住宅地だからといってクマが現れない保証はない

 5月19日午後1時頃、東京・奥多摩町の山中で遺体が発見された。遺体は上半身がなく性別不明で、周辺には大型動物のものとみられる足跡やフンが残されていたという。警視庁はこれらの痕跡から、クマに襲われた可能性があるとして身元の確認を進めている。

ロシア国籍の男性もクマに襲われる

クマ類の分布・生息状況(環境省資料より)

 奥多摩では17日にもロシア国籍の男性がクマに襲われたばかりだ。男性は奥多摩町境の林道を1人で下山していたところを襲われ、顔や腕に重傷を負いヘリで病院に搬送されたが命に別状はないとのこと。クマは男性を襲ったあと、山中に戻ったとみられている。

「4月29日には八王子市でもクマが出没しています。それも近くに飲食店や住宅が立ち並ぶ住宅街に現れたそうで、体長は1メートルを超えていました。幸い誰とも接触せずセンサーカメラが映像に捉えただけですが、住民の方々からすればかなり怖いでしょうね」(野生動物研究家)

 昨今世間を騒がせているクマの出没。全国的にクマが大量出没し始めたのは2023年頃からで、全国各地で被害が続出している。またこれまでは山中での目撃が多かったクマが、市街地に出没するケースが増えているのも特徴だ。

 山口県では16日、防犯カメラが住宅の敷地内に侵入する3頭のクマを撮影。クマが現れた住宅敷地内にある小屋には、荒らされた形跡があったという。15日には青森市で、市内中心部のビル内にクマが侵入する騒動もあった。

国による「クマ対策」

 もはや毎日のようにクマ出没のニュースが報道され、全てを紹介しきれないほどの事態となっている状況に、

《国はもっと真剣に考えるべきだろ。危機感を持って欲しい》

《ここまで個体数が増加したのは完全に行政のせい。やることが全部遅いんだよ》

《これだけほぼ同時期に全国でクマが増加してるのには、何か理由があるはず。原因を追求すべき》

《もう高齢の猟友会の方々に駆除を全面依頼するのは限界だよ》

 などといった意見がネット上にあがっている。

「もちろん国も何もしていないわけではありません。2024年には対応策をまとめた『クマ被害対策パッケージ』を策定し、2025年11月に関係閣僚会議で決定されました。地域の実情に合わせてパトロール強化や罠の設置、クマが見られた際の連絡体制の整備などが盛り込まれています。政府が狩猟免許保持者の育成や人材雇用などの予算を確保する方針を示しているのも、特筆するべき点でしょう」(前出・野生動物研究家)

 2025年9月からは一定の条件下に限るものの、市町村長の判断・指示で委託を受けたハンターが緊急に銃猟を使用することができる「緊急銃猟制度」もスタートしている。

 それでも悪化し続けるクマを巡る状況……。国と自治体が一丸となって抜本的な対策を打ち出さねば、ますます被害が増えることは間違いない。