止まらない恋リア番組の人気

 Amazonプライムの『バチェラー』、Netflixの『ボーイフレンド』『ラヴ上等』、ABEMAの『今日、好きになりました。』『ラブパワーキングダム〜恋愛強者選挙〜』など、恋愛リアリティーショー番組(恋リア)がかつてないほど流行中だ。

恋リアがテレビでは難しい理由

 前述の恋リアはすべて続編が決定されているか、シーズンものになっている。NetflixやABEMAといったネット配信を中心に制作されている背景について、

「恋リアに出演するのはまだ知名度のない俳優や素人でもいいので、ドラマを作るよりも安上がり。設定さえ決めておけば出演者が勝手に動いてくれるので、脚本もあまり必要なく、番組が低予算で作りやすいんです」

 と話すのはエンタメ系WEBマガジン『チェリー』編集長の霜田明寛さん。

 恋リアは配信サービスに求められるニーズとも合っているそう。

「ネット配信ものはケンカやキスシーンなど刺激的な場面をSNSであえて流し、刺激的であればあるほど拡散されて新規の契約に結びつくメリットがあります。一方で、地上波のテレビだと刺激的すぎるシーンはスポンサーが嫌がる可能性が。

 また、『バチェラー』シリーズなどでいうと配信開始からカップル成立の結果まで約1か月かかるので、視聴者の解約のタイミングを延ばすことができます」(霜田さん、以下同)

 ネット配信でこれだけ恋リアが大成功しているのに、地上波ではなぜほとんど恋リアが作られないのか?

「地上波だとリスクが大きすぎるんです。かつて『テラスハウス』(フジテレビ系)は地上波で大人気番組でしたが、出演した木村花さんが誹謗中傷に悩み、2020年に自死された事件がありました。

 配信で恋リアを能動的に見る人は、リアリティーとはいえ一部は演出かも、と納得している。しかし、テレビはたまたま流れていたから見たという視聴者にも届き、一部の映像や文面が切り取られて炎上してしまう可能性があります。

 あのときのような炎上や悲劇が起きた場合、放送したテレビ局からスポンサーが離れてしまうかもれない。大ダメージを受ける可能性を秘めるコンテンツは地上波で放送せず、スポンサーを気にしなくてもいい配信サービスでやろうとなっているのでは」

 前出の『今日好き』は高校生向け、『あいの里』(Netflix)は中高年向けと、恋リアは幅広い年代に浸透。

「昔の若者は月9を見て恋愛を学んでいましたが、今の若者は恋愛の予習として『今日好き』などを見ているようです。中高年は過去の自分の恋愛を思い出しながら、追体験をするような感覚で見ているのかなと。

 ただ、恋愛は入り口であり、本質は人間を知るところにあるように思えます。ヤンキー男女の恋愛を追った『ラヴ上等』やゲイの男性たちが共同生活を送る『ボーイフレンド』といった、普段はあまり知ることがない世界の恋愛をのぞけるところは年齢を問わず、恋リアが支持されている点だと思いますね」

 恋リア沼は思った以上に深かった!