大谷翔平

「WBC2026」決勝トーナメント初戦で敗退し、歴代ワーストの「ベスト8」で終戦した野球日本代表「侍ジャパン」。そのベネズエラ戦で見せた、大谷翔平選手(31、ロサンゼルス・ドジャース)による「ポーズ」がネット論戦を起こしている。

 問題の「ポーズ」とは、ベネズエラとの試合をベンチで見守っていた大谷が、グラウンドに向かって両手で「双眼鏡」のような形をつくって覗き込んだジェスチャー。この場面が静止画像としてSNS投稿されたのだがーー、

《(ペドリに)憧れるのはやめましょう》と画像を引用したユーザー“A”のポストに、別のユーザー“B”が《ペドリってなんやねん誰も知らねーよそんなマイナーな名前》と返信。するとAは《ちょ、おまwwwww》と、何やらキャプチャー画像を引用して応戦。

 WBC2023大会での「憧れるのをやめましょう」との大谷の言葉をイジったであろう、サッカーファンと思われるAが名前を持ち出した「ペドリ」とは、スペインのサッカークラブ「FCバルセロナ」に所属するペドリ選手(23、ペドロ・ゴンサレス・ロペス)のこと。

 名門・バルサのレギュラーとして中盤でプレーするペドリは、スペイン代表でも絶対的な存在として、「FIFAワールドカップ2026」でも活躍が期待される若きスター選手。

 ペドリを「マイナー」扱いするBに“煽られた”と思ったのか、Aはペドリと大谷のインスタアカウントをスクリーンショットで画像引用。フォロワー数「2147万人」のペドリと、「1070万人」の大谷と比較して「ペドリの方がメジャー」と言いたかったようだ。

大谷バカにしたのそっちやからな

 そのペドリがゴール後に披露するパフォーマンス、“ゴールセレブレーション”としているのが「双眼鏡」ポーズ。ベネズエラ戦で大谷が披露したポーズが、サッカーファンから見ればお馴染みのポーズとして、《ペドリの真似をしている》と映ったのだろう。彼らの問答を機に野球ファン、サッカーファンによる論戦が始まった。

《マイナーなのはペドリじゃなくて大谷と野球だぜwww》
《いやペドリと比べたら、大谷なんてドマイナーになっちゃうけど大丈夫?》
《世界の大谷さんだよ? 世界のペドリなんて聞いたことない笑》
《ペドリって選手出して、大谷バカにしたのそっちやからな》

 ついには大谷とペドリの「どちらが真似たか」だけでなく、両選手の収入、両スポーツの競技人口、WBCとW杯の規模の大さや順位など、ことあるごとに論じられてきた野球対サッカーの構図に発展。本人たちが全く知らないところでの“代理戦争”が起きている。

Xでは大谷翔平が披露した「双眼鏡」ポーズと、ペドリのゴールセレブレーションを比較する投稿も

 野球とサッカー、ファンを二分した大谷とペドリの「双眼鏡」ポーズだが、本当にどちらかが真似をしていたのだろうか。その“真意”を掘り下げるとーー。

 まずペドリ。2024年にバルセロナ公式SNSでは「父親に捧げる」ポーズと紹介されている。なんでも「双眼鏡」ではなく「メガネ」を表現したようで、後に「父のためにゴールを捧げたいと思った。家族全員がメガネをかけているから、このゴールセレブレーションに決めたんだ」と明かしている。

 一方の大谷。こちらは「双眼鏡」ポーズにつながる直前プレーにヒントがあった。8対5でベネズエラがリードして迎えた8回の表、ツーアウトランナーなしで打席に立ったのは、MLBでも対戦するカンザスシティ・ロイヤルズ所属のサルバドール・ペレス捕手(35)。

ベネズエラ選手に対するジェスチャー

 マウンド上の種市篤暉投手(27、千葉ロッテマリーンズ)の3球目を叩いた強烈な打球は、ファウルボールになって侍ジャパンの三塁側ベンチを強襲。この打球の先にいたのが大谷だった。大袈裟なアクションで避けてみせると、打席のペレスに対して、両手でグラウンドを指差して「打つのはこっちじゃなくて向こうだろ」とばかりにジェスチャーで会話

 続けて「ここから見てるからな」とばかりに、おどけて「双眼鏡」ポーズをとって笑顔を見せたのだった。この回に牽制ミスで失点を許した種市、そしてピンチの状況下で守備につくチームメイト、そして気落ちするベンチを鼓舞すくべく「野球を楽しもう」との大谷なりの気遣いだったのだろう。

 つまりはプレーの流れから咄嗟にとったポーズであって、決してペドリを真似したわけでもなく、“切り抜き”画像からゴールセレブレーションと勘違いした“ハヤトチリ”から起きた野球・サッカー論戦だったようだ。

 大谷とペドリ、競技は違えども互いに世界、ネットを熱狂させるアスリート同士なのは間違いない。