3月30日、NHK大河ドラマ『豊臣兄弟世帯視聴率は!』の第12話『小谷城の再会』が放送され、世帯平均視聴率は11.4%で、前回を0.21%下回った。
視聴率伸び悩み「こんなはずでは…」
放送前から期待値が高く、初回視聴率も13.5%と前回『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の12.6%、前々回『光る君へ』の12.7%を上回る好調なスタートを切り、“傑作の予感”とまで称えられた同ドラマ。2話以降は10%台になることもあったが、12~13%台を概ねキープしていた。
SNSなどでも評価は上々で、人気も上がっていると思われたが、NHK内部から「こんなはずでは……」という声が聞こえてきている。
「感触としては、“評判が良い”というのはわかりますが、それが数字(視聴率)に表れていない。『麒麟が来る』や『青天を衝け』くらいまでには行けるだろうと踏んでいましたが、なかなか数字が上がらない。正直なところ不満です。決して悪い数字ではないのですが、せめて12%後半から13%くらいまではいってもらわないと」(NHK関係者)
『麒麟が来る』の世帯平均視聴率は14.4%、『青天を衝け』は14.1%だった。
女優陣も含め人気俳優が顔を揃えるなど、豪華なキャストに加え、テンポもいい『豊臣兄弟!』。なにせ戦国時代が舞台なだけに合戦シーンも豊富……と、人気ドラマとなる条件を揃えているのに、なぜ視聴率が上昇しないのか。
苦戦の背景に“オールド大河ファン”離れ
ベテラン映画記者によれば、
「オンタイムで視聴するオールド大河ファンが離れてしまったと考えられます。兄弟間のやり取りや周りの女性たちとの絡みも含め、青春ドラマのようなノリで、全体的に“軽い”と感じるのは否めません。若い視聴者を意識したせいか、時代劇の重厚さや格調高さが影を潜めてしまったこともありますね。戦国時代の殺伐さも感じません。オールド大河ファンはしっくりこないのでしょう。
また、第5話で大沢次郎左衛門(松尾諭)を調略する際、藤吉郎は妻となる寧々の話を持ち出して情に訴えたり、第8話では美濃三人衆の一人・安藤守就(田中哲司)が簡単に味方に付いてしまうなど、“ご都合主義”的な部分も。第5話の御前試合のシーンはまるで古代ローマの剣闘士の試合みたいで、しかも御前試合なのに一般開放。あくまでドラマだといっても“史実”とかけ離れた演出がリアリティーのある歴史時代劇を好む視聴者には納得がいかないのかもしれません」
さらに、合戦シーンがあることはあるのだが、割とあっさりと描かれるだけ。
「昔のように、エキストラを多数集めて野外ロケで合戦シーンを撮影するのは、物理的にたしかに難しくなっています。CGで再現できないこともないでしょうが、それでもお金はかかりますからね。そもそも『豊臣兄弟!』は兄弟の成長が物語のテーマなので、合戦シーンにはそれほどこだわっていないのでしょう」(同・映画記者)
配信での視聴者が増えた現在、視聴率が必ずしもその番組の人気度を測れるものではなくなってきているが、それでも制作サイドにとってはひとつの指標であることは変わりない。
「もちろん、制作サイドも手をこまねいているわけではありません。朝ドラでもそうですが、視聴者の反応を見て、今後は脚本や演出が変わっていくのではないでしょうか」(テレビ誌ライター)
ドラマはまだ序盤で、秀吉が天下を取るまでに今後さまざまな“変”や“戦い”が起きる。キャストもすべて発表されてはおらず、これから新たに登場する人物も多いだけに、期待は膨らむ。“リタイア”するのは、まだ早い――。
