ゲームの世界に現実世界のモラルは必要か。そんな是非が問われそうな作品が誕生した。
現実の犯罪を題材にした新作
「4月15日、とあるゲームが5月12日に発売されることが発表されました。タイトルは『Burgle Supply Company』(バーグル・サプライ・カンパニー)。“Burgle”とは日本語で泥棒する、空き巣に入るという意味です。公式サイトの翻訳機能ではタイトルは“強盗用品会社”と訳されており、その物騒さが際立つ名称となっています」(ゲーム雑誌編集者、以下同)
ゲーム内容を聞くと、さらに眉をひそめる人もいるだろう。このゲームは最大6人でプレイ可能なマルチ対応の“空き巣ゲーム”。プレイヤーは窃盗団の一員となり、屋敷や店舗に忍び込み、金目の物を盗み出すのが目的だ。
家人が家を空けているうちに盗みを働く、あの“空き巣”。それを娯楽として存分に楽しもうというのだ……。
「公開されたPR映像では、夜中に家へ侵入し、異形のモンスターをかわしながら、3人がけのソファや置時計、デスクトップモニターなどを次々とトラックの荷台へ放り込んでいく様子が確認できます」
作品紹介にはこう記されている。
《変異ペットの巣窟と化した悪夢の住宅街で、みんな一緒にドロボーだ。1人でもフレンドでも楽しめる、協力型ホラー・コメディゲーム》
《金目の物を盗み放題、ただし物音と“どうぶつモンスター”には要注意》
これが現実世界の話でなかったことに安堵する一方、あまりに過激な設定に戸惑う声も出てきそうだ。
この作品を手がけたのは、アメリカのインディーゲーム開発会社「Terrible Posture Games」(テリブル・ポスチャー・ゲームズ)。同社はこれまでも実験的なゲームを数多く手がけてきた。
「2018年には銃口や銃身などのパーツを自由に組み合わせて戦うシューティングゲーム『MOTHERGUNSHIP』(マザーガンシップ)を制作。さらに2025年発表の『Battle Train』(バトル・トレイン)も、大砲などをつけて武装化させた列車同士が戦うユニークな発想が話題となりました。今回の『Burgle Supply Company』も、もともと『Good Boy』と呼ばれていた作品をアップデートしたものです」
こうした“攻めたテーマ設定”については、やはり、議論が避けられそうにない。
「ゲームの世界とはいえ“空き巣を楽しむ”というテーマには賛否が出るでしょう。特に窃盗という現実犯罪を題材にしている以上、抵抗感を抱く人も少なくない。一方で、アメリカのインディー作品だけに影響が限定的であることを願うばかりです」
盗むのはゲームプレイヤーの心だけにしてほしいものだが……。
