「発酵食品摂取」をはじめとする医師4名のアドバイスで免疫力をUPしていこう(※画像はイメージです)

 いつ、どの感染症が流行するかわからない現代だからこそ、日々の免疫バランスを整えることが大事。そこで、日々多くの患者と向き合いながら健康を維持している医師4人に、日常的に続けている免疫バランス習慣を聞いた。体調管理のプロが大切にしている“基本”とは――。

花粉でバリア機能が低下 春こそ感染症対策が必須

 春は過ごしやすい季節と思われがちだが、実は体調を崩す人が増える時季でもある。

 一之江駅前ひまわり医院院長の伊藤大介先生は、「むしろ今こそ注意が必要」と話す。

「大きな要因のひとつが花粉症です。スギに続きヒノキ花粉がゴールデンウイークごろまで飛散し、鼻やのどの粘膜がダメージを受けやすくなります。すると、細菌やウイルスが侵入しやすい状態に」

「スギ花粉症の7~8割の人がヒノキにもアレルギー反応があるといわれています」(伊藤先生)。ヨーグルトなどの発酵食品は花粉症対策にも有効だ

 さらに近年は、感染症の流行パターンが変化している点にも注意が必要だという。

「これまで冬に流行のピークを迎えることが多かった感染症も季節に関係なく発生するケースが見られます。新型コロナウイルスも含め、流行の波が読みづらくなっているため、年間を通して基本的な対策を続けることが大切です」(伊藤先生、以下同)

 うがいや手洗いで予防を心がけつつ、春から夏にかけては、「溶連菌感染症」や「麻疹(はしか)」にも警戒したい。

「溶連菌は高熱やのどの痛みが特徴で、長引くこともあります。麻疹は発熱と発疹に加え、重い合併症を引き起こす可能性もあるため、疑わしい症状があれば早めに医療機関へ相談してください」

伊藤大介先生
朝のヨーグルト、昼寝… 腸活と睡眠で体調管理

 日々、感染リスクの高い環境で働く伊藤先生が重視しているのが、腸内環境と睡眠だ。

毎朝、はちみつをかけたヨーグルトを食べています。ヨーグルトや納豆などには『プロバイオティクス』と呼ばれる善玉菌が豊富。摂取することで上気道感染の発症を抑え、発症した場合でも症状の期間を短縮する可能性があるという報告も。“腸活”は免疫維持にも役立つと考えています

伊藤大介先生 一之江駅前ひまわり医院院長。内科・皮膚科を中心に診療し、一人ひとりに合った医療を目指す。近著に『総合診療医が徹底解読 健康診断でここまでわかる』(文藝春秋)。

 診察中は、のどの乾燥を防ぐために緑茶をこまめに飲む。カテキンの働きも、感染症対策の一助になるという。

 一方で、健康のために控えているものもある。

「ジュースなどの果糖を含む清涼飲料水は血糖値の急上昇を招き、生活習慣病のリスクにつながるため、控えています。また、昼が麺類のときは夜の主食をご飯にするなど、小麦を過度にとらないように気をつけ、体調に合わせて食事内容を見直すことを意識。家での主食は食物繊維が豊富な玄米にしています

 さらに重視しているのが、快眠のためのルーティンだ。

「22時から5時までの7時間睡眠を確保しています。睡眠不足は免疫機能の低下や、疲労回復の妨げになるため、規則正しい生活が基本」

 午後の診療前には、15分ほどの昼寝も取り入れる。

「短時間でも仮眠をとることで頭がすっきりし、判断力の維持にもつながります」

ストレスをためず“無理をしない”ことも大切

 春先は、花粉症や喘息などのアレルギー体質の人に加え、新生活によるストレスや環境の変化で体調を崩しやすい時季。自律神経が乱れやすく、メンタル不調を感じやすい人や、基礎疾患のある人は特に注意が必要だ。

「これから気温は徐々に安定していきますが、油断は禁物。腸内環境を整える食事や十分な睡眠など、基本的な生活習慣を意識すると、感染症や体調不良の芽を摘むことにつながります。無理をせず、自分のペースで整えていくことが大切です」

伊藤先生の免疫バランス習慣
■ヨーグルトなどの発酵食品による腸活で免疫力を上げる
■7時間睡眠と昼寝で脳のパフォーマンスを上げる
■緑茶をこまめに飲んでのどからウイルスをブロック

教えてくれたのは:伊藤大介先生
一之江駅前ひまわり医院 院長。内科・皮膚科を中心に診療し、一人ひとりに合った医療を目指す。近著に『総合診療医が徹底解読 健康診断でここまでわかる』(文藝春秋)。

工藤あき先生
食事は栄養バランスと腸活を意識

工藤あき先生 内科医・消化器病専門医。近著に『季節に合わせて整える、きれいが続く新習慣女性のための四季の美腸活メソッド』(WAVE出版)。

 タンパク質、食物繊維、ビタミン、ミネラル不足に気をつけ、腸から健康になる食生活を送る工藤あき先生。早朝の運動後、朝食はしっかり食べてエネルギー補給。「不調なく過ごせているのは、睡眠・生活リズム・食事の積み重ねだと思います」

毎日同じリズムで生活し、睡眠をしっかりとる

 21、22時~4、5時まで、睡眠時間は7時間。日中のパフォーマンスが向上し、風邪などの体調不良が減って花粉症も改善。「早起きした分、自分時間が持てるので幸福度もアップ。体内リズムを崩さぬよう、休日も同じリズムで生活しています」

食べ方と食事内容で血糖値をコントロール

 炭水化物は最後に食べる、よく噛む、食後は動くなどして血糖値の乱高下を予防。夕方は疲れていてもイライラしないよう、ナッツや果物など血糖値が急上昇しない食べ物で補食。

免疫力アップのため、ビタミンDをとる

 免疫力を上げるために食べているのは、鮭などのビタミンD食材。「ビタミンDは日光を浴びると皮膚で生成。冬から春は日照時間が短く皮膚でつくられにくいので、食べ物から摂取しています」

教えてくれたのは:工藤あき先生
内科医・消化器病専門医。近著に『季節に合わせて整える、きれいが続く新習慣 女性のための四季の美腸活メソッド』(WAVE出版)。

五藤良将先生
ラーメンを食べたらジョギングでリセット!

五藤良将(ごとう よしまさ)先生 日本内科学会認定内科医。竹内内科小児科医院院長。五良会クリニック白金高輪など、医療機関のマネジメントも行っている。

 ランニングを習慣にしている五藤先生は、無理せず楽しみながら健康維持。大好きなラーメンを食べてしまったら、翌朝はジョギングでリカバリー。「ラーメンは野菜大盛りにして麺より先に野菜を食べ、血糖値の急上昇に気をつけています」

ヨーグルトや発酵食品で免疫力を底上げ

 朝は時間がなくても、プレーンヨーグルトにフルーツを添えて食べているそう。「腸は“第2の脳”とも呼ばれ、免疫機能の約7割が腸に集中。ヨーグルトや発酵食品で腸内フローラを整え、腸から免疫力を底上げしています」

夕食は寝る3時間前までにすませる

「何を食べるかよりいつ食べるか」を重視。夕食は就寝3時間前までに食べ終え、胃腸を休ませる時間をつくる。ただし深夜に食べたくなったら我慢はせず、翌朝の運動で帳尻合わせ。

良質なタンパク質で筋肉と代謝をキープ

 筋肉と代謝を維持するために、卵・魚・大豆製品の良質なタンパク質を積極的に摂取。「高齢になるほどタンパク質が不足。極端な食事制限で筋肉と骨を失わないようにしましょう」

教えてくれたのは:五藤良将(ごとう よしまさ)先生
日本内科学会認定内科医。竹内内科小児科医院 院長。五良会クリニック白金高輪など、医療機関のマネジメントも行っている。

古賀愛子先生
ヨガや瞑想で自律神経のバランスを整える

古賀愛子先生 美容外科医・心療内科医。東京大学医学部附属病院で心身医学を専攻。大手美容外科を経て、現在Hana beautyclinic院長を務める。

 メンタルケアで心を健康に保っている古賀先生。週2回はヨガスタジオに通い、ストレスが強いときは自宅で瞑想を行う。「呼吸を整えながら身体を動かすヨガは、自律神経のバランスが整い、ストレス軽減に。クラシック音楽を聴いて脳を休める日もあります」

ゆったり入浴で「何も考えない」練習を

 毎晩、お風呂の中でボーッと過ごしながら「何も考えない」練習をするのが日課。「副交感神経が優位になってリラックスするだけでなく、思考から距離を置くトレーニングになります」

朝はタンパク質と糖質で代謝をスムーズに

 日中の集中力維持に欠かせないのが朝食。代謝をスムーズに上げるため、炭水化物や納豆、卵、みそ汁など、糖質とタンパク質を中心に、温かい飲み物をとり、朝の活力に。

不足しがちな栄養素はサプリメントで補給

 抗酸化作用や免疫維持に働くビタミンC、エネルギー代謝を助けるビタミンB群、血行促進に関わるビタミンEは、食事のほかにサプリメントも活用。「女性が不足しやすい鉄分は、欠乏すると疲労感につながるのでサプリで補っています」

教えてくれたのは:古賀愛子先生
美容外科医・心療内科医。東京大学医学部附属病院で心身医学を専攻。大手美容外科を経て、現在Hanabeauty clinic院長を務める。

取材・文/釼持陽子