「ドラマの中でファンサするの、初めてだったんで。びっくりしました(笑)」と話すのは、中島健人。4月28日より主演ドラマ『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』がスタートする。
九州だけで展開するコンビニチェーン“テンダネス”。北九州市・門司港にある店舗のイケメン店長・志波三彦(中島)が醸すフェロモンは泉のごとく。“僕にとって、お客様はハニーですから”と、完璧な笑顔と接客で老若男女をとりこに。そして、どこかうまくいかない毎日に悩むお客には、そっと寄り添い、背中を優しく押していく……。
「NHKさんのドラマって、荘厳な空気感の中で撮影されるイメージしかなかったので。それが脚本を見て、芝居の段取りをして“え、いいのこれ!?”みたいな(笑)」
きっと自分にしか表現できない
演じる三彦(ミツ)は、完璧&究極のアイドル・中島に当て書きされたかのよう。
「原作を読んだときに“このモデル、俺じゃない?”って思ったんですけど、(原作者の)町田そのこ先生に聞いたら“違う”って言われて。“うそだろ!? 俺だよ!”みたいな感じになりました(笑)。僕以上に僕みたいな人がいるんでしょうね、町田先生の頭の中には。
ミツはどこにいても、誰に対しても優しさを提供できる精神性の持ち主。誰もが頭の中で思い浮かべるユーフォリア、幸福領域を実体化した人間なんだと思います」
本作にオファーをされた理由を尋ねてみると、
「いくつかお聞きしましたね。京成スカイライナー(のCM)は理由のひとつだったみたいです。やっぱり積み重なっていった中で、自分にこういう役が来てくれたんだなって思います」
と、ニッコリ。役作りの必要はほぼなさそうなミツ役だが、その取り組み方は?
「『THIS IS KENTY ーIDOL ver2.0ー』(1月23〜25日)っていうライブ公演後にクランクインしたんですが、練度がすごく高まった状態の地続きで演じられている気がしました。
僕自身、アイドルという職業をしているので。音楽を届けているときって、自分の気持ちとともにリスナーの方々に優しさみたいなものも届けるタイミングだと思うんですよね。で、コンビニもやっぱり店員からお客様に優しさを届ける場所でもあるので。そこはすごく共通しているなって思います。
自分が普段、ステージの上に立って作品を届ける立場であるからこそ、俳優としてこのドラマでコンビニ店長を演じること、そして来店される方々に対して優しさを届ける意味の濃さは、きっと自分にしか表現できないんじゃないかなと思うし。ある種、そんなコンビニ店長を究極に再現できているんじゃないのかな」
20代のころはセクシーになったと勘違い
“フェロモン店長”というキャラクターにこれ以上ない説得力を持たせられるのは、今の中島だからこそ。
「10代のころは無理してセクシーさを出そうとしていて。20代のころはセクシーになったと勘違いをしていて。30代になった今は、もはや意識していないからこそ“あ、何かが出ているのかもな”と思う時期になっています。
やっぱり、(フェロモンは)出そうと思って出るものじゃない。10代のころは多分、出てなかったと思います。全部背伸びして頑張っていたタイミングだったし。僕が想像するフェロモンって、エロティシズムとかではなくて。何かを全力でやり遂げた後に、充足感からあふれてくる余裕みたいなものが、自分のフェロモンにつながるのかなって思います。
20代のころにこの役を演じていたら、“フェロモン店長”っていう言葉に負けて、逆にちょっと無理していた気がします。意識しすぎて、肩に力が入りすぎて、ちょっと空回り……みたいな演じ方になっていたかもしれない。今はどっちかっていうと、そのまんま。自然体に演じられてるので、何も負担はないですね」
そんな中島が、コンビニでよく購入するのはプロテインだという。
「コンビニって僕らが時を過ごす中で最も身近にある場所、絶対に必要な場所だと思うんです。今回の『コンビニ兄弟』は大きな出来事がドーンと起きたりするわけじゃない。でも、ありふれた日常の中の小さな幸せみたいなものを素敵に切り取ってるドラマなので。そこを見ていただけたらなと思います」
いろんな選択肢の中意思決定ができた
'24年3月末にSexy Zoneを卒業。この4月でソロ活動を始めて3年目に入った。今、感じていることは?
「歌詞を書くなど、楽曲づくりをしている時間が多いんですが、引き続きたくさん作って、多くの方に聴いていただけるような自分を目指したい。老若男女に自分の作品を届けていきたいなと、アイドル&アーティストとしては思っています。
俳優としては、作品は末永く残るので。数年後、数十年後に“あの作品を撮っておいてよかった”“残しておいてよかった”と思えるような作品づくりができたらいいなと思っています」
ひとりで駆け抜けた丸2年。どんな時間だった?
「年々、隙間なく忙しくなっていって。自分のやるべきことが明確になった2年でもありました。いろんな選択肢がある中で“自分はここなんだな”ということを、ちゃんと意思決定できた期間だった気がしますね。道迷わずに、突き進む精神性を持って迎えられた3年目です!」
32歳の誕生日は門司港で
門司港での第1次ロケは1週間行われた。3月13日、32歳のバースデーを迎えたのも門司港だった。
「やっぱり誕生日を現場で祝っていただけるって、すごい幸せだなと思いました。うれしかったです。3月12日の23時59分に“おめでとうございます。フライングしちゃいました”みたいなメッセージをくれたのは阿達慶(ジュニア)。
0時に重岡大毅(WEST.)からボイスメッセージが届いて、そのすぐ数分後に岩本照(Snow Man)からイチゴが届きました。ラスト23時59分、ひとりいるんですよ。浮所飛貴(ACEes)っていうやつです。“最後は僕がいただきます”って(笑)」
<取材・文/池谷百合子>
毎週火曜夜10時〜(NHK総合)放送。全10回
