米やパンなど主食の価格が高騰している今、日々の出費に悩む読者も多いはず。そこで活用したいのが、安価で手軽に食べられるインスタント麺だ。とはいえ「健康面が気になって手が伸びない」、「夫や食べ盛りの子どもが食べたがるけど胃もたれするから苦手」という人も多い。
そこで、料理研究家で管理栄養士の金丸絵里加さんに、インスタント麺の罪悪感を減らしつつ、食べやすくする簡単テクニック&オススメの“ちょい足し食材”を教えてもらった。
ちょい足しのコツはタンパク源+野菜
「インスタント麺の健康面で一番気になるのが、塩分の過剰摂取です。厚生労働省が定める女性の食塩摂取目標量は1日6.5gまでですが、インスタント麺はたった1食で平均4~7gもあり、過剰摂取を引き起こしがち」
対策はできるだけ塩分が少ない商品を選び、スープは飲み干さないようにすること、と金丸さん。
「スープをトマトジュースや豆乳、お酢などでアレンジしてうまみをアップすると、スープの粉を減らせるので減塩対策になります。
また、カリウムを含む野菜や果物は塩分の排出を助けるので一緒に摂取しましょう。ただしカリウムは水溶性なので、野菜はできれば水菜や三つ葉などの生野菜で、果物はカリウム含有量の多いキウイやイチゴなどがおすすめです」
また、インスタント麺は脂質やカロリーもオーバーしがちなので、麺はノンフライタイプを選ぶのも有効だ。
「フライ麺は、胃もたれや生活習慣病のリスクを高める酸化油の摂取につながるため、できるだけ避けたほうがよいでしょう。またカロリーも商品によって大きく差があるので、成分表を確認して300kcal前後のものを選ぶのがおすすめ」
インスタント麺のもう一つの注意点は、栄養バランスが悪いこと。
「インスタント麺は糖質や脂質を多く含む一方、健康維持に欠かせないタンパク質、ビタミン、ミネラルがほとんど含まれません。
卵や納豆、サバ水煮缶などのタンパク質食材と野菜や海藻類を加えると、栄養バランスが整って罪悪感も少なくなるはず。野菜はカリウムの面では生が最適ですが、ほうれん草やブロッコリーなどの冷凍野菜でも栄養価は高いのでOK」
気をつけたいのが、ソーセージなどの加工肉やキムチなど漬物のちょい足し。
「これらの食品は塩分が多く含まれるため、ちょい足しすると逆効果になります。また締めとして残ったスープにご飯を追加するのも、塩分やカロリーの過剰摂取につながるためNG。夫や食べ盛りの子どもには、豆腐やゆでた豆もやしをかさまし食材として加えるのもおすすめですよ」
ちょい足し食材6品
(1)納豆……血糖値抑制&腸活に
インスタント麺と意外に相性がいいのが納豆。豆腐と同様、タンパク質や鉄分、ビタミンB群、食物繊維が補給でき、血糖値の急上昇をゆるやかにし、代謝のサポートにもおすすめ。発酵食品なので腸内環境の改善にも有効
[合う味]しょうゆ系、みそ系
(2)豆腐……栄養アップ+かさまし効果
タンパク質やカルシウム、ビタミンB群が補給でき、糖質に偏りがちな栄養バランスを整えやすい。口当たりが優しく軽い食べ心地だが、かさまし効果もあるので食べすぎ防止にもおすすめ
[合う味]みそ系、辛味系
(3)卵……これ1個でOK!
卵たった1つで、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、ほとんどの栄養価を摂取できる完全栄養食品。ビタミンCと食物繊維は含まれないため、あわせて野菜のトッピングを。食べ方は、ゆで卵や落とし卵など、お好みで
[合う味]どんな味でもOK
(4)海藻類……血糖値抑制&便通改善
わかめやもずくなどの海藻類は、食物繊維とミネラルの補給に最適。血糖値の上昇を緩やかにする効果や、腸内環境を整えて便通の改善にも効果的。わかめは乾燥タイプも便利。海藻類はヨウ素が多く含まれるため、バセドー病の人は食べすぎないこと
[合う味]しょうゆ系、中華系(もずく)
(5)冷凍野菜……手軽に食物繊維を追加
食物繊維を豊富に含む野菜類は、手軽にトッピングできる冷凍タイプがおすすめ。ほうれん草やブロッコリー、刻みねぎなどは塩分の排出を助けるカリウムが豊富なので積極的にとり入れたい
[合う味]どんな味でもOK
(6)サバの水煮缶……脳にいい良質な脂質を
カロリーは少し高めだが、良質な魚由来の脂質、DHA、EPAといったオメガ3脂肪酸が豊富に含まれる。さらにタンパク質やカルシウム、ビタミンD、鉄分なども多く含まれており、栄養バランスのアップに最適
[合う味]みそ系、塩系
おすすめアレンジ
減塩&うまみアップに【スープアレンジ】
みそ系や塩系のインスタント麺は、作る際にお湯を半量に減らし、代わりにトマトジュースや豆乳、低脂肪乳を入れると味変になるだけでなく、栄養価もアップする。うまみが増すので、スープの粉を減らすこともでき減塩効果も
脂っこいインスタント麺でも罪悪感半減【お酢アレンジ】
お酢には、血糖値の上昇を抑える働きやうまみアップ、さっぱり食べやすくする作用もあるので、食べる前にさっとひとかけするのがおすすめ。お酢にだしパックを入れて1日以上置いた「だし酢」を入れるとさらにうまみがアップ
こちらは避けて!
白米
締めのご飯は危険?
麺を食べたあと、締めとして残ったスープに白米を入れて食べるのが好きな人もいるが、炭水化物の過剰摂取でカロリーオーバーになるうえに、スープの塩分、脂質も摂取してしまうので避けたい
加工肉、漬物
加工食品の塩分に要注意
ソーセージやハムなどの加工肉は塩分と脂質が多く、トッピングすると逆効果に。腎臓に負担をかけるリンも多く含まれるので、腎臓が悪い人や高齢者は特に注意が必要。キムチなどの漬物も塩分が多いため避けて
教えてくれたのは……金丸絵里加さん●料理研究家、管理栄養士。栄養価計算(カロリー計算)や栄養指導、ダイエットアドバイスなども加えながら、毎日食べても飽きない健康的な食生活のためのレシピを提案。著書に『365日のサラダ』(永岡書店)、『コンロ1つで自炊Lesson』(主婦の友社)ほか多数。
取材・文/井上真規子
