山下智久 撮影/渡邉智裕 ヘアメイク/北一騎 スタイリスト/櫻井賢之(casico)

 2022年から2シーズンにわたり放送され、2024年にはスペシャルドラマも放送された『正直不動産』。ひょんなことから嘘がつけなくなったエリート営業マンが、正直すぎる営業で不動産業界の闇をぶっちゃける痛快ビジネスコメディーとして人気を博してきた。そんなシリーズが、待望の映画化を果たす。

 シーズン1から主人公・永瀬財地を演じる山下智久が喜びを語った。

「“映画化できたらいいな”という理想はもちろんありました。僕も今まで多くの作品に携わらせてもらった中で、こうやって続いていくシリーズは、とても珍しいです。だから、映画化までされるのは、ものすごいことだなと痛感しています。僕たちキャストを含め、スタッフのみなさんとも本当に相性が良かった証拠だと思っています」

 永瀬は、祠を壊した祟りにより嘘がつけなくなるという特殊な役柄だ。嘘をつこうとすると強烈な風が吹き、本音しか言えなくなってしまう。

「“本当は言いたくないのに、本音が出てしまう”というのはすごく難しい役でした。漫画原作というプレッシャーもあり、どう表現しようか手探りでした。しかし、続編を作れたということは、視聴者のみなさんが求めてくださっているということ。俳優としてはいちばんの評価をもらえたような気がして、こんなにうれしいことはないですね」

普段からわりとぶっちゃけているタイプ

 この役には、自身の素顔と重なる部分も少なくないという。

「取り繕うのが苦手なので、僕も普段からわりとぶっちゃけているタイプです。本音で生きていたほうが楽ですよね(笑)。自分の意思は伝えなければ伝わらないというのは海外経験から学んだことでもあります」

 嘘がつけなくなった永瀬は、それを逆手に取り、正直さと誠実さを武器に不動産業界で道を切り拓いていく。悪戦苦闘しながらも前へ進むその姿が、多くの共感を呼んだ。では、山下自身の武器は何なのだろうか。

「ひとつのことをコツコツ続けられる粘り強さは僕の武器かなと思います。一回で諦めるのはもったいない。何回かトライしてみてもいいんじゃないかと思うんです。心が通じ合えば、できないことなんてないと信じたいじゃないですか。そうやって年を重ねるごとに、諦めが悪くなったのかなと思います」

山下智久 撮影/渡邉智裕 ヘアメイク/北一騎 スタイリスト/櫻井賢之(casico)

ロケ地もアドリブもパワーアップ!

 ドラマから一気にスケールアップした劇場版。それを象徴するのが、冒頭のロケーションだ。

「冒頭のシーンはアメリカで撮影しました。CGでも再現できただろうに、ちゃんと現地で撮影するというアナログ感がめちゃくちゃ贅沢ですよね」

 ファンにはおなじみ、永瀬が本音を吐き出す際に吹き荒れる“あの風”もさらに進化。

「ドラマでも強風でしたが、映画ではより強風になっていて、つらかったです。撮影で使う送風機のサイズも本当に大きくて、気のせいか電力も日本より強い感じがしました(笑)」

 風に吹かれるシーンも含め、アドリブが多いのもこの作品ならではの特徴といえる。

「大事なセリフ以外は結構アドリブなんじゃないかな? キャストのみんなも乗ってきてくれて、完全にアドリブのかけ合いになっていました。監督含めスタッフのみなさんも大きな心で受け止めてくださって(笑)。自由にやらせてもらえる環境がとても心地よかったです」

 さらに今作では、主役を務めるにとどまらず、劇中歌と挿入曲、2曲の作詞も担当した。

「“温かくて人間っぽいもの”に飢えていたので、アナログ感というのはすごく大切にしました。人情のために全力を尽くすというのが好きで。そういう泥くささを少しでも表現できたらいいなと思って作りました」

 これまでも作詞の経験はあるが、言葉が生まれる瞬間はいつも予測できないと語る。

「机に向かって歌詞が出てくるときもありますが、移動中や散歩中にふと思いつくことも。自分の頭の中からモヤモヤといろいろなものが浮かんできて、それをかき分けて探している感じです。クリエイティブというのは不思議ですよね」

山下智久 撮影/渡邉智裕 ヘアメイク/北一騎 スタイリスト/櫻井賢之(casico)

「飛び込んでみて良かった」

 日本のみならず海外へも活動の場を広げている山下。『THE HEAD』や『神の雫/Drops of God』など、海外作品への出演を精力的に重ねてきた。今まで滞在してきた国の中でいちばん印象深い国を聞くと……、

「もちろん日本がいちばんですが、パリとLAが長かったので、ちゃんと滞在した場所ということで、印象深いです。

 最初は英語も全然できなくて、言語の壁に戸惑いました。でも、“できないけど使わなきゃいけない”という環境が、成長するうえで、いちばん重要だと思うんです。そういう意味で、すごく実りある滞在期間になったと思っています。大変ではありましたが、1人で飛び込んでみて良かったです」

 異国での苦労は、言語だけにとどまらない。

「食事がちょっと困ったこともありました。例えば、納豆はなかなか手に入らないので、食べたいときに気軽に食べられないというのはキツかったです。わざわざ日本の食品が売っているスーパーを探して、買いに行っていました」

 海外での経験もまた、山下にとっては確かな糧となったようだ。そんな彼がスクリーンでどんな姿を見せてくれるのか。映画『正直不動産』の公開が待ち遠しい。

山下智久 撮影/渡邉智裕 ヘアメイク/北一騎 スタイリスト/櫻井賢之(casico)

(祝)今年で芸歴30周年!山Pの“正直”Q &A

Q1.この30年でいちばんの転機
独立したことです。独立してから、周囲の支えの大切さに気づくことができました。“1人でやってきた”ということではないなと実感しています。感謝の気持ちも大きくなって、成長できてよかったなと思います。

Q2.この節目を機に変えたいこと
早寝早起きに変えたいです。今だと、夜に仕事が終わって、帰ってからが自分の時間。やることがたくさんあって、なかなか眠れないことも。一回規則正しく生活したいなと思っています。まずは太陽をしっかり浴びるところから始めたいです!

Q3.今後、新たに進出したい国
30代は外に目を向けて頑張っていたのですが、いったん原点に戻って、国内をもう少し勉強し直したいと思っています。日本の監督とも、もっと仕事がしたいです。

Q4.理想の家
サウナとジム付きの家。サウナが大好きで、忙しいときでも週3日は絶対サウナに通っています。ただ、家からは離れていて、通う時間がもったいない。家にサウナがあったらいつでも入れて、最高ですよね!

Q5.Myルーティン
サウナに行けないときは家で水のシャワーを浴びて、強制的に身体と目を覚ましています。そうすると、一日元気なままでいられますし、夜もゆっくり眠れるので、オススメです。

Q6.『正直不動産』の好きなところ
不動産って、難しいイメージがありますよね。そういう謎な部分を包み隠さない“正直”なストーリーが楽しいうえに、すごくタメになります。楽しいだけじゃなくて学びにもつながるというのが、好きです。

映画『正直不動産』 5月15日(金)全国公開 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (c)大谷アキラ・夏原武・水野光博/小学館(c)2026映画『正直不動産』製作委員会

撮影/渡邉智裕 ヘアメイク/北 一騎 スタイリスト/櫻井賢之(casico)