左から吉沢亮、トミー・バストウ、髙石あかり、池脇千鶴、岡部たかし 撮影/矢島泰輔

《このドラマは話がゆっくり進むのが特徴なのに、死ぬ時はあっけなかったですね。でもこんな死に方したいです》

《悲しいけれどこんな死に方は理想的》

朝ドラ『ばけばけ』ヘブン先生の死に感嘆の声

ヘブン役のトミー・バストウ 撮影/矢島泰輔

『ばけばけ』3月24日の放送、ヘブン先生(トミー・バストウ)の突然の死に朝ドラファンが感嘆の声を寄せている。

 軒先のやわらかい日差しの中、自分がいなくなったらどうするかをトキ(高石あかり)に語らせるヘブン。子どもといっしょにあれやこれやしたい、とたわいもない様子で語らうトキとヘブン。「失礼シテ先ニ休ミマス」とトキにもたれて眠りにつくヘブン。そして、お骨の入った小瓶が映り、お墓のシーンに……。

《はたから見たら楽しそうな会話だけど、2人はその時が近づいてることを知っている。というのを視聴者は知っている。どうかその時が少しでも遅くなってと思うのに》

《台詞がほとんどない静かなシーンで人の死を表現してたの、これ以上呆気なさが伝わってくる演出はそうそう無いし、わかっててもう一周してもやっぱり泣ける》

《悲しいけど不思議なことに視聴者としてヘブン先生を見送れた達成感みたいなものがある》

《おトキの隣りで逝っちゃった。これが一番幸せな死に方かもしれないなぁ》

 ヘブンの納骨には司之介(岡部たかし)やフミ(池脇千鶴)とともに、松江から来たサワ(円井わん)や庄田(濱正悟)の姿も。ヘブンの死を動揺を見せずに受けとめてきたトキだったが、親友のサワを前にやっと取り乱して号泣することができる。錦織の帽子がヘブンの墓前に供えられたのもファンにはうれしい。

《サワちゃんと二人になって取り乱すおトキちゃんが愛おしい》

《ナレ死じゃなくて本当によかった…あと3日どうなるんですか。錦織さんの帽子で泣く》

「会話もそうですが、ドラマファンの心をくすぐる演出も多い。“取り乱す”という言葉もトキとサワ、親友同士のキーワードです。ヘブン先生と勘右衛門(小日向文世)の遺影の横に鎌(ビアーを探した時のカマ―)があったのもくすりとさせる演出でした」(テレビ誌記者、以下同)

ヘブン先生ロス

トミー・バストウと髙石あかり 撮影/矢島泰輔

 最終回3日前のタイミングにヘブン先生ロスの声が集まっているが、それ以上に“死”の描き方に対して、

《「ジゴクジゴク」と文句を言って憚らない気性の激しい人なのに、死を前にしてただ一言の恨み言も残さなかった。自分が恨み言を残せば、トキの中で消えない後悔となってしまうことを解っていたんだろう》

《錦織さんといいヘヴンさんといい、こんな優しい死の表現今まであった?…ほっこりさえしたんだけど。切なさはあるのだが》

《おトキは死を感じて約束の確認と、思い出の虫(糸こんにゃく)もスキップもテテポッポも、とヘブン先生に2人の思い出を沢山持たせて、旅立って貰ったのかも》

《ヘブンとおトキの物語なんだけど、ヘブンのそばには錦織がずっといて、おトキのそばにはおサワがずっといて、そしてヘブンの死をきっかけにおトキとイライザの繋がりも深まって、そういう同性同士の支え合いみたいなところも深く描いてくれるのが良き》

《季節外れの桜が散り、振り返るヘブン先生をおトキちゃんの瞳にはどんな風に写ったのか、死を覚悟した人の桜を見られた喜びだろうか。嗚呼、この人は言ってしまうのだなと悟ったんだろうな》

《ばけばけは登場人物がほとんど亡くならないから、死の重みが強くてより悲しい》

《ほんとマイルド表現で2人の死をだいぶ優しく受け止められたよ。ありがとう》

 とそれぞれに深い思いを抱いてのコメントが後を絶たない。

「視聴者がここまで思いを共有できたのは、会話と空気感を大事に『ばけばけ』だからこそ。不思議な魅力のあるドラマだったと思います」