い抜いた侍ジャパンを称えたいですね」(スポーツ紙記者、以下同)

 選手やコーチ、監督の健闘を称える声が上がる一方で、“戦犯”として、特定の選手をつるし上げ、心無い言葉を浴びせる人もいるという。

「中でも、日本ハムに所属する伊藤大海選手に対して、寄せられたコメントには目に余るものがあります。

 伊藤選手は同試合で5対4とリードしていた6回表にリリーフとして登板。2球目を投げる前に“ピッチクロック違反”を取られてしまいました。ピッチクロックは、試合時間の短縮を目的に導入されたルール。投手は走者がいない場合は15秒以内、走者がいる場合は18秒以内に投球動作に入る必要があり、制限時間を超えると、1ボールのカウントになります。

 伊藤選手はこのピッチクロック違反でリズムが狂ってしまったのか、2人続けて連打を浴び、その後、逆転の3ランホームランを打たれてしまいました。ホームランを打たれた球が甘いコースだったこともあり、批判だけでなく、誹謗中傷が寄せられている状況です」

 伊藤のインスタグラムには、

《お前のせいで負けたんたけど、どーすんの?》
《よくこんなんで沢村賞とれたな、反省せぇよ》
《日本を代表して行ったのに、ほんとに残念な活躍としか表現できません。どうされるつもりですか?》

 などのコメントが見られた。

伊藤大海選手に寄せられた誹謗中傷と励ましのコメント(本人インスタグラムより)

日本プロ野球選手会は2度注意喚起

「日本野球ではピッチクロックを導入しておらず、慣れない制度ではありますが、伊藤選手はピッチクロックが設けられているWBCルールに適応する時間はあったと思います。その点については改善の余地がありそうです。ただ、そうした反省点は本人が一番痛感していることでしょう。

 試合後には、ベンチでうなだれる伊藤選手の様子も見られました。残念な結果にはなってしまいましたが、一番悔しいのは選手たちです。熱が入って応援することは理解できますが、誹謗中傷は筋違いです」(前出・スポーツ紙記者)

 誹謗中傷が寄せられたのは、伊藤だけでなく、

《最後まで顔暗かったな。 諦めてる感出しすぎてベンチ暗かったわ》
《なんか暗いもんな 常に悲しい感じする 覇気もない 監督らしさもない なぜなった?》

 などのコメントが井端弘和監督に寄せられていた。

 9回裏に代打で登場し、見逃し三振となった福岡ソフトバンクホークスの近藤健介のインスタグラムには、

《どの面下げて帰ってくるんだ?》
《打たれへんのやったらホンマに他の選手に譲って》

 という意見が見られた。

 このような心無い“誹謗中傷”の言葉に対し、日本プロ野球選手会は「今回の大会では、AIを活用したモニタリングにより投稿の確認・証拠保全を行っており、悪質な投稿については法的対応を含めて厳正な措置を講じます」と警告。

 試合終了後、さらに2度目となった16日は前記述のように「法的対応」という、より強い言葉を投げかけた。

 それでも止まぬ、選手を攻撃する言葉の暴力。敗戦にうなだれる気持ちは理解できるが、その悔しさを誹謗中傷としてぶつけることになんの意味があるのだろうか。