吉村洋文大阪府知事

 職員へのパワーハラスメントを理由に減給の懲戒処分を受けた、大阪市の前経済戦略局長・岡本圭司氏(68)。4月1日に大阪府の吉村知事(50)は、岡本氏を府の特別参与として起用する方針を明かし、波紋が広がっている。

部下数名に対して大声で叱責・人格を否定する言動

大阪府庁本館(大阪市中央区)

 岡本氏は府に採用されて府民文化部長などを歴任したのち、市の公募に応じて2021年4月に大阪市経済戦略局長に就任。在任中には、部下数名に対して「顔も見たくない」など大声で叱責したり、人格を否定する言動、無視といった行為を繰り返していたとされる。

「市の第三者機関である公正職務審査委員会は、3月16日に岡本前局長の言動計26件をパワハラと認定しました。30日には減給6カ月の懲戒処分が下されたものの、3月末で任期満了により退職したため、実際には減給がおこなわれていない状況です」(全国紙社会部記者)

 今回起用する方針を明かした特別参与は非常勤で、委嘱期間は1年。吉村知事は4月1日、記者団に岡本氏の懲戒処分について「大阪市の処分について受け入れ、『申し訳なかった』と本人も反省している」と説明した。その上で、起用については処分以前から府として打診していたことも明かしている。

「吉村知事は起用について、岡本氏が大阪の文化や芸術、『御堂筋ランウェイ』、『大阪来てな!キャンペーン』などに尽力してきた実績が理由だとしています。経済戦略局長としての経験も踏まえ、政策面での助言を期待した人事だと強調しました」(前出・全国紙社会部記者)

吉村知事は「能力があるのは間違いない」

 岡本氏について「だからこそ大阪市の経済戦略局長も務められていたということでもあります。その能力があるのは間違いない」と強調する吉村知事。しかしネット上では、今回の起用に批判的な意見が殺到している。

《大阪を元気にするイベントってパワハラなしに成り立たないものなの?》

《これって、パワハラに対する処罰は実質的に無しってことだよね》

《能力があればパワハラしても問題ないってこと?》

《パワハラは組織を崩壊させるから絶対にダメ。能力だけで起用するなんてハラスメント問題の真意が分かっていない》

《維新のお家芸ですね。物事を決めるのが独断的》

《パワハラにも程度はあるが、事実認定されて処分されるような人の言動は「社会通念上の範囲(限度)を超えたレベル」です。そんな人は重職に採用とは、あまりにも被害者を軽視してる》

 など、起用の妥当性や行政の判断基準そのものを疑問視する声も少なくない。

 処分を受けた人物の再起用をどう捉えるのか。行政としての説明責任とともに、ハラスメントに対する姿勢そのものが問われている。