日曜劇場『GIFT』(公式サイトより)

 連続テレビ小説や大河ドラマと並ぶ人気ドラマ枠のTBS「日曜劇場」。今期は堤真一の『GIFT』が放送され、視聴率ではやや苦戦しているが、この日曜劇場に最も貢献している俳優は誰だろうか?

ターニングポイントとなった『半沢直樹』

2020年4月、『半沢直樹』ロケに臨む堺雅人

 日曜劇場の一つのターニングポイントとなったのが、2013年7月期の『半沢直樹』だろう。それまで若干カラーが定まらなかった同枠に、「働く男の骨太ドラマ」という一つの柱を作ったのが本作。だから今回は“半沢以降”を調査対象としたい。

 まず最初に思い浮かぶのが、その『半沢直樹』と『VIVANT』、2つの大ヒット作を生み出している堺雅人。'13年7月期の『半沢直樹』が最高視聴率(以下同)42.2%、'20年7月期の『半沢直樹(2020年版)』も32.7%を記録。さらに'23年7月期の『VIVANT』も19.6%という近年では破格の数字を記録し、’26年7月期からは2クール連続で『VIVANT(第2シリーズ)』が放送されるのは周知の通りだ。

 阿部寛も、その堺と双璧の功労者といっていい。下町ロケット(2015年版)(’15年10月・22.3%)、『下町ロケット(2018年版)』(’18年10月・16.6%)、ドラゴン桜2021年版)(’21年4月・20.4%)、DCU(’22年1月・16.8%)、キャスター(’25年4月・14.2%)の5作と、主演本数では堺を上回っており、コンスタントにヒットさせているのはさすが。『VIVANT』ではライバル役で堺をアシストしている点でも貢献度は高い。

 2人に続くのが次世代の鈴木亮平と妻夫木聡。

 鈴木亮平は『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(’21年7月・19.5%)、『下剋上球児』(’23年10月・10.8%)、『リブート』(’26年1月・13.3%)。

 妻夫木も日曜劇場と相性が良く、『危険なビーナス』(’20年10月・14.1%)、『Get Ready!』(’23年1月・10.9%)、『ザ・ロイヤルファミリー』(’25年10月・11.7%)と、それぞれ3作に主演している。

 その他では福山雅治(『集団左遷』’19年4月・13.8%)と大泉洋(『ノーサイド・ゲーム』’19年7月・13.8%)は、2人で『ラストマン-全盲の捜査官-』(’23年4月・14.7%)でも競演している。西島秀俊(『流星ワゴン』’15年1月・11.7%、『さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜』’24年1月・11.4%)、長谷川博己(『小さな巨人』’17年4月・16.4%、『アンチヒーロー』’24年4月・12.8%)もそれぞれ2作に主演し、主演サイクルに入っている。

次世代の担い手は?

 堤真一は27年ぶりの日曜劇場主演だったが、同じく少し遠ざかっている唐沢寿明(『ルーズヴェルト・ゲーム』’14年4月・17.6%、『ナポレオンの村』’15年7月・12.7%)や内野聖陽『とんび』(’13年1月・20.3%)も久しぶりに登板してほしいところだ。

 いずれにしても、日曜劇場で主役を張れるのは、仕事で葛藤を抱えつつも、それを自力で乗り越えていく姿を実感を持って演じられる俳優であって、自身の作品への向き合い方もシンクロしているように見える俳優だ。それでいて華がある人というのはなかなかいない。

(山﨑賢人や神木隆之介の主演作が伸び悩んだのはまだ若過ぎたこともあるだろうし、旧ジャニーズ勢では木村拓哉、松本潤、二宮和也が複数回主演しているが、彼らも他の俳優とは若干求められるものが違っている気がする)。

 ただ、阿部寛が61歳になり、堺雅人も52歳になるなど、主力メンバーの年齢は上がってきており、妻夫木、鈴木の次の世代の台頭は課題だろう。

 差し当たって『御上先生』(’25年1月・12.2%)に主演した松坂桃李が、’27年の大河ドラマ『逆賊の幕臣』を終えたら起用があると予想しているが、どうだろうか(『御上先生2』なのか?)。

 今後、誰がこの枠を担っていくのか、あるいは「働く男の骨太ドラマ」というカラー自体も、時代とともに変わっていくのか、テレビウォッチャーとしては気になるところだ。

古沢保。フリーライター、コラムニスト。’71年東京生まれ。「3年B組金八先生卒業アルバム」「オフィシャルガイドブック相棒」「ヤンキー母校に帰るノベライズ」「IQサプリシリーズ」など、テレビ関連書籍を多数手がけ、雑誌などにテレビコラムを執筆。テレビ番組制作にも携わる。好きな番組は地味にヒットする堅実派。街歩き関連の執筆も多く、著書に「風景印ミュージアム」など。歴史散歩の会も主宰している。