大浦龍宇一

 洋の東西を問わず、男性のほうがだいぶ年上の年上婚というのはよく耳にします。若い女性を妻にすることはオトコの夢と思う人もいるかもしれません。しかし、実は年の差婚というのは男性にとって安住の地ではなく、結構難しい面もあるのではないかとも思うのです。

年の差婚には、「オトコとの余裕」も求められる

 拙著『間違いだらけの婚活のサヨナラ!』(主婦と生活社)において「結婚の決め手は、メリットがあるかどうか」、つまり「結婚=メリット」説を展開していますが、年の差婚というのは組み合わせによっては、デメリットが生まれる可能性が高いと言えるのではないかと思うのです。

 うまく行く年の差婚の条件としては、年上夫が愛もおカネも積極的に与えることができる人であることが挙げられるでしょう。年の差夫亡き後も妻や子どもが困らないほどの圧倒的な経済力や財産があることが望ましいと思います。

 なぜなら、年の差婚の場合、妻は年の差夫の加齢リスクを引き受けなければならないからです。体力の低下により年の差夫と子育ての分担ができないとか、年の差夫、もしくはその親が大病をしたりすると、子育てと闘病や介護を一気にこなさなければいけなくなる可能性があります。こういう時、経済力がある年の差夫であれば、自分が戦力にならない代わりに人を雇うことで妻の負担を減らすことができるしょう。物理的な負担を減らすだけでなく、妻の気晴らしに理解があり、たっぷりとお小遣いをあげして、妻を喜ばせる「オトコとの余裕」も求められます。

芸能界最大の年の差婚、加藤茶さん夫妻の場合

 堺正章さんは65才の時に22才年下の一般女性と3回めの結婚をしましたが、2014年10月18日の『女性自身』は「堺正章 20センチ高身長の妻に捧げたルイ・ヴィトンデート」という記事を配信しています。記事によると、2人は結婚して3年たってもラブラブで、妻が気に入ったヴィトンのバッグを堺さんがお店の人に頼んで出してもらい、お買い物を楽しんだそうです。

 カネなら出すから勝手に買えばではなく、結婚後もきちんとデートをし、女性として扱うのは「オトコの余裕」と言えるでしょう。配偶者に全く不満がないという夫婦はほとんどいないと思いますが、人間関係の基本はギブ・アンド・テイクですから、「不満もあるけど、いい思いをさせてもらっている、優しい人だ」というギブがあることが、若い妻のメリットになるわけです

 年の差婚をうまくいかせるためには、夫中心の生活設計をすることも大事なのではないでしょうか。堺正章さんは2024年3月12日放送の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)で、奥さまが料理上手であること、愛犬が癒しになっていることを明かしています。明言されていませんが、奥さまは家庭に専念し、堺さんをサポートしているのではないでしょうか。

 芸能界最大の年の差婚、加藤茶さんの妻、綾菜さんは2019年からタレント活動をはじめましたが、公式YouTubeチャンネル「加藤家の日常」というタイトルからもわかるとおり、高血圧だった茶さんのための減塩レシピなど、結婚生活の中で身に着けた情報を発信しています。自分のタレント性で勝負するというより、生活の軸足を年の差夫においての活動と言えるでしょう。

篠原涼子

 こうやって考えていった場合、25才差の結婚と離婚で話題となった俳優・市村正親さんと篠原涼子さんはメリットがうまれにくい2人だったかもしれません。年の差夫は、妻のために家事育児をしてくれる人を経済力で解決すべきと書きましたが、篠原さんのような日本を代表する女優さんの場合、経済力があるので家事育児のために人を雇うことは難しくないでしょう。

大浦さんとゆりえさんには年の差婚以外にも問題が

 そうすると、年の差夫は経済力がメリットになりえず、「もっと大きなメリット」を自分で見つけて妻にギブしなくてはなりません。新たなメリットがみつけられない場合、夫婦のパワーバランスが崩れて、不機嫌な妻と機嫌を取る夫というバランスになりかねないのです。

 また、矛盾するようですが、結婚には「お金でどうにかならないこと」もあるのです。民法は「夫婦相互間の守操義務あるいは貞操義務」を定めています。簡単に言うと、配偶者以外と性行為をしてはいけないよという意味ですが、家事や育児のために人を雇うことは問題なくても、外注してはいけない事柄もあるのです。年の差婚をした男性は「老後は安泰」などと言われることがありますが、実は年の差婚ほど緊張感が必要で、「老いることは許されない」くらいの覚悟が必要なのかもしれません。

 うまく行く人間関係は「ギブ・アンド・テイク」がなされているときと言われますが、こうやって見ていくと、年の差婚は「ギブ・ギブ・ギブ・アンド・テイク」を目指すくらいの心構えが必要なのかもしれません。

 話を大浦さんとゆりえさんに戻しましょう。おふたりの場合、年の差婚だけでなく、結婚当時20代だったゆりえさんが、10代の思春期の連れ子さんと一緒に暮らす必要がありました。

 実はゆりえさん自身も連れ子だった経験があるそうです。ゆりえさんのお母さんは、元フジテレビの人気アナウンサー・寺田理恵子さんですが、寺田さんはゆりえさんの実のお父さんとは離婚しています。

 2016年7月29日放送『爆報!THEフライデー』(TBS系)に出演した寺田さんによると、寺田さんは再婚しますが、再婚相手は結婚前は寺田さんとゆりえさんにとてもやさしかったのですが、実子が生まれると、ゆりえさんに対し暴言をはき、ゆりえさんの大事にしていたぬいぐるみや猫を捨てるなど虐待まがいの行動に出たそうです。ゆりえさんは精神的に追い込まれ、入院したこともあったそうですが、ゆっくりと時間をかけて、お父さんとゆりえさんの距離は縮まったそうです。

ジェネレーションギャップによる価値観の相違も

 子連れ再婚がうまくいかないと断じるつもりはありませんが、連れ子さんがいる人との結婚は、それほど簡単ではないと言えるでしょう。ゆりえさん自身が親の離婚を経験しているだけに、感情移入して自分なら乗り越えられると思ってしまったのかもしません。

 ところが、結婚してみたものの、ゆりえさんは結婚後、わずか4か月で別居し、離婚の決意を固めたと2019年7月11日の「日刊スポーツ」が報じています。同紙によると、別居の理由のひとつに大浦さんの金銭トラブルがあったそうです。

離婚を発表した大浦龍宇一の公式ブログ

 大浦さんは同年7月11日のオフィシャルブログで、別居はしていない、単なる夫婦喧嘩であり、離婚するつもりはないと離婚の可能性について否定します。同年7月19日には2人はそれぞれのオフィシャルブログに連名で直筆の謝罪文を掲載しています。

 ゆりえさんは「この度は私の思い違いから、このような内容でみなさまを不安にさせてしまい、心よりお詫び申し上げます」と綴っていました。何についての思い違いかには触れられていませんが、ちょっと気になるところ。

 というのは、結婚してみたら、相手の知らない部分が見えてきたというのはどの夫婦にもあるでしょうが、年の差婚特有の事情として、ジェネレーションギャップによる価値観の相違も考えられます。生きてきた時代が違うのだから、考え方が違うのは当たり前なわけですが、それが思い違いにつながっていった場合、その溝を埋めるのはなかなか難しいのではないでしょうか。

 「ギブ・アンド・テイク」が他の面でなされていても、コミュニケーションが円滑でないと、これまた夫婦関係はもろいものとなってしまうでしょう。

 大浦さんは4月19日のオフィシャルブログで「今年1月に私たちはお互いに思いやりの心を持って、離婚という形でそれぞれの道を歩んでいくことにいたしました」と離婚を発表しています。もしかすると、思いやりの心で離婚というのは、2人にとって最後のギブでありテイクだったのかもしれません。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」