11日、『ステーキガスト』の公式Xアカウントで毎月恒例の「ステーキ食べ放題」を、5月29日の開催をもって終了することを発表した。約2年半にわたり累計17万食を提供してきたこのイベントは、90分制でカットステーキコースが2,900円(税込)、プレミアムコースが5,800円という価格設定で、肉好きの間では「月に一度の祭り」として親しまれてきた。
『ステーキガスト』のステーキ食べ放題
告知されたX上では即座に《嘘だと言ってくれーー》《ステーキ食べ放題あまりいい思い出がない》ラスト必ず行きます》《輸入、依存がもたらした結果》など様々な反応があがった。
終了の理由について公式発表では明言されていないが、背景には食材費の高騰があると見られている。特に牛肉の価格は円安と国際的な需給バランスの変化で上昇を続けており、「食べ放題」というビジネスモデルの維持が困難になりつつある現実がある。
そんななか、福岡県大牟田市ではステーキガスト大牟田店の跡地に、北九州発祥のうどんチェーン『資さんうどん』がオープンしたのである。5月9日にプレオープン、5月14日にグランドオープンを迎えたこの店舗は、同チェーンにとって大牟田市初進出であり、福岡県内44店舗目となった。
「2024年10月、『資さんうどん』はすかいらーくホールディングスに約240億円で買収された以降、すかいらーくは同ブランドを“低価格・日常使い”のポートフォリオを埋める戦略的業態と位置づけました。2030年をめどに現在の4倍の400店舗へと拡大する計画を掲げていて、東京・両国にオープンした関東1号店は連日行列ができる盛況ぶりで売上高は既存ブランドの約3倍に達しているそうです」(社会部記者、以下同)
消費者が選ぶのは「ごちそう」か「日常の安心」か
物価高が続く中、消費者の外食に対する意識は二極化している。ホットペッパーグルメ外食総研の調査(2026年2月)によれば、物価高で節約志向が高まったと答えた人は50.2%に上る一方、「たまの贅沢」に外食を選ぶ人は53.4%と依然として高い。つまり、「たまの贅沢の外食」と「日常使いの外食」が明確に分かれつつあるのだ。
「ステーキ食べ放題は原価高騰の中で“お得感”を維持することは難しくなり企業側の採算が合わなくなったとすると、資さんうどんに代表される“ワンコイン前後で満足できる日常食”は、物価高時代においても消費者の支持を集めやすいでしょう」
すかいらーくホールディングスの金谷社長は、『資さんうどん』の買収について「決して割高ではない。むしろ割安だった」と語っており、全国展開による成長ポテンシャルを考慮すれば十分に回収可能という判断だったのだろう。
物価高の時代、消費者が本当に求めているものは何か。外食チェーンの選択が、そのまま時代の空気を映し出しているのかもしれない─。
