マイクロバス(写真はイメージです)

 5月6日、新潟県の北越高校ソフトテニス部のマイクロバスが高速道路で事故を起こし、17歳の部員が死亡、20人が重軽傷を負った。運転していた若山哲夫容疑者(68)は二種免許を所持していない違法な“白バス”運転手の疑いも浮上し、過失運転致死傷の疑いで逮捕されている。

北越高校所有のマイクロバス

 学校側と、バス(レンタカー)手配を担った蒲原鉄道側で言い分は真っ向から食い違うが、北越高校には“自前のバス”が、実はある。

北越高校のサッカー部や野球部、ラグビー部はマイクロバスを保有しており、遠征などにはそのバスを使って向かいます。しかし、それらのバスの購入や維持費などの資金は部もしくは学校OB、OBの企業からの寄付金で賄われている部分が多い。

 全国大会を目指す運動部は同校にとっても花形。会見に出席した校長は寄付金集めに力を入れてきた印象ですが、今回の事故はその点でも今後、大いに影響するでしょう」(新潟県の教育関係者、以下同)

 北越高校に限らず、体育会系部活がマイクロバスで遠征に行くことは珍しくない。

「新潟県のような地方では、公共交通機関で行けるところは限られ、本数も少ない。だから遠征時にはバスを借りる。仮に学校自前のバスがあっても、他の部活と争って使う。強い部のほうが校内で発言権があるので、自前バスがあっても外部から借りるケースは多々あります」

 事故を起こした若山容疑者は、過去に新潟県内で強豪陸上部を指導してきた実績のある人物だった。

北越高校は運転手に3万3000円支払った

北越高校が保有するマイクロバス。同校サッカー部のもので遠征時などに利用(同部公式サイトより。画像の一部を加工しています)

「学校が所有するバスを免許のある顧問やコーチが運転する場合もありますが、遠方や重要な大会の場合は別に運転手を探すことが多い。バス会社は慢性的な人手不足ですし、運転手のみの派遣に応じる会社は少ない。それでも“昔からの付き合い”とか“地方ならではの馴れ合い”で、今回のような状況が起こりうる。

 より安く済ませるためにレンタカーでバスを借り、結果“バス会社の運転手の知り合い”に声がかかる。北越高校は運転手に3万3000円支払ったと報道されていますが、運転についての日当は1万5000円程度が相場だと思います

 今回のような事故は、高校の部活動だけに限った話ではない。

中学の部活や“学校外”のクラブチームでも同様の状況が見られます。今回の運転手はそもそも持病があったそうですが、部活の顧問やクラブチームの指導者らが“寝る間もなく”遠征の準備をし、“早朝から遠方まで”生徒数十人を乗せて高速を突っ走る─こんな状況は全国で今日も起きている。

 これを解決するのは“人と金”しかない。ではその人をどう探し、金はどう集めるのか。保護者に理解を求める? “子どもの安全のためにこれまでの何倍だってお金を出します”なんてことにはならない、事故が起きた後でも、決してそうはならないのが教育・スポーツの現場です」

 SNSでは“部活はもうやめろ”論にまで発展。問題はそんなに単純ではなく……。