千葉県・市川市動植物園のパンチくん(公式Xより)

 母ザルに育児放棄されながらも、オランウータンのぬいぐるみを抱えて懸命に生きる姿が涙を誘った、子ザル「パンチくん」が暮らす、千葉県の市川市動植物園で“大捕物”騒動が勃発した。

 5月17日の午前に園内の猿山に侵入した、自称大学生のリード・ジュナイ・デイソン容疑者(24)と自称歌手のニール・ジャバリ・デュアン容疑者(27)ら、アメリカ人観光客の男性2人が威力業務妨害容疑で18日に逮捕されたのだ。

「なんでもデイソン容疑者は鉄柵を乗り越えて、約4メートル下の猿山に飛び降りて侵入。この時、青いスーツと顔文字のキャラクターと思われる“着ぐるみ”を着用しており、その様子を柵外にいた撮影担当のデュアン容疑者がカメラを回していたようです。

 すぐに駆けつけた園職員によって連れ出されると、通報を受けた警察署員によって身柄を確保された両容疑者。この騒動によって、同園では観覧エリアが規制され、行われる予定だったイベントも中止する措置が取られています」(全国紙・社会部記者)

 警察の調べに対して、デイソン容疑者は「逮捕に納得していない」と容疑を一部否認し、デュアン容疑者に至っては「自分は侵入していない。(デイソン容疑者が)勝手にやった」と、こちらも反省の態度を示していないようだ。

 パンチくんをはじめ、猿山で暮らすニホンザルへの危害はなかったが、突如侵入してきた“黄色い顔”の着ぐるみ人間にさぞ怖い思いをしたことだろう。このアメリカ人観光客による日本での“迷惑行為”は、すでに世界中のメディアで伝えられている。

犯行時の“着ぐるみ”で渋谷駅で撮影

【猿山に侵入した愚かなアメリカ人観光客が逮捕される】との見出しをつけたのは大衆紙『ニューヨーク・ポスト』Web版。デュアン容疑者のものとするSNSを引用して、騒動の詳細を伝えている。

 事件を起こす前日だろうか、夜の東京・渋谷の街を我が物顔で謳歌してはポーズを決める、デイソン容疑者とデュアン容疑者とされる若い男性の姿が掲載されている。そこには猿山侵入時に使用したと思われる特徴的な着ぐるみ姿で、スクランブル交差点前で撮影された“インフルエンサー”写真も。

 そんな承認欲求高めなSNS投稿には、計画していた事件を“匂わせ”ていたのだろうか、サルのキャラクターシールも投稿されていた。

犯行時に着用した着ぐるみか。千葉県・市川市動植物園の猿山に侵入した容疑者のもとと思われるインスタグラム(編集部加工)

 そんな容疑者らに現地ネットユーザーからは辛辣な声が向けられている。

《猿山には生まれたばかりの赤ちゃん猿もいたんだぞ、このバカ野郎。お前には重い刑罰が下されることを願うよ》
《こういう人たちは現実を見ていない。彼らは自分の動画がバズるためだけに生きている》
《ソーシャルメディアの閲覧数や影響力・名声のために犯罪を犯す者に対し、追加の罰金や懲役刑を科す刑罰を導入すべきだ》
《アメリカ国内でこんなふざけた真似をするだけでも十分問題なのに、海外にまで行って馬鹿げた振る舞いをするなんて許されるべきではない。日本が彼らに厳しく対処してくれることを願う》

 容疑者への“厳罰”を求める意見が圧倒的に多いのだが、

《今の日本ではそう(厳罰)はいかない。彼らは(外国人に対して)弱腰だし、日本の法制度はこの種の犯罪行為に全く対応できていない》
《厳罰がなければ、こうした攻撃は悪化する一方だろう。日本はこのような無礼な迷惑行為に対してもっと備えられていると思っていた》

韓国では迷惑系YouTuberに実刑判決

 今回、両容疑者にかけられているのは威力業務妨害容疑であり、市川市動植物園の業務を妨害したことを罪に問われている。刑法234条によると法定刑は3年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金。これが海外と比較して軽微と捉える声も。

 例えば2023年、大阪市内の飲食店で迷惑行為を働いて威力業務妨害罪に問われた、アメリカ国籍の迷惑系YouTuber「ジョニー・ソマリ」。法廷で「今後は動画配信をしない」と誓い、反省の意を示した彼に大阪地裁が課したのは「罰金20万円」

 ところが以後も、韓国で動画配信を目的として業務妨害や軽犯罪処罰法違反などを繰り返したソマリ被告。ソウル西部地裁は2026年4月、懲役6か月の実刑判決が言い渡されると法廷で身柄を再拘束された被告。判決5日後に控訴状を提出している。

 今回、人や動物に直接危害を加えたわけではなく、特に近年は外国人による犯罪が「不起訴」となるケースも目立っている日本司法。威力業務妨害に加えて建造物侵入罪も問われる可能性あるデイソン容疑者とデュアン容疑者だが、迷惑系観光客への裁きを世界中が注目していることを忘れてはならない。