5月20日午前、岩手県西和賀町で、85歳の男性の遺体が自宅周辺の沢で発見された。近くでクマが目撃されていることなどから、男性はクマに襲われた可能性が高いとみられている。
クマ被害の“生存経験者”が対策グッズを開発
また、19日午後1時ごろには、東京都奥多摩町日原の仙元峠近くで警視庁青梅署員が上半身のない遺体を発見。周囲には大型動物のフンや足跡があり、クマに襲われた可能性もあるとみて身元の確認が進められている。
各所でクマ被害が続出する中、対策のために注目を集めているアイテムがある。
「岩手県岩泉町に住む佐藤誠志さんが開発した“クマ撃退用ポール”が話題になっています。昨春に販売を開始して以降、すでに800本以上売れており、青森県警でも導入されているとのこと。
佐藤さんは『原生林の熊』の名前で地域おこし活動やペット用品の販売をしていて、2023年9月には、クマに襲われた際の映像をYouTubeで公開して大きな注目を集めました」(地方紙社会部記者)
『週刊女性PRIME』は、佐藤さんがクマ被害に遭った当時、本人に直接話を聞いていた。
いつものようにYouTube用の動画を撮るため、帽子にカメラをつけながら舞茸などのキノコを採っていた佐藤さん。朝9時過ぎごろ、物音に気づいて目を向けると、親子熊がほんの8m先に。子熊が木に登ったため、母親が臨戦態勢に入ったと確信し、すぐ『おいこら!』と声を出して威嚇したものの、母熊が突進してきたという。
「たまたま木の棒があって助かった」
動画はわずか20~30秒だったが、クマの執拗な攻撃をかわしながら、佐藤さん自身も攻撃を続けていた。攻防の末、母熊は去っていったものの、佐藤さんは噛まれて大怪我。
当時について、「無我夢中だったので噛まれた瞬間は痛みを感じませんでした。破傷風になるといけないので、病院に行き治療。骨は無傷でしたが、太ももと腕を負傷しました」と振り返った。
突然の熊による突進に対して、怪我を負いながらも生存を果たした佐藤さん。
“勝因”については、「山での仕事が長いので、クマに襲撃されそうになったら絶対“先制攻撃”をすると決めて、いつクマに出会ってもいいように常にシミュレーションしていました」「クマに背中を向けなかったこと、倒れなかったこと、諦めなかったこと、気迫だけは負けないという強い気持ちがあった」と語っていた。
また佐藤さんは「今回はたまたま木の棒があって助かった」とも話していた。まさに“九死に一生”の経験から、撃退用ポールの製作に至ったというわけだ。
「アルミ合金などでできたポールは先端が二股に分かれ、長さは1m15cmから1m70cmまでが用意されています。クマの動きに対応できるよう、最も軽いものは約500g。猟友会の人々からのアドバイスも受けて製作したといいます」(前出・社会部記者)
佐藤さんが運営するサイト『原生林の熊工房』から購入できるポールは、サイズ別で12,000円~27,000円(税込み、送料別)だ。
話を伺った当時、「私自身もクマが好きですが、同じ生活区域で生きている以上、まずは自分たちの命が第一です」と語っていた佐藤さん。被害が続く以上、先人の知恵が全国で活かされることを願うばかりだ。
