「本当にスピードスケートを中心に生きてきた人生だったなと思いました。それと、私にとってとても大切な人たちと、現役のときも引退した後も出会えてきたなと感じます。
私はすごく言葉を大事にしていて、今回の本も出会った方々からいただいた言葉が中心なんですけど、私に大切な言葉をくれる方々と出会えたというのも本当にありがたかったなと思います。つらいこともけっこうありましたけど、なかなかほかの人が経験できない人生だったとも思うのでスケートをやってきてよかったです」
女子スピードスケートの最前線を走ってきた高木菜那が、自身初の書籍となる『7回転んでも8回起きる』(徳間書店)を発売。栄光と挫折を味わい、周囲の人にも支えられた半生を振り返った。
「足踏みしている時間も自分にとって意味のある時間」
2月に行われたミラノ・コルティナ五輪では解説者として現地へ。これまで選手として出場してきた五輪に初めて見る立場として参加した。
「自己採点は100点満点! アスリートとして戦う立場とはまた違うオリンピックで、応援してくださる人たちは、こういう気持ちで大会を見ているのかなというのをすごく感じました。
解説をやる前は“50点ぐらいかもしれない”と思っていたので、周りからの評価も、自分の評価も、すごくよかったオリンピックでした。強いて言うなら、もう少しカッコいい言葉が使えたらよかったなとも思ったりするんですけど(笑)」
'22年、北京五輪終了後の4月に引退を表明。これまで生活の中心だったスピードスケートの競技から離れたことで、思い悩むこともあった。
「引退してから目標や夢がなくなりました。メディアに出る仕事は楽しいですが、スケートみたいに“これで1番になりたい”というものはなくて、足踏みしている感じがしてもどかしい時間が長くあった4年間でしたね。
でも、ミラノ・コルティナ五輪が想像以上にうまくいって、足踏みしている時間も自分にとって意味のある時間でちゃんと形になって戻ってきているんだなと感じました」
引退後は知見を深めるために筑波大学大学院に進学。'25年3月にスポーツウエルネス学学位プログラム博士前期課程(修士課程)を修了した。
「運動は大事」SNSではファッションと“美”も発信
ラジオ『From Athlete!』(JFN系)で、リオデジャネイロ五輪競泳金メダリストの萩野公介らとレギュラーパーソナリティーを務め、4月からはTBS系のバラエティー番組『ラヴィット!』のシーズンレギュラーに起用されるなど、多忙な日々を送っている。
「引退してしばらくすると、1週間休みとかもあって“自分の価値って何なんだろう”と思うこともあったのですが、今はどちらかというと休みが欲しいですね。誰もいないところで、海とかたき火とか眺めたり、おいしいごはん食べて、温泉入って寝るみたいな。スマホも持っていかないくらいの感じで。
そういう時間を1日でもつくると見えてくるものもまた変わるのかなとか思ったりするので、無の時間というのも必要だなと思っています」
自身のインスタグラムでは番組に出演した際の衣装などを投稿。称賛のコメントも多く、ファッションも好きな印象だが―。
「スポーツをやっていて、体形がしっかりはしているので、それがきれいに見える形のもの、それに合うトップスを考えたりしながら、子どもっぽくならずに。そして、シンプルだけど、ちょっとデザイン性があるものを選んでいます。
今の流行に乗ると、後でほとんど着なくなってしまうので、“これいいな”と思ったものを買うようにしています。好きなものを着るという感じですかね」
この日もおしゃれなセットアップで登場。こだわりが詰まった一着だという。
「オーダーメイドで作りました。仲よくさせていただいているデザイナーさんがいて、生地から色み、形もすべて一緒に考えて。私、黄色と緑が好きで。その2色を使って、子どもっぽくならず、顔が暗くならないようにとかいろいろ考えてもらいながら作りましたね。すごくお気に入りです」
SNSではファッションだけでなく、美容液や美容器具など、“美”に関しても紹介している。最近、特に感じるものがあるという。
「美顔器とかも使っているのですが、運動しなければいけないなと。肌質とかは基礎化粧品が大事だと思うんですけど、むくみケアとかも大事だと思っていて。私はけっこうむくんだり、体重が顔に出るタイプ。
どんなに肌がきれいでも二重あごになっていたら悲しいので、走ろうと思っています。運動するとやっぱり代謝がよくなって、肌質とか腸内環境とかもよくなりますし。運動は大事だなというのはすごく感じますね」
「36歳までには結婚します!」
多忙なスケジュールの中、息抜きの時間は誰と会っているのか。聞くと、元アスリートが多いという。
「ラジオのつながりで萩野公介くんとは飲みに行くことが多いですね。何人かで集まってくだらない話をしています。一番、仲がいいのは(パリ五輪柔道48キロ級金メダリストの)角田夏実さんですね。
お互い忙しくてなかなか会えないんですけど、サウナ行ったり、飲みに行ったり、ごはんに行ったりしています。引退後のセカンドキャリアについて話したり、恋愛トークもけっこうします(笑)」
恋愛といえば気になるのは結婚のこと。結婚願望はあるようだが、堂々と宣言した。
「今年34歳になるので、36歳までには結婚します! “します宣言”します。してなかったらもう1回取材に来てください。“結婚してないんですか?”って(笑)。
そろそろひとりが寂しくなってきたので、一緒に生活してくれるとか、時間を共に歩める人がいたらいいなと思っています。でも、今は妹(スピードスケートで五輪通算10個のメダルを獲得した高木美帆)が私の家に寝泊まりしていて、楽しいのでどうしようかなと」
引退から4年。悩むこともあったが、セカンドキャリアは順調。今後は人生をどう設計していくのか。
「仕事もすごく好きなので、結婚して、いろいろな人と関わる時間がなくなってしまうのはイヤだなと感じていて。でも、兄に子どもが2人いて、兄の子どもとか、兄の奥さんとか見ていると、そういう時間もすごくいいな、その中で仕事をしている人たちもすごいなとか思いながら、自分はどうなっていくんだろうというのも感じています。
自分がやりたいことには挑戦していきたいと思っているので、それを一緒に歩んでくれるパートナーを探したいと思っております!」
笑顔で元アスリートらしく元気あふれるインタビュー。持ち前のパワフルさで今後も活躍を続けるだろう。

