鈴木憲和農相

 2026年1月に5キロ4416円と最高値を更新していたコメ価格が、ここに来て7週連続の値下がりを見せ、店頭価格でも平均にして3900円台で落ち着きを見せている。一部で価格暴落寸前も伝えられる中、気になるデータが投下された。

 4月7日に「米穀安定供給確保支援機構」が発表したのは、コメ5キロの生産、集荷、卸売り、小売りにかかるコストを算段した「コスト指標」。その結果、「5キロあたり2816円」のコストを要し、この価格には卸売業者などの流通コストは含まれないという。

 つまり店頭に並ぶ際にはどうしても5キロ3000円〜4000円になり、同機構としても現状が“適正価格”と示したいのいだろう。同日には、農林水産省の鈴木憲和農相(44)もXで同データを引用し、

【消費者にもご理解頂ける価格水準で、米が持続的に供給されるよう、国として需給の安定を図ります。 ちなみに、利益なしのコストのみで、精米5キロで2816円。】

 あらためて「5キロ2816円」を発信。農相もまた「消費者にもご理解頂ける価格水準」と拡散したかったのか。

「5キロ2816円」算出のカラクリ

 たしかに4000円台のころと比較すると割安とも思えるコメ価格だが、“令和のコメ騒動”が起きる前は、店頭価格で2000円台で販売されていただけに、あらゆる物価高が続くご時世とはいえども違和感は残る。

 そもそも鈴木農相も“公認”した、米穀安定供給確保支援機構によるデータにも疑問を持たざるを得ない。というのも試算対象としているのは、作付面積1ヘクタール以上3ヘクタール未満の小規模農家であり、国内市場の大半を占める大規模農家のコストは含まれていない。

 つまり生産コストをより必要とする方のデータが用いられているわけだ。さらに消費者からいまいち信用されない理由が、この米穀安定供給確保支援機構が「JA全農(全国農業協同組合連合会)」や卸売業者による公益社団法人だということ。

佐々木雄太県議宛に「日本を耕す」との色紙を認めた鈴木憲和農相(佐々木氏のインスタグラムより)

 2025年5月、農相に就いた小泉進次郎氏(44、現防衛相)の政府備蓄米放出によってコメ価格は一旦の落ち着きを見せるも、10月に同職に就いた鈴木農相は「コメ価格にコミットしない」として増産に慎重姿勢。その結果、市場価格は“リバウンド”した。

 さらに高市早苗首相(65)による物価高対策として、鈴木農相は「おこめ券」配布を実施。すると券を発行するJAに「手数料」が入るカラクリも明らかになり、農相は「JAへの利益誘導、全くない」と否定するも、国民の不信感は募るばかり。

余ったお米を「備蓄米」で買い入れ

 そんなJA団体が算出した、また鈴木農相が発信した「5キロ2816円」だけに、またもやコメ価格を何としても維持させるような“利益誘導のカラクリ”が疑われてしまったわけだ。その農相、3月13日の会見で、

「(令和)8年産の供給量は十分な水準にあるとのデータが得られたことを踏まえて、本日、入札の公告を行うことといたしました」

 余りに余るとされる2026年産の備蓄米の買い入れを発表し、4月14日に初回の入札を開始する。余ったお米を税金で買い取ることになる。

 コメ業界を守るのも農相の仕事なのだろうが、まずは国民の生活を守るための仕事をしてほしいが。