ドラフト1位ルーキー・竹丸和幸が阪神との開幕戦で白星デビュー。故障で離脱中のエース・山崎伊織に代わって、大黒柱への期待が集まっている。そんな中で飛び出した竹丸の「顔」を巡る苦言に対し、ネット上ではファンによる大論争が勃発。厳しい視線が注がれるマウンドで、クールな右腕が見せる回答は――。
セ・パ両リーグで日本一監督の廣岡氏
V奪還を目指す新生・阿部巨人の象徴ともいえる竹丸に対し、球界の重鎮である巨人OBの廣岡達朗氏が突きつけた言葉が波紋を広げている。4月10日、『週刊ベースボールONLINE』のコラムにて、廣岡氏が竹丸について「私が気になるのはエースの顔をしていないことだ。表情が優しい。坊っちゃんのようだ。これでは相手に怖がられない。(中略)別に男前でなくてもいい。腹に逸物を持っているような顔をしていなければダメなのだ」と持論を展開。
さらに、プロ初黒星を喫した4月3日のDeNA戦では、ピンチの場面で内海哲也投手コーチがタオルとペットボトルを持ってマウンドに向かったことに触れ、「のこのこ出てきた。あれは直すべきである。われわれの時代の巨人なら、あんなことをやればバックの野手が文句を言う。おかしい。腹が立った」と、ベンチワークにまでメッタ斬りした。
この精神論に近い批判に対し、ネット上ではファンが猛反発。「ルーキーにまだエースの風格や表情を求められない。何年も実績を積み上げてこそ凄みが出るもの」「感情を出さないのは打者からしたら不気味で怖い。あのスタイルこそが彼の持ち味」「内海コーチがタオルを持っていくのがおかしいという指摘はあまりに時代錯誤」といった声が相次ぎ、廣岡氏の主張を「古い」と一蹴する意見が大勢を占めている。
「廣岡氏は自分の現役時代と重ねて、昭和的な感覚で『巨人のエース』論を語ったのでしょうが、ルーキーが開幕投手を務めて白星を飾ったのは球団史上初。竹丸がその快挙を成し遂げられたのも、現代の若者らしい強心臓があったからこそでしょう。巨人の公式YouTubeチャンネルで公開された動画では、内海コーチから『大爆笑したことある?』と突っ込まれた竹丸が、『ジャイアンツに入ってからは一度もしていない』と告白する場面もありました。マウンドでも感情を表に出さないのは、彼なりの集中力の表れであって、威圧感の有無よりも、最終的にマウンドで結果を出せるかどうか。“坊ちゃん顔”は投球の質や結果とは関係のない話です」(スポーツ紙記者)
堀内恒夫氏は竹丸にエール
廣岡氏が厳しい評価を下す一方で、同じく巨人OBの堀内恒夫氏は、自身のブログで竹丸への期待を寄せている。DeNA戦の初黒星について「これがプロの世界」と、エース級との投げ合いが続く中で対策を立てられる厳しさを指摘。「真っ直ぐはいいボールなんだよ」と素質を認めつつ、チェンジアップが見逃されて四球が増えたことなど、相手の研究が進んでいることやコントロールの甘さを課題に挙げながらも、「俺も1年目につけた背番号21は巨人では出世番号と呼ばれているんだからね。頼みましたよ!」とエールを送った。
「堀内氏が言う通り、21番は高橋一三、加藤初、宮本和知、木佐貫洋など栄光の歴史がありますが、21番が出世番号と呼ばれたのは、高橋尚成がつけていた2009年くらいまで。その後は空き番号を経て、フランシスコ、桜井俊貴、吉川光夫、岩隈久志、井納翔一といった選手たちが背負ってきましたが、期待されたほどの成績を残せなかったり、故障に泣かされたりと、苦難の歴史が続いていました。竹丸には是非、過去を払拭して21番を再び輝かしい番号にしてもらいたいところです」(スポーツ紙デスク)
時代は昭和から令和へと移り変わり、投手には威圧感のある「面構え」よりも、精密なデータ活用と、ピンチでも動じない冷静なメンタルコントロールが求められている。廣岡氏の主張に対してネット上の批判が止まないのも、今のファンがこうした変化を肌で感じている証左だろう。
竹丸の次回登板予定は22日の中日戦。いつものポーカーフェイスで快投を見せたとき、廣岡氏は何と言うのだろうか。
