自転車の交通違反に反則金を科す「青切符制度」導入から1週間。各地で摘発が相次ぎ、交通ルールを守る風潮が醸成されつつあるなか、まったく別の角度から思わぬ問題が浮上しているという。
「放送禁止になるんですかね」
「あの名曲がひそかに不安視されているのです」(スポーツ紙記者、以下同)
人気フォークデュオ『ゆず』のメジャーデビューシングル。爽やかなメロディと青春時代を思わせる甘酸っぱい歌詞――そう、『夏色』である。
歌詞のサビの「君を自転車の後ろに乗せて」という一節が、二人乗りを連想させることから、SNS上ではすでにこんな声が噴出している。
《長い下り坂を二人乗りで 今、これ道交法違法だよね?》
《こういう歌は交通違反を誘導するとして今後放送禁止になるんですかね 》
今回導入された「青切符制度」は、16歳以上の自転車利用者を対象に、信号無視やスマホの“ながら運転”など113項目の違反に対して指導・警告を行い、悪質・危険と判断された場合には反則金が科される仕組み。その中には、当然ながら「二人乗り」も含まれている。
実際の取り締まりもすでに始まっている。
「たとえば富山県警によると4月1日、県内全域で街頭における取り締まりを実施。34件の指導・警告のうち最も多かったのは、自転車が通行帯(レーン)や車道の左側を守らずに走行する『通行区分違反』の12件でしたが、二人乗りも1件確認されています」
もちろん、この制度が導入される前からも、二人乗りは違反ではあった。そして『夏色』リリース後から道路交通法に抵触しているという指摘もあったという。
「しかし今回の青切符制度によって、違反に対する順守の意識が高まると同時に、“二人乗り”により厳しい目が向けられているというわけです。そのため大ヒット曲である『夏色』のあの“サビ”を思い浮かべる人もいるということなのでしょう」
誰もが一度は憧れる青春のワンシーンが、違反の象徴として語られる時代になるとは――。
「もっとも、これはあくまで歌の中の世界。現実の取り締まり対象になるはずもありませんし、歌詞そのものが規制されることはありません。ただ、これまで甘美な恋の1ページとして聴かれていた場面が、今後は聴くたびに、“あれ、これ大丈夫?”と頭をかすめる可能性はあるでしょうね」
リリースから28年。時代を超えて愛されてきた名曲に降りかかった、思わぬ“とばっちり”。予想もしないところから飛んできた“石”に、キラキラした記憶が色褪せて見えるのは残念だ。
