4月27日時点でセ・リーグ首位に立つ藤川阪神。連覇に向けて順調に歩みを進めているかのように見えるが、OB会長の掛布雅之氏はその戦いぶりに危機感を抱く。復活への鍵となる「6番打者」の重要性、そして現在のチームが「昨年ほどの圧倒的な強さではない」とされる理由とは――。
阪神は4月21、22日のDeNA戦での連敗を経て、続く広島戦は25日に引き分け。26日は1対0で接戦をものにしてリーグ首位に浮上したものの、今季はどうにも苦しい戦いが続く。この状況を受け、“ミスタータイガース”掛布雅之氏は27日に自身のYouTubeチャンネルを更新。動画内では勝ちきれなかった3試合を振り返り、「流れもよく、昨年の阪神であれば確実に勝ち切れていた」と断言し、チームの修正点について熱い持論を展開してみせた。
「掛布氏はまず投手陣について、2枚看板である村上頌樹と比較して、才木浩人を厳しくダメ出し。フォークボールが高めに浮き出すとピッチングが組み立てられない点を問題視し、村上のように走者を背負ってからコーナーへ投げ切るような粘り強さが、今の才木には欠けているとの見解を示しています。球威があるだけに、緩いボールをいかに投球のリズムに取り入れていけるかが、年間を通じてローテーションを守り勝ち星を重ねていくための大きなポイントになると強調していました」(スポーツ紙記者)
1985年の優勝時との違いとは
攻撃面でも、細かなミスが目立つと掛布氏は苦言を呈する。今の阪神において、派手な機動力は不要であると前置きした上で、球団史上初の日本一に輝いた1985年の優勝時との違いについて、「当時も機動力は使わなかったものの、送りバントや進塁打についてはきっちりと実行できていた」と指摘する。
「確かに、25日の広島戦では15残塁。とりわけ6回に高寺望夢が2球続けてバント失敗して、結果三振に終わったのは痛かった。今年の阪神はピッチャーも含めて攻撃が雑になっている印象。昨年の日本シリーズでも感じたような、どうしても必要な1点を取る野球ができていません」(スポーツ紙デスク)
とりわけ、掛布氏が懸念しているのが、5番・大山悠輔だ。打率も3割を超え、調子も上向きのように見えるが…。
「掛布氏の見立てでは、大山のスイングには強引な面が目立つと言い、右肩が早く出てしまうことで低めの球を捉えきれていないとのこと。その背景にあるのが、チーム最大の課題である『6番打者』問題。掛布氏自身は以前から前川右京に期待を寄せていますが、6番がなかなか固定できていない。結果、大山は『自分が走者を返さなければ』と重責を背負い込み、それが力みにつながっていると分析しています」
5番に岡田彰布氏が座っていたから
1985年に4番を務めていた掛布氏は、5番に信頼できる岡田彰布氏が座っていたからこそ、状況に応じてチームバッティングに徹することができたと話しっている。
「その岡田氏は過去に『6番の佐野仙好の存在が大きかった』と語っているなど、自分の打順の後ろを打つ打者への信頼関係はかなり重要。今の阪神も6番打者が機能して初めて、大山が本来の力を発揮できる環境が整うはずです」(前出のスポーツ紙記者)
さらに、ここにきて不動のリードオフマン・近本光司が死球を受けて左手首を骨折。長期離脱を余儀なくされるという激震が走った。連覇に向けて試練の時を迎えた阪神だが、藤川球児監督はこの難局をどんな采配で乗り越えるのか。
