2004年1月の会見での向井亜紀と高田延彦

 宝泉薫さんによる『週刊女性』の名物連載「人生アゲサゲ分かれ道」。今、ニュースな向井亜紀さんを取り上げます!

過去に入院を30回、手術を19回している

 女子大生タレント。向井亜紀は43年前にそういう存在として世に出た。現役女子大生によるラジオ番組『ミスDJリクエストパレード』(文化放送)で川島なお美や斉藤慶子に続き、人気者に。そこから息の長い芸能活動をしてきたわけだ。

 が、人によっては「代理母裁判」のほうが印象に残っているかもしれない。

 1994年に格闘家の高田延彦(※高=はしごだか)と結婚して、6年後に妊娠したものの、同時に子宮頸がんが見つかり、出産はあきらめて子宮を全摘出した。その4年後、米国人女性を代理母とした、男子の双生児が誕生して、向井を母とする出生届を提出。これが受理されず、最高裁まで争ったが、敗訴した。最終的に、養子縁組をすることで彼女は母となっている。

 と、簡潔にまとめてみたものの、出産を断念してから養子縁組までの9年間は本人にとって筆舌に尽くしがたいほど大変な時期だったに違いない。日本国内では批判も多い代理母出産を米国で行ったことで、誹謗中傷も受けたと明かしている。

 ただ、彼女はその間も『朝だ!生です旅サラダ』(テレビ朝日系)に出演し続けた。放送開始の'93年から30年間、サブMCを担当。最近のネットインタビュー記事によると、入院を30回、手術を19回しているそうで、その大半が『旅サラダ』時代だろう。

 常に元気な勝俣州和ならいざ知らず、向井のような人が時に裁判も抱えつつ、元気に生出演をし続けるにはかなりの精神力が必要ではないか。

今ごろはクイズ番組に出演していてもおかしくはない

 そのあたりを考えるうえで鍵になるのが「格闘家の妻」という人生の選択だ。古くは倍賞美津子、最近では小池栄子や矢沢心、あるいは向井と同年生まれの河野景子など、レスラーやボクサー、力士などと結婚するような人にはどこか似た空気感がある。アンディ・フグと仲のよかった藤原紀香や、交際相手の試合を観戦して勝利に号泣した川口春奈もそうだ。

小池栄子

 格闘技というだけで引いてしまう女性とは別の精神性がもともと備わっているのだろうし、格闘家との交流を通してそれがさらに高められると考えられる。

 というのも、独身時代の向井はこういうキャラではなかったからだ。医師と教師を両親に持ち、埼玉県トップの高偏差値女子校から日本女子大に進学。

 女子大生タレントのハシリともいうべき宮崎美子みたいに、今ごろは『Qさま!!』(テレビ朝日系)あたりでクイズに答えていてもおかしくはないタイプだった。

 実際、'80年代後半には『TVプレイバック』(フジテレビ系)というクイズ番組に出ていた。一時代を築いた萩本欽一とザ・ドリフターズが共演、というのが売りで、そこに美男美女枠で抜擢されたのが共に本格ブレイク前の向井と石田純一だ。

 そういえば、向井が息子たちの近況を前述の記事で語った翌々日、石田が『ぽかぽか』(フジテレビ系)に出演、こちらは相変わらず、過去の女遊びネタで笑いをとっていた。石田も3度の結婚で5人の子をもうけているが、そういう話はあまり需要がなさそうで、向井との違いが興味深い。

 女性はやはり、母となることで強くなるし、彼女の場合、そのなり方も特別だからだろう。

 なお、彼女が生まれたのは最初の東京五輪で女子バレーの「東洋の魔女」が金メダルを取った年。ほかに薬師丸ひろ子や南果歩、高島礼子、YOU、杉田かおる、あと、政治家になった三原じゅん子らが生まれていて、なかなかの顔ぶれである。

ほうせん・かおる アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)。