有原航平投手

 北海道日本ハムファイターズ監督の就任して5年目、自身も「優勝しないといけない年」と2016年以来のパ・リーグ優勝を至上命題とする新庄剛志監督(54)。6年ぶりに古巣復帰した“優勝請負人”に期待を寄せているがーー。

 2024・25年シーズンのパ・リーグ2年連続最多勝のエース右腕、有原航平投手(33)が2020年以来の日ハム復帰を果たした。昨年オフ、福岡ソフトバンクホークスとの3年15億円(推定)契約を終えて去就が注目されたが、彼が選んだのは意外にも古巣。

 しかしながら、その実力を発揮しているとは言い難い。4月12日にホークス戦で先発するも5回6失点でKOされると、チームも7対11で敗れて7勝7敗。首位ホークスに3ゲーム差をつけられている。有原も開幕から3試合に投げて1勝2敗、18回を15失点、防御率6.00とピリッとしない。

 そして2敗目のこの日、自身でも思うような投球ができていない苛立ちからか、“らしくない”場面も見受けられた。初回からホークス打線につかまって2点を失うと、なおもワンナウト満塁の場面で、一塁手の清宮幸太郎選手(26)がファーストゴロをファンブル。さらに1点を許すことに。

 するとエラーした清宮に近づき、鬼の形相で何か声かけた有原。同日配信のWeb版『デイリースポーツ』によると、【「気合入れていけ、おまえ」】と、清宮に対して「おまえ」呼びで叱責したという。

《何しに帰ってきたんや?》

 すると1回裏に意地のセンター前ヒットを放った清宮ら、若手が揃うファイターズ打線は3回までに5点をとって逆転に成功。ところが5回にも3点を取られて再逆転を許した有原は、“エース”の仕事をはたせずにマウンドを降りたのだった。

 もちろんシーズンは始まったばかりとはいえ、規定投球回に達しているパ・リーグ投手15人の中で失点、防御率はともに最下位(4月13日時点)。同じくエース格の伊藤大海投手(28)も防御率5点台と不調だけに、現在の日ハムの順位は順当と言えよう。

 それゆえ、Xでは《何しに帰ってきたんや?》《清宮はアレだが有原に言われたかないだろ》《これで5億はマジで不良債権すぎる》などと、4年20億円ともされる大型契約を結んだ有原への辛辣な声が多い。マウンドに送った新庄監督としても誤算だったことだろう。

SNSでも話題になったソフトバンクホークス選手による「有原航平ルーティン」

 また3月29日の初登板でも6回7失点と、ホークスに勝ち星を献上している有原だけに《スパイやん》などと、あらぬ疑いもかけられる始末。

「そもそも有原投手を知り尽くしているホークスだけに、攻略は当然と言えば当然と言えます」とは、パ・リーグ球団を担当するスポーツライター。

ホークスは12球団でもメジャーリーグに劣らない、早期からトラッキングデータやシュミレーターの活用を取り入れた“データ野球”の最先端をいくチームで、選手の補強以上に、常勝チームを作り上げた要因の一つともされています。

 もちろん、自チーム選手だった有原投手のデータも分析済みでしょうし、むしろ日ハムの方がなぜ、不利と知りつつもホークス戦にこだわって起用させているのか。私情を持ち込んでいるのなら、新庄監督らしくない采配だと思います」

敵のホークスナインが有原ルーティン

 ちなみにホークス戦では、ナインが有原を“よく知っている”ことが、よくわかる場面も見受けられた。

 初回に登板する前の有原。マウンド付近で両膝を開いて股関節ストレッチをしつつ、右腕を上に反らし上げる独特のルーティンを取り入れている。ホークス時代にはバックを守るチームメイトも、有原に合わせて真似することがお馴染みの光景だった。

 日ハムでも同様のルーティンを繰り返している有原だが、それぞれベンチ前に出て攻撃の準備をするホークスナインが、敵チームになっても“有原ルーティン”をやってみせたのだ。

「愛あるイジりというべきか、ホークス時代に有原投手が慕われていた証でしょう。片や清宮選手をはじめ、若いファイターズナインは復帰したベテランエースに遠慮しているのか、緊張がプレーにも現れているように見えます。

 内野ゴロでアウトを取るのは有原投手の生命線です。まずは清宮選手らも有原ルーティンを共有して身体の硬さをとり、あらためて若手とベテランが一体となってチーム力を高める必要があるのかもしれませんね」(前出・スポーツライター)

 有原は、日ハムナインは新庄監督を胴上げできるのだろうか。