NHK朝ドラ『風、薫る』に出演の見上愛(右)と上坂樹里(左)

 NHK連続テレビ小説『風、薫る』が放送3週目を迎え、新たな登場人物に対する反響がSNSを中心に広がりを見せている。初回視聴率14.9%という朝ドラ史上ワースト2位タイの厳しいスタートを切った同作品だが、第2週以降に登場した新キャストへの注目度は高く、視聴者からは期待の声が上がり始めている─。

 見上愛(25)と上坂樹里(20)のダブル主演で描かれる本作は、明治時代を舞台に、正規に訓練された看護師(トレインドナース)として医療看護の世界に新たな風を巻き起こした2人の女性の物語である。実在した大関和と鈴木雅をモチーフにしたフィクションで、血縁関係のない2人がダブルで主演を務める作品は連続テレビ小説史上初の試みとなっている。

佐野晶哉、多部未華子らへの反響は上々

「明治の風に完全に染まってる」島田健次郎/佐野晶哉(公式Xより)

 視聴率の推移を見ると、第2週(4月6日〜10日)では週間平均13.58%と前週からさらに低下。第7話から第9話にかけては3日連続で13%台が続き、『おむすび』の期間平均視聴率13.1%に迫る厳しい状況となっている。

 しかしながら、第3週に入り新キャストが続々と登場したことで、視聴者の反応には変化の兆しが見られる。4月14日放送の第12話では、人気グループ『Aぇ!group』の佐野晶哉が演じる謎の青年・島田健次郎(通称シマケン)が初登場。

 フランス語を流暢に操り、言葉に対する深い造詣を持つ風変わりな青年として描かれた同キャラクターに対し《この青年の陰の部分はどこからくるのか、心をつかまれます!》《想像以上にクセ強い》《存在感抜群》といった好意的な声が相次いでいる。

「4月3日放送の第5話で初登場した多部未華子さん演じる、大山捨松も大きな話題を呼んでいました。貴婦人役として、英語とフランス語を操るトリリンガルぶりを披露した多部さんが印象的でした。そんな多部さん効果もあってか、視聴率は初回の次に高い14.3%を記録しています」(ドラマ誌ライター、以下同)

2018年度後期の『まんぷく』で見る今後の期待度

 朝ドラはしばしば、初回のつかみやヒロインの第一印象だけで評価されがちだ。だが実際には、人物が揃い、関係性が立ち上がってから本領を発揮する作品も少なくない。その比較対象として思い出されるのが、2018年度後期の『まんぷく』だ。

 初回視聴率23.8%、平均21.4%という高水準で推移しており、数字だけを見れば最初から成功作だったが『まんぷく』が「見続けるほど面白くなった」と語られることが多いのは夫婦の物語から、人物の網目が広がる群像劇へと進化したからだ。萬平と福子の物語を基軸にしながら、神部茂(瀬戸康史)、世良勝夫(桐谷健太)、東太一(菅田将暉)、塩軍団らの存在が加わることで、ドラマの推進力が一段増した。

 そんな中『風、薫る』は、シマケンに加え、4月15日の第13回に登場した藤原季節が演じる小日向栄介も、上坂樹里演じる直美パートに新しい推進力を与えつつある。さらに、片岡鶴太郎の勝海舟は作品の重みを増す役割を果たしている。登場直後から《風格があり過ぎる》《大河かと思ったら朝ドラだった》などと反応が広がり、誰か一人でも「この人が出る日は面白い」と思わせる存在が出てきたことは間違いない。

「現時点での評価はまちまちですが、まだ人物配置や関係性の結びつきが発展途上にあると言えます。新キャラの反応は強くても、それが作品全体の厚みに変わるのはこれからではないでしょうか。『まんぷく』がそうだったように、『風、薫る』もここから人物が揃い低評価を覆す展開に期待したいですね」

 朝ドラファンの注目は、今後の物語展開とキャスト陣の化学反応に集まっている─。