開幕から打順を固定できず、手探りの采配が続く巨人・阿部慎之助監督。日替わりで活躍する若手の台頭に穏やかな表情を見せる裏で議論を呼んでいるのが、試合後のコメント内容だ。結果を出した選手への淡泊な言葉に対し、不調な選手については雄弁に語る。ファンの間では、指揮官の「管理職」としての能力が疑問視されているようで…。
スポーツ紙などで見られる試合直後の監督との「一問一答」。なぜこの選手を起用したのか、選手たちのプレーをどう評価したのか――指揮官の回答は、ファンにとっても“温度感”を知るための貴重な手がかりで、それは若手選手たちも同様だろう。
だが、最近の阿部監督は以前にも増して淡々としたコメントが目立つ。たとえば、若手の躍動で7対2と快勝した4月25日のDeNA戦、スポーツ報知に掲載された記者とのやり取りを見ると…。
【ーー序盤から打線が繋がった。
「いい攻撃になりましたね」
ーー平山(功太)にはいいプロ初本塁打が出た。
「そうですね。ナイスホームランでしたね」
ーー平山、次の打席も右前打。
「もう素晴らしいヒットでしたね」
ーー小濱(佑斗)は逆方向への長打で初打点。
「いいタイムリーだったのでまた打てるように準備してほしいなと思います」】
といった具合だ。活躍した選手へのコメントが短かい一方で、この日乱調だった先発のマタに関しては…。
阿部監督は褒めるのが下手すぎ
【ーー先発のマタについて。
「ちょっと点が入って楽になりすぎちゃったのかなっていうのがありますけど。ただで塁に出しちゃいけないですよね。 ちょっと考えないといけないなと思います」】
何とも言えないこの温度差に、ネット上では《阿部監督は自分のレベルで見ているんだろうけど、褒めて育てるのは一般企業でも管理職の大事な仕事》《若手が頑張っていたらもっと褒めるべき》《言葉ってすごい重要。阿部監督は褒めるのが下手すぎる》《平山、小濱とマタの文字数は逆にしないと》といった意見が飛び交っている。
「監督の言葉は、選手にとって何よりの指針です。メディアを通じて活躍した選手をしっかり称賛すれば、そのコメントを読んだ他の選手にも火が付くように思うのですが、阿部監督のさっぱりした対応には、どこか『期待はしているが、まだ一人前ではない』という冷めた視線が透けて見えます」(スポーツ紙記者)
対照的なのが日本ハムの新庄剛志監督だ。選手のモチベーションを高める重要なコミュニケーションツールとしてインスタグラムを積極活用し、活躍した選手には賞賛と感謝を綴っている。
「更新頻度も高く、時に厳しいコメントをすることもありますが選手への敬意を忘れず、わかりやすい言葉で鼓舞しています。日ハムが強くなった一因は、こうした指揮官のメンタル管理にもあるのではないしょうか。もちろん阿部監督にも深い考えがあってのことでしょうが、昨年は二軍でくすぶっていた若手がようやく一軍で活躍し始め、ブレイクできるかどうかの大事な時期。もう少し人心掌握術に目を向けてほしいところです」(スポーツ紙デスク)
『Thank you』という感謝の精神
選手へのコメントが淡白な一方で、今季の阿部監督には“勝負師の顔”が影を潜めているという指摘も…。
「“鬼軍曹”のイメージが強かった阿部監督ですが、今季はチームの結束を高める合言葉として、選手がミスをカバーし合う『Thank you』という感謝の精神を打ち出しています。また、最近ではキャベッジとダルベックの打順を並べない理由として『ジェラシーを抱いて力むから』という少年野球の監督のような説明をしていました。
24日のDeNA戦では勝機がありつつも、延長11回の激闘の末、サヨナラ負け。しかし、『負けはしましたけれど、いいゲームでした』と総括する阿部監督の姿は、勝負の世界で生きる人間としてはややもするとマイルドな反応。育成も大切な仕事ですが、自身は3年契約の最終年でもありますし、結果にこだわることが最重要なはず。
4月はまだ戦力を見極めている段階で焦る場面ではありませんが、王者・阪神の背中を捉えつつあるポジションにつけていますし、もう少し闘争心を前面に押し出してもいいのかもしれません」(スポーツ紙記者)
阿部監督に求められているのは“勝負には厳しく、コメントには温かく”の姿勢か。
