千葉県市川市動植物園のニホンザル「パンチくん」

 世界中で話題になっている、千葉県市川市動植物園のニホンザル「パンチくん」。彼の姿をひと目見ようと世界各国から来園者が殺到し、3月は9万人に達したと公式が発表した。これは過去最多の記録だという。

CNNにBBCも!世界のパンチくん

3月は週末が晴天に恵まれた影響もあり大反響だったということです。9万人という数字には“前代未聞”だと園は驚きを隠せない様子でした。季節的にも外出しやすい気候になったこともあり、これまで中止していた“年間パスポート”を7日から平日の販売に限り再開すると発表しました。パンチくんファンにはうれしい報告だと思います」(地方紙記者)

 パンチくん人気は日本国内のみならず、国境を越え世界に知れ渡ることになった。つぶらな瞳でオレンジ色の大きなぬいぐるみをギュッと抱きしめるその姿は、SNSで拡散されるやいなやアメリカの『CNN』やイギリスの『BBC』など世界的メディアがこぞって報道。ついにはホワイトハウスの公式SNSにまで登場するという、異例の“全米デビュー”を果たした。

パンチくんが母親代わりに愛用するオランウータンのぬいぐるみ(イケア公式サイトより)

 そんなパンチくんの“これまで”を簡単に振り返ってみる。

「育児放棄」から始まった孤独な戦い

 パンチくんが誕生したのは2025年。しかし、待っていたのは過酷な現実だった。実の母親から十分な愛情を受けられず、飼育員さんが代わりに育てる「人工保育」へと切り替えられたのだ。

サルは本来、24時間お母さんにしがみついて育つ動物。温もりがないと、精神的に不安定になってしまうんです。そこで飼育員さんが“代理母”として差し出したのが、IKEAのオランウータンのぬいぐるみでした。パンチくんはこのぬいぐるみを“ママ”と認識し、片時も離さず、寝るときも移動するときも、その長い腕に守られるようにして過ごしてきました」(前出)

世界中で「オランママ」が完売する社会現象

 この健気な姿は多くの現代人の心に刺さり、海外のファンからも「愛に種族は関係ない」「彼を守ってあげて」と、英語のハッシュタグ《#HangInTherePunch》を添えた応援コメントが殺到した。

 また“パンチくんのお母さん”である、IKEAのオラウータンのぬいぐるみは「オランママ」と呼ばれ、日本だけではなくシンガポールや北米などの店舗でも完売する事態に。

子ザルのパンチくん(写真/読者提供)

IKEAには“パンチくんと同じ温もりを”と買い求める人が殺到し、フリマサイトなどで高額転売される騒動にまで発展しました。日本のIKEAでは1499円で販売していましたが、世界最大のオークションサイト『eBay』で51.99ドル(約8000円)で転売しているというケースもあるようです」(前出)

【最新】会いに行く際の「ルール」と混雑予想

開園時間:午前9時30分から午後4時30分(入園は午後4時まで)
休園日:毎週月曜(祝日と重なった場合は翌日)、年末年始
入園料:大人440円(税込)小人110円(税込)未就学児は無料
年間パスポート:大人1260円(税込)、小人310円(税込)

 そんなパンチくんにひと目会いたいと、来園者の約半数が外国人観光客という日もあるほどだという。会いに行く際に、パンチくんの成長を見守るための最新ルールは押さえておきたい。何度も動物園に通うパンチくんファンに聞いた。

「SNSの影響もあり週末は非常に混雑します。特に11〜14時あたりは駐車場も満車になりやすく、園内も非常に賑わっています。パンチくんが活発に動く姿を見ようとサル山の前はすごい人だかりで、小さなお子さんは見えないかもしれません。でも多くの人が観覧できるようスタッフによる“観覧10分ルール”の誘導などもあるので、パンチくんにお目にかかれると思いますよ。ただ午後は彼がお昼寝に入ることが多いため、早めの到着をお勧めしますね

カメラのフラッシュと大声はやめて

 パンチくんはまだ繊細な赤ちゃんサル。ほかのサルたちへの刺激も配慮するため、注意事項としてカメラのフラッシュや、大声で「パンチくーん!」などと呼びかけるような行為はNGだという。

「大きな声を出すとサルたちが怖がり、ストレスやケンカなどが起きてしまうことがあるんです。パンチくんはまだ赤ちゃんですし、弱くて抵抗ができない。そんな幼いお猿さんたちを守るためのルールでもあります」(前出のファン)

 動物園はサル山の拡大、10分ルール、さらにはライブ配信の禁止や撮影のための脚立や椅子、自撮り棒の使用なども禁止し、明確なアナウンスを出している。

 現在はぬいぐるみのオランママから離れて、群れの仲間と過ごす訓練もしているため、「ぬいぐるみを持っていない時間」も増えている。パンチくんの自立に向けた大切な一歩をあたたかく見守りたい。