5月15日(現地時間14日)のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦のスタメンから外れた、ロサンジェルス・ドジャースの大谷翔平投手(31)。開幕から44戦目にして今季初の「休養日」が与えられたわけだが、前人未到の偉業達成には“二刀流”解除の可能性もーー。
前日14日の試合で7回を投げて4安打8奪三振、無失点の圧巻投球で3勝目を上げた大谷。今季最多となる105球を投げたことで規定投球回にも到達し、防御率0.82とメジャーリーグ全体で唯一の0点台と、投手・大谷が抜群の安定感を見せている。
その大谷が2026年シーズン、最大の目標にしているのが「サイ・ヤング賞」だ。
「MLBにおいて最高の投手の証であるサイ・ヤング賞は、個人として2年連続の本塁打王、通算4回のMVP、そして史上初の“50-50”を達成した大谷が、唯一獲得していないビッグタイトルと言えます。彼にとってサイ・ヤング賞を受賞してこそ、本当の“二刀流”成功と言えるのでしょう。
WBCで登板回避したのも、また珍しく打撃不振に陥っているのも、投手を最優先にしている影響なのかもしれません。本人こそ口には出しませんが、大谷のサイ・ヤング賞挑戦はチーム内でも“暗黙の了解”となっているようです」
メジャー事情に精通するスポーツタイターが解説するように、選手として最盛期を迎えている今だからこそのチャレンジ。ただ、最高の栄冠を阻む強力なライバルたちもいる。
規定投球回数に届かない可能性
現時点でナ・リーグのサイ・ヤング賞有力候補として挙げられているのが、フィラデルフィア・フィリーズのクリストファー・サンチェス投手(29)、ピッツバーグ・パイレーツのポール・スキーンズ投手(23)、ミルウォーキー・ブルワーズのジェイコブ・ミジオロウスキー投手(24)らMLBを代表するエースたち。
「各投手データを見ても、大谷が彼らを上回っているのは防御率とクオリティースタート、被本塁打数(5月15日時点)くらいで、サンチェスらはいずれもリーグトップクラスの数値を記録しています。
そして3投手とも9試合登板で投球回数も50以上なのに対し、大谷の登板数は7、投球回数も44と下回るペース。中4、5日のローテーションが一般的なメジャーにおいて、中6日での登板が多いだけに、この先の内容如何ではシーズン規定投球回数に届かない可能性もあるのです。やはり大谷が背負う“ハンデ”は大きいですよ」(前出・スポーツライター、以下同)
メジャーリーグにおける規定投球回数は、チーム試合数と同じく162回。しかしながら2025年に到達した投手は両リーグ合わせてわずか30人で、大谷自身も2022年のロサンゼルス・エンゼルス時代に投じた166回の1度きりと、規定投球回数への到達は、それだけでも一流投手の証とされる狭き門なのだ。
そして3投手にはない、大谷だけに課される“ハンデ”こそ代名詞の“二刀流”。打者・大谷もまたドジャースには欠かせないという事実。
ロバーツ監督と起用法を話し合い
「特に主力が衰えを見せ始めている打線だけに、2年連続で50本塁打を放っている大谷の打棒は外せません。ワールドシリーズ3連覇がかかる指揮官のデーブ・ロバーツ監督(53)は、よほどのハプニングがない限りは打者として併用し続けるでしょう。
ですが、大谷もスーパーマンではありません。連戦や移動も多いメジャーの試合に出場し続けるのは肉体的にも精神的にも疲労が蓄積され、30歳を超えた大谷も身体も“二刀流”を維持できる限界が近づいている可能性もあります」
大谷の欠場について試合前、ロバーツ監督は起用法に関する話し合いがあったとして、本人からも「精神的な負荷は登板日が最も大きく、肉体的にはその翌日が最もきつい」との申し出があったことを明かした。
その大谷も7回無失点の快投を見せた試合後、やはり“二刀流”の負担を問われると、
「どうなんですかね……。今が(選手として)一番いいと思っているし、まだまだ若いと思っているので。頑張りたいなと思っています」
少しの間を置いた後に「まだまだ若い」と自負してみせた大谷。
長いメジャーの歴史上、ホームラン王を獲得した選手がサイ・ヤング賞を受賞した事実は当然ない。そんな偉業達成のためにも今シーズンは投手専念、とはいかないのが大谷なのだろう。
