2001年に第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』が公開されて以来、世界中で愛されてきた映画『ハリー・ポッター』シリーズ。2011年に公開された『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』をもって大団円を迎えたが、その後も『ハリー・ポッターと呪いの子』が舞台化されるなど、高い人気を誇ってきた。
ドラマ版『ハリー・ポッター』の制作を正式発表
そんな中、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは2023年4月に、ドラマ版『ハリー・ポッター』の制作を正式発表。映画では時間の制約から泣く泣くカットされてしまう部分もあったが、ドラマ版ではJ・K・ローリングの原作を忠実に再現。1巻ごとに1シーズンを費やし、全7シーズンを制作することが明らかになった。
そして3月26日、ついにHBOが手がけるドラマ版『ハリー・ポッターと賢者の石』のティザー映像が全世界に公開された。ティザーでは、マグル(非魔法族)の世界で冷遇されていたハリーがホグワーツ魔法魔術学校から入学の手紙を受け取るシーンや入学式のシーン、先生や友人たちと出会うシーンが描かれている。
中でも注目を集めたのは、全面刷新されたキャスト陣だ。ハリー・ポッター役にドミニク・マクラフリン、ハーマイオニー・グレンジャー役にアラベラ・スタントン、ロン・ウィーズリー役にアラステア・スタウトが起用され、ドラマ版オリジナルの新たな顔ぶれがお披露目された。
「今や世界的大スターとなったダニエル・ラドクリフ(ハリー・ポッター役)やエマ・ワトソン(ハーマイオニー・グレンジャー役)など、各キャラクターには映画版のキャストのイメージがどうしても強く根強いています。それは、主要キャラクターだけではなく、全ての登場人物に共通して言えることです。
しかし、映画版のキャストで新たにドラマを制作することは現実的でありません。そんな中で、キャストを一新することに戸惑いや心配の声があがっていました」(映画ライター)
しかしティザーが公開されると、SNS上では期待以上という声が見受けられた。
《原作ファンとしては映画でカットされた細かなシーンがみられそうでうれしい》
《映画のキャストが良すぎて不安もあったけど案外しっくりきて安心した》
《さすがのHBOクオリティ! キャストも小説版で想像してたビジュアルに合ってて楽しみ!》
その一方で、スネイプのキャスティングに違和感を抱く声も。
「ドラマ版でスネイプ役を演じるのは、イギリス生まれのガーナ人俳優、パーパ・エッシードゥです。映画『MEN 同じ顔の男たち』などで知られる実力派で、その演技力が高く評価されている俳優さんです」(前出、映画ライター)
新・スネイプを受け入れがたいという意見は後を絶たない
映画版ではアラン・リックマンが演じたスネイプ。黒いローブに身を包み、油っぽい黒髪、鉤鼻、冷たさを帯びた青白い顔といった陰気で謎めいた雰囲気こそが、多くの人が思い描くスネイプの姿だった。そのため、新・スネイプを受け入れがたいという意見は後を絶たない。
また、原作に忠実ではないという点も批判の一因のようだ。
「原作のスネイプは“土気色の顔”と表されることもありました。この“土気色”というのは、生気のなさや不健康さを強調する表現であり、肌の色を意味するものではありません。また、映画版では黒人としてキングズリー・シャックルボルトが登場しますが、彼は原作ではっきりと黒人であることが明記されています」(前出、映画ライター)
さらに、別の懸念もある。スネイプは学生時代、ハリーの父親であるジェームズ・ポッターにいじめられているという設定がある。ジェームズとスネイプの確執を描く、映画でも登場した大事なシーンだ。しかし、白人のジェームズが黒人のスネイプをいじめるという構図に見える可能性は無視できない。現代社会においては極めてセンシティブな誤解を招きかねず、本来のストーリーとは別の解釈をされてしまう危険性をはらんでいる。
こうしたキャスティングを巡る賛否や議論の過熱化を受け、一部の過激なファンからエッシードゥ宛に殺害予告まで届いていることが問題となっている。
「エッシードゥは英国『タイムズ』紙の取材で『降板しなければ殺す、お前の家に行って殺してやる』といった殺害予告が自身のSNSに届き、直接的な脅迫を受けたと明かしたこともあります。制作陣も事態を重く受け止め、撮影現場に厳重なセキュリティーチームを配置しているとか」(前出、映画ライター)
エッシードゥは、名門ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで史上初めて黒人俳優として『ハムレット』を演じた人物だ。これまでも固定観念を覆す名演技を見せてきた。そのキャリアを踏まえれば、彼が新たなスネイプ像を提示する可能性も十分にあるだろう。
2026年クリスマスに配信開始予定のドラマ版『ハリー・ポッターと賢者の石』。心無い声に打ち勝ち、新生スネイプとしてこの論争に終止符を打ってくれることを期待したい。
