WBCで“声出し”をする村上宗隆

 4月30日時点で本塁打数12本と、メジャーリーグを代表するスラッガーのアーロン・ジャッジ選手(34、ニューヨーク・ヤンキース)と並んで、トップタイを走る村上宗隆選手(26、シカゴ・ホワイトソックス)。

 昨年まで大谷翔平投手(31、ロサンゼルス・ドジャース)一色だった国内メディアも、神がかり的な“村上様”の活躍をこぞって伝えているが、シカゴでは「God」さながらに称えられる村上フィーバーが起きてーー。

 ここまで打率.241、三振はア・リーグワーストタイの45個ながら、ホームラン12本はMLB全体でトップで、強打者としての数値を示すOPSも.941。メジャー移籍前に指摘されていた“弱点”を見せつつも、その評価をはるかに上回るパフォーマンスを披露している。

 そんな村上のホームラン記録が連日伝えられる一方、今シーズンはホワイトソックス自体にも変化が起き始めている。チームはア・リーグ中地区で13勝17敗と、借金4ながらも3位。首位のデトロイト・タイガースとも2ゲーム差と、地区優勝を争える位置にいる。

 2023年から3年連続でシーズン100敗を喫し、この3年間を4位、5位、5位に沈んでいた弱小チームが2026年は浮上の気配を見せているのだ。

チームメイトも村上を絶賛している

「チーム防御率は4.59と高く、失点数もリーグではワーストに近い数字で、かといって打ち勝っているわけでもありません。ただ追いつかれても逆転されても諦めず、選手全員で同点、逆転に結びつけるような粘り強さが見えます。

 この“最後まであきらめない”姿勢をチームもたらし、いい雰囲気を作っているのが村上です。それはプレーだけでなく、野球に真摯に取り組む姿が選手たちにいい影響を与えているのは間違いない」(MLB事情に詳しいスポーツライター)

 ここまでローテーション投手として4勝と、チームを牽引するデービス・マーティン投手(29)も村上を認める1人だ。米ポッドキャスト番組が公開した動画に出演すると、プレーについて「選球眼が素晴らしい」と絶賛。その上でーー、

清宮幸太郎が投稿した、高校時代の村上宗隆との2ショット(公式インスタグラムより)

「村上は誰よりも早く球場に来て、トレーニングや可動域の調整、筋力トレーニングやストレッチ、打撃練習など試合に向けてあらゆる準備をしている。ロッカーで何もせずに座り込んでいるムネを見ることとはほとんどなく、常に(野球のために)動いているんです。

 常に一歩でも成長しようとする姿勢が、他の選手、チーム全体にもいい影響を与えています。これが“俺たちの最高のプレーヤーなんだ”ってね」

 村上の野球に取り組む姿勢が、ホワイトソックス選手たちの意識改革につながっていることを明かす。主軸を任されるミゲル・バルガス選手(26)も地元局のポッドキャストで“村上評”を総じている。

 当初よりチームに溶け込むべく英語やスペイン語、そして日本語を含めた3言語でコミュニケーションを図る努力をしている村上。ベンチ内でも積極的に“声かけ”をしているようだ。

「試合ではうまくいかないこともありますが、その時にはムネが“次があるから頑張ろう”といった感じで励ましてくれます。いつも周囲に気を配っていて、みんなを元気づけようとしている。本当に素晴らしいリーダーだよ。

 あまり自分を前に出すタイプではないけれど、チームにいてくれて本当にありがたい存在ですね」

ファンの最大のお目当てになっている

 また『MLBネットワーク』のジョン・ヘイマン記者は、公式Xに投稿された動画で村上入団後のシカゴに起きた変化を明かしている。

「先日、ちょうどシカゴに行きまたが、街中のあらゆる場所に“ムネ(のポスターや看板)”がありました。今、ホワイトソックスの試合を観に来るファンにとって、彼こそが最大のお目当てとなっているのでしょう」

 長らく低迷が続いていたホワイトソックスの“救世主”として見なされているのだろう。地元・シカゴでは“ムネフィーバー”に湧き上がっているようだが、ヘイマン記者が案じるのはチームと結んだ「2年契約」。

「2027年のシーズンが終われば、彼は再びフリーエージェントの権利を得ることになる。それに26歳という若さです。次はさらに大きな契約を勝ち取ることになるでしょう」

 にわかに活気づいてきたホワイトソックスと、シカゴのファン。2年後には争奪戦になるであろう“Mura-God”を、チームに引き留めることができるだろうか。