近隣に住む男性の首を鋭利な工具で刺し、駆けつけた警察官に殺人未遂の現行犯で逮捕された男。ほかに3人を襲ったとみられている。容疑者一家は事件前から“怖い家”として、周辺から恐れられて―。
ご近所トラブルは今に始まったことではない
「隣人が押し入ってきて夫が首を刺されました。夫と息子で隣人を止めています」
千葉県八街市の女性住民から、そんな切迫した110番通報があったのは3月18日正午前のこと。
県警佐倉署の警察官はすぐさま現場宅に駆けつけ、通報者の夫(当時43)の頸部を工具のドライバーで突き刺してケガを負わせたとして、その場にいた自称・無職の木内優一容疑者(61)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。
警察官が「逮捕するから」と容疑を告げると、「間違ってますよ」と否認したという。
「押収したのは全長約19センチ、太さ6ミリのプラスドライバーで、容疑者が持ち込んで犯行に使ったとみて調べています。別の近隣住民からも同様の通報がほかに3件あり、容疑者が関与した可能性が高いとみて捜査を進めています」(捜査関係者)
状況を考えると、4人目を襲ったところで取り押さえられたようだ。被害者は救急搬送され、いずれも命に別条はない。しかし、地元住民からは「気道に達しそうな傷と聞いた」「入院したのは気の毒」などと心配する声が上がる。
現場はJR八街駅から南西に約3.5キロの閑静な住宅街。容疑者宅は玄関前の草木が路上に大きくはみ出して生い茂り、周囲から目隠しするかのようで、近隣住民によると、家人はガレージ脇などから出入りしていた。
「あの家は夫婦で暮らしており、ご近所トラブルは今に始まったことではありません。もう10年以上、周辺にクレームをつけ続けています。
自宅近くで女性たちがみんなのために雑草を刈っていると、だいたい容疑者の妻が“そんなことやるな”などと口出ししてくるんです。でも容疑者が直接文句を言うのも、手を出してきたのも、おそらく初めてです」(近所の50代男性)
語られた近所トラブル
自宅近くで人の気配がしたり、人が近づくことに抵抗感があったようだ。外柵には《犬のフン持ち帰れ!》のプレートも。溝を埋めようにも、町内会に出てこないという。
「ゴミ出しのため集積場に向かうとき、容疑者宅の前を通るしかないんですが“ゴミ袋を持ってうちに近づくな”と言われました」(前出の男性)
容疑者の母親が30年以上前に購入した自宅では、以前は弟の家族が暮らしており、周辺とも親しく交流していたという。ところが十数年前に容疑者が相続すると、状況は一変した。
「弟さんは温厚な方でしたが、ご家族全員が追い出されてしまったんです。夫婦で住むには広すぎる家なのに。攻撃的に怒鳴り散らしますが、言い分を聞いても、話が噛み合わず会話は成立しません。関わり合いにならないほうがいいんです」(別の住民)
自宅近くで車がUターンすると怒り、容疑者の車で通行妨害することもあった。
「相手が子どもでも容赦なしです。近所の子どもが路上を走れば“走るな”と怒鳴りつけ、友達と話をしながら歩けば“うるさい”と怒るんですから」(近所の70代男性)
容疑者は、表立ってクレームを言わなかったが、妻の行動を咎めたり、なだめることもなかった。外出することもめったになかったという。
容疑者の妻に事件の背景や言い分などを聞こうと自宅を何度か訪ねたが、インターホンに応答はなかった。
「容疑者が否認している状況は変わりません。今後は犯行解明に必要な捜査をしていきます」(前出・捜査関係者)
事件後は、容疑者と妻の影に怯え、逆恨みでの仕返しを心配する住民がいるという。転居を検討する声も出始めている。
