元横綱・照ノ富士の伊勢ヶ濱親方

 東京・両国駅からほど近い一等地に、130坪もの広大な更地がある。2年ほど前から工事用の囲いに覆われていたが、ついに動きがあった。

「ようやく《建築計画のお知らせ》が出たんです。4月末には住民説明会もあって、いよいよ着工ですね」(近所の住民)

伊勢ヶ濱部屋の「総工費25億円」大プロジェクト

 看板の用途欄には、興行所、店舗、事務所、住宅……といった文字が並ぶ。ここが、あの元横綱・照ノ富士が率いる『伊勢ヶ濱部屋』の新拠点になると見られているのだ。

 2025年1月に現役を引退し、6月に名門を継承したばかりの伊勢ヶ濱親方。現在は元倉庫を仮の稽古場としているが、新部屋の構想はあまりに規格外だった。

「新ビルは総工費25億円とも囁かれる大プロジェクト。1階の稽古場をガラス張りにし、なんと“稽古を見下ろしながら食事ができるレストラン”や相撲ショップを併設するプランがあったというんです」(角界関係者)

 これには、伝統を重んじる日本相撲協会も黙っていなかった。

「あまりに商業色が強すぎるとして、協会側が難色を示し、計画の見直しを求めたようです」(同・角界関係者)

 現在も朝稽古の見学ツアーを1人1万8000円で展開するなど、インバウンド需要の取り込みに積極的な伊勢ヶ濱部屋。背に腹は代えられない事情もある。

「旧宮城野部屋の力士を吸収し、今や力士32人を抱える角界最大勢力。これだけの人数を養う運営コストは膨大で、親方にとって“マネタイズ”は切実な課題なんです」(スポーツ紙記者)

 だが、この新築計画が動き出した時期は、あまりにバッドタイミングだった。

「親方は4月9日、弟子の伯乃富士への暴力事案で、2階級降格と報酬減額という懲戒処分を受けたばかりです」(前出・スポーツ紙記者)

ビル完成は2028年を予定

 発端は2月。泥酔した弟子が後援者の知人女性に不適切な行為を働き、それを知った親方が激昂。拳と平手で弟子の顔を2度殴打したという。

「暴力根絶を掲げる協会からすれば、理由はどうあれ一発アウト。本来なら大人しく謹慎していなければならない時期の『巨大ビル計画始動』は、周囲の目も厳しい」(同・スポーツ紙記者)

 一部では、元白鵬の宮城野親方が“部屋閉鎖”に追い込まれた例と比較し、「自分の手で殴って降格で済むのは温情処分すぎる」との声も上がっている。

新しい伊勢ヶ濱部屋が入る予定のビルの建設予定地

 真相を確かめるべく、建築主であり、インバウンド施設のプロとしても知られる田中寛典氏に話を聞いた。

――伊勢ヶ濱部屋が入居するのは事実?

「現時点では、すべて未定ですが、伊勢ヶ濱部屋のほうから、これから作るビルに入居するという話が上がっているのは事実です」

――稽古場を見下ろせるレストランができる?

「100%ありません。ビル内に飲食店を誘致する予定はありますが、われわれはビルを貸す立場。部屋の方針は親方が決めることですから、私のほうからは何も申せません」

 レストラン説は否定したものの、ビル完成は2028年を予定しているという。昨今の物価高や資材不足で、計画通りに進むかは不透明なようだ。

 暴力問題という“土俵際”に追い込まれた元横綱の照ノ富士。25億円の巨大ビルという「新居」を無事に建てることはできるのか。再起への道のりは、横綱時代よりも険しそうだ。