26年春場所、3度目の優勝をした霧島(音羽山部屋)

 

 大相撲春場所は、関脇・霧島(29=音羽山部屋)が14場所ぶり3度目の幕内最高優勝を果たし、大関復帰を確実にするという感動的な結末で幕を閉じた。千秋楽の22日、優勝力士の証である賜杯を抱いた霧島は、時間の都合で着替える間もなく締め込み姿のまま小雨の中を優勝パレードするという異例の光景を見せた─。

霧島の姿に「風邪ひかないで」

 気温約13度の小雨の中、上半身裸で大阪の街を走り抜けた霧島。表彰式が長引いたため着替えの時間がなく、急きょ締め込み姿でのパレードになったという。珍しい光景に沿道のファンからは大きな歓声が上がったが、SNSでは《風邪ひかないでー》《裸のパレード初めてみた》《前代未聞じゃね?ジワジワくる》と祝福と共に心配の声も多く寄せられた。

異例の締め込みのまま優勝パレードに参加した、26年春場所優勝の霧島(音羽山部屋)

「すでに時間が押していて小雨が降っていたためとのことですが、霧島自身も『こんなの初めて。今まであるんですか?』と驚いていました。ファンの予想どおり寒かったようで『寒い…』とこぼしながら支度部屋戻ってきたようです」(相撲ライター)

 今回の大阪・春場所場所は霧島の大関復活優勝という明るい話題の裏で、観客のマナー問題が深刻化していたことも見逃せない─。

 場所序盤から問題となったのは、横綱昇進に挑む東大関・安青錦(21=安治川)は東小結・若元春(32=荒汐)との一番だ。

 両力士が土俵中央で腰を下ろして集中力を高めていた際に、客席から「若元春ー!」などと大声が飛び、行司が軍配を返した後にも名前を叫ぶ声が複数回上がり、ファンからも嫌悪感の声が相次いだ。

 さらに4日目、大の里の休場により単独で土俵入りを行った横綱・豊昇龍が力強く四股を踏む中、一部の観客が指笛を吹く行為が確認された。翌日5日目も豊昇龍の土俵入り時「ふっほぉー!」などという神聖な儀式を妨げるような声が相次ぎ《奇声上げてる馬鹿を出禁にしてくれ》《一番品格を求められるのは観客》など批判が殺到。

 大阪場所でのマナー違反はこれだけでは終わらなかった。

横綱・豊昇龍の身体を叩く観客

横綱・豊昇龍の身体を観客が「バシバシ」と叩く様子(Xより)

 6日目、平戸海(25=境川部屋)に快勝して花道を引き揚げる横綱・豊昇龍の身体を、観客が「バシバシ」と叩く場面がカメラに捉えられた。日本相撲協会は公式サイトで「力士や審判には触れないでください」と明記しており、明確なルール違反だ。

 係員がすぐさま制止に入ったが、ファンからは《係員もいる意味がない。触った後に手でガードしても遅い》《怒られたら逆ギレしてるの頭おかしいだろこのおっさん》《力士にヤジったりタニマチ気取りでおるオッサンで有名》と呆れる声が上がった。

 22日の千秋楽でも問題は起きた。霧島の優勝インタビュー中、温かい拍手と歓声に包まれる中で、突如「場違いなヤジ」が館内に響き渡り、一瞬会場が静まり返る事態に。

「細かいマナー違反は挙げたらキリがありませんが、今場所・大阪場所でのヤジの多さやマナー違反が特に目立ったようで、善良なファンからは『もう大阪場所には行きたくない』などの声もあがっているほどです。厳しく取り締まると客離れも懸念されますが、昨今の相撲人気を顧みても力士と善良なファンのためにも本腰を入れて改善すべき課題だと感じます」(前出・相撲ライター)

 日本相撲協会はこれまでYouTubeでの発信や、会場でリーフレットなどを配布し注意喚起を行なっているが浸透していないのが実情。力士の汗と涙に報いるのは、ファンの節度ある行動に他ならない─。