阿部監督が開幕から手探りで“最適解"を模索し続けている。ダルベックこそ4番に固定しているものの、開幕直前に披露したスタメン構想では「3番」と明言していたキャベッジを開幕戦ではいきなり1番に起用。その後も2番、5番と目まぐるしく変動している。
独自理論にこだわり打線が弱体化しないといいが…
4月23日の休養日にその意図を問われた指揮官は、「並べたらあまり良くないかなと感じている。どっちもジェラシーを抱くから。ダルベックが打ったらキャベッジは力んで俺も俺もってなっちゃうから」と説明。外国人選手特有の心理状態を理由に挙げた。長打力を備えたキャベッジとダルベックの間に日本人選手を挟んで分離させることで、過度な競争心を抑え、本来の力を引き出そうという狙いがあるようだ。
一方で、この“ジェラシー采配"にネット上でも賛否が真っ二つ。「性格的な考えもあるのですね。こういう話は人間がやっているんだなと感じられるので好きです」といった納得の声に加え、「初回先制パンチの可能性を考えるとキャベッジは1番がいい」「2番に置いてなるべく多く打席に立たせるのが合理的」など様々な意見が聞かれる。一方で、「ジェラシーって子供じゃあるまいし」「意味わからんこと考えすぎ」「もっとシンプルに打順組めよ」「数字を信じてやったほうがわかりやすいし、最終的にはそのほうがいい結果が出る」など、首をかしげている声も少なくない。
「阿部監督は数字上のデータだけでなく、グラウンドに立つ選手の感情や精神的な揺らぎを重視しているようです。とりわけ、キャベッジは自身のセールスポイントを『闘争心』だと挙げているほどですから、ダルベックの後ろだと力んでしまうことがあるのかもしれません。
ただ、これまでは泉口友汰が3番打者として機能していましたが、不運なケガで離脱してしまった。一軍に昇格したばかりのルーキー石塚裕惺をいきなり3番スタメンで起用したのは、さすがにジェラシー采配を意識しすぎているような気がします。石塚はプロ初打点を挙げはしたものの、4三振。独自理論にこだわりすぎて打線が弱体化しなければいいのですが」(スポーツ紙記者)
助っ人外国人が同時に当たった年はチームも強かった
チームのOBからも打順について異論の声が聞かれる。
「篠塚和典氏は、先制パンチを食らわせる『大谷翔平型』として阿部監督がキャベッジを1、2番に起用していることに理解を示しつつも、『本来はやはりクリーンアップを打ってほしいところ』『やはり(ダルベックと)並べたほうが得点力は増す。相手投手にとっても、クリーンアップに2枚看板が控えている威圧感は計り知れない』と指摘しています。
また、高橋由伸氏も泉口の離脱を受け、『3番・キャベッジがはまったら、泉口が復帰した時に、1番に置いてもいいと思う。なるべく上位打線は動かしたくないから、1、3、4番が不動になる』と“新たな形"に期待を寄せていました」(別のスポーツ紙記者)
過去にさかのぼれば、90年代に活躍したクロマティとバーフィールド、コトーとグラッデンのように、助っ人外国人が同時に当たった年はチームも強かった。
「ここまで21試合で先発投手が登板中の援護が4点以上あったのはわずか4試合で、打ち崩したのはルーキーや外国人投手と実力が未知数の相手だけでした。先発陣がギリギリの展開を強いられ、好投しているのに勝ち星がつかない試合が多い。先発陣に勝ち星がつけられるような戦い方ができるようになれば、おのずと貯金も増えてきます。それには両外国人の爆発が不可欠でしょう」(スポーツ紙デスク)
日替わり打線から「不動のオーダー」に生まれ変われるのか。阿部監督のジェラシー采配が巨人の今後を占う鍵となりそうだ。
