巨人・阿部慎之助監督

 打線の援護がなく、深刻な得点力不足から「貧打地獄」とファンに揶揄されている阿部巨人。そんな窮地を脱するべく、指揮官はたまらず直接、打撃指導。しかし、その現場介入に対し、ファンからは期待よりも不安と拒絶反応が……。

ファンから漏れる“悲鳴”のワケ

 4月15日、甲子園で行われる予定だった阪神戦が雨天中止となり、巨人は室内練習場で調整を行った。湿りきった打線の着火剤となるべく、阿部慎之助監督がまず歩み寄ったのは、4番を務めながらも不振に苦しむ新助っ人のボビー・ダルベックだ。フリー打撃で自ら打撃投手を務めると、その後は正面からトスを上げ、身ぶり手ぶりで助言。指導を受けたダルベックは「バッティングに関して技術的なこととか、ボールの待ち方とか、教わりました」と語り、「もうちょっと効率的にスイングができるように意識してやりました」と振り返った。

「“効率的なスイング”と言えば聞こえはいいですが、正直、抽象的すぎて意味がわかりません。本人も何をどう習ったのか、具体的に言語化できていないのでは。元々パワーはある選手だけに、小手先の技術よりもまずは日本球界の配球に慣れることが先決のはず。外国人選手は繊細な面もありますし、監督自らがあれこれと口を出すことで、かえって混乱を招かなければいいのですが」(スポーツ紙記者)

 さらに、休む間もなく指揮官が向かった先は、20打席連続無安打とトンネルに迷い込んでいる浦田俊輔のもとだった。阿部監督は自らトスを上げると、「ノーステップ」での打ち方を勧めつつ、現役時代の代名詞でもあった「ツイスト打法」を伝授。さらにはバットを持って左打席に入り、三塁方向への「ファール打ち」を実演してみせるなど、約45分間にわたる熱血指導を行ったのだ。

 しかし、この“阿部塾”について、ネット上では「また押し付けをやってるよ」「まさに“俺がこうだったからお前もこうしろ”の典型。変な癖がつくからやめてほしい」「ツイストなんて負担が強すぎる。浦田の良さが消えてしまう」といった悲鳴に近い書き込みが続出している。

「阿部監督の直接指導といえば、『地獄の股割り連続ティー』『真横のファール打ち』が有名ですが、教えを受けた若手選手が不調に陥ったり、伸び悩むケースも見られ、“謎の特訓”によってスイングが崩されたことが原因と指摘する人も少なくありません。監督に言われれば選手はその通りにやるしかないですし、監督の意図に沿わなければ『俺の言うことを聞かない奴』とレッテルを貼られ、干される恐怖がある。

 そもそもバッティングは十人十色。選手時代に実績がある元プロほど自分の成功体験を押し付けがちですが、本来、個々の特性を見抜くのはコーチの専門領域です。奇跡的に教え方がハマればラッキーですが、これまで積み上げてきたフォームが崩壊するリスクのほうが高いように思います」(スポーツ紙デスク)

 期待されながら打率.147と低迷した中山礼都は14日の試合後に二軍落ち。主力選手になるべき坂本勇人や門脇誠も打率1割台と結果が残せていない。

「二軍では石塚裕惺や荒巻悠が結果を出しており、昨年に股関節手術をした吉川尚輝の復帰も待たれるなか、『打てない選手を総入れ替えしてほしい』という意見も噴出しています。中山に代わって昇格した皆川岳飛も二軍での打率は.261と決して打ちまくっていたわけでもなく、“中山よりはまだ戦力になりそう”という消極的な入れ替えに映ります。その皆川もキャンプでは阿部監督による“地獄のティー”の洗礼を受けていましたから、果たして一軍でその成果が出るのか見ものですね」(前出・スポーツ紙記者)

 阿部監督の“謎特訓”で巨人は貧打地獄から抜け出せるだろうか。