おなじみのカップ麺の、50年前の味を再現する。企画自体は、当時を知らない世代が「食べてみたい」と思わせる興味深いもの。しかし、問題はその見せ方が……。
3月30日、日清食品が「日清のどん兵衛 天ぷらそば・きつねうどん クラシック」を発売した。発売から今年で50周年を迎える超ロングセラーの、記念商品第1弾。研究所に眠っていた当時のレシピをもとに、試作を重ねて発売当時の味わいを再現したという。
どん兵衛のコピーに相次ぐ批判
しかし今、この「どん兵衛」に対し、SNSを中心に批判的な声が相次いでいる。それは半世紀前の“味”に対してではなく、《当時はこれがうまかった(笑)》とのキャッチコピーが物議を醸しているのだ。
「50年の月日で昔では考えられなかった製法や調味料など大きく進化を遂げているのは当然で、“当時はこれがうまかった”は、今と比べておいしくないと言っているように感じさせる。さらに、(笑)で締めくくったのは完全に悪手。先人たちの努力、開発した味を、現在の社員が嘲笑しているように見えるといわれても仕方がない」(広告代理店関係者)
Xでは、
《かつての自分たちの仕事を貶めてなにが面白いのか》
《変なウケ狙いで不快感を持たせてどうするんだ》
《どん兵衛のコピー、モロに冷笑主義時代の産物》
《(笑)は必要ないやろ》
といったユーザーの声が。
「食品業界紙の取材を受けた日清食品によれば、このコピーは社内試食時に出た声がベースになっているそうです。試作品を食べたスタッフの反応が『当時はこれがうまかったのか(笑)』。もちろん昔と比較して技術革新されているのは素晴らしいですが……」(前出・広告代理店関係者、以下同)
“内輪のリアクション”がそのままパッケージに載せられた。それに対する消費者の反応は前述のとおりだ。
「“当時の味を忠実に再現”だけで、敬意を払いつつ、今との違いを楽しんでもらえたと思いますが、そこにもうひとつヒネりが欲しくなったのでしょう」
日清食品にキャッチコピーの意図について問い合わせると、以下の回答があった。
「コピーの“当時はこれがうまかった(笑)”は、当時の味わいを振り返りながら、現在の『どん兵衛』へと続く50年の歩みや進化を感じていただきたいという思いを、ユーモアや遊び心を込めて表現したものです」(日清食品広報部、以下同)
そのような思いで作られた商品に批判的な声が上がっていることについては?
「さまざまなご意見やご指摘をいただいていることは認識しております。いただいたご意見は真摯に受け止め、今後の参考としてまいります」
日清食品創業者で、「チキンラーメン」や「カップヌードル」を開発した、同社のレジェンド・安藤百福氏が、後輩たちによる“(笑)”を知ったならば、何を思うか─。
