5月20日の北海道日本ハムファイターズとの試合に先発した、東北楽天ゴールデンイーグルスの前田健太投手(38)が3回途中4安打3四球2失点で降板。試合後には、今シーズン2度目となる2軍調整が言い渡された。
2025年シーズンオフ、メジャーリーグで10年間プレーした前田が日本球界復帰の場に選んだのは楽天だった。といっても、彼自身もインスタグラムで【オファーは届きませんでした】と明かしたように、古巣・広島東洋カープが元エースの獲得に乗り出すことはなかった。
日米通算166勝を積み上げてきた前田だが、2026年の1軍成績は5試合に投げて勝ち星ゼロ。「18番」を“譲り受けた”、同学年の巨人・田中将大投手(38)も達成した200勝を目標としつつも、現状のペースでは実現も難しいように思える。
かつて広島時代を取材したベテラン野球ライターは、前田の“不調”について、
「2軍では結果を出しているものの、1軍打者には甘く入ったボールを痛打される場面が目立ちます。広島時代から、彼のピッチングの“生命線”は針の穴を通すような、当時は球界随一とも言われた制球力。
それが年間200イニングを投げて40個ほどだった四球が、今季は18イニングですでに13個も与えています。38歳の年齢による衰えなのか、それとも10年間にわたってメジャーで右腕を酷使してきた影響なのか、ここまで勝てないとは楽天にとって大きな誤算でしょう」
前田の成績よりも笑えないチーム状況
前田がKOされた試合を3-5で落とした楽天は、パ・リーグ単独最下位に転落(5月20日時点)。日本球界でもう一花咲かせるはずだったベテランの低調ぶりに、X上では《カープの目利きが正しかった》とする、広島球団の判断を称賛する野球ファンの声もある。
しかしながら、広島ファンにしてみれば前田どころではない、笑えない状況にチームは置かれている。
現在、セ・リーグ最下位の中日ドラゴンズとは3ゲーム差の5位につける広島だが、勝率で言えば楽天よりも下回る成績だ。そして5月25日からはセ・パ交流戦も始まるだけに、パ球団を相手にさらなる借金を背負う可能性も否めない。
そんな不甲斐ないチームだけに、本拠地のマツダスタジアムでも異変が起きているようだ。
「かつてチケットは争奪戦で、3万3000人を収容するホーム試合も連日の超満員でしたが、現在は空席が目立つ日も多く見られ、5月20日のDeNA(ベイスターズ)戦は平日の雨天だったとはいえ2万937人と、危うく2万人を切るところでした。
同日に埼玉県営大宮公園野球場で行われた、西武とロッテによる地方球場の試合をのぞいて最も少ない観客数。2014年の流行語にもなった、スタジアムを埋め尽くしていた“カープ女子はどこにいったのやら”と古参ファンもため息です(苦笑)」(前出・野球ライター)
また下手すると、試合どころではなくなる状況にも恐々としている。
シーズン開幕前に指定薬物「エトミデート」の使用、いわゆる“ゾンビたばこ”を吸引したとして医薬品・医療機器法違反の疑いで逮捕、起訴された元広島東洋カープ・羽月隆太郎被告(25)による“供述”だ。
周囲に吸っているカープ選手もいた
5月15日に広島地裁で開かれた初公判で、指定薬物に手を染めた理由について、
「周囲に吸っているカープ選手もいたので、自分も大丈夫だという甘い考えが勝ってしまいました。正しい判断をすべきでしたし、家族と向き合うべきだったと深く反省しています」
自身だけでなく、周囲のカープ選手も吸引していたと証言したのだった。
「おそらくは羽月の“供述”内容も伝わっているのでしょう。広島球団はあらためて内部調査を進めるとともに、複数選手に対する尿検査も実施。今のところ陽性反応は出ていないとのことですが、『文春オンライン』ではカープ選手と“売人”とされる人物とのツーショット写真なども掲載しています。
このゾンビたばこ騒動がチーム不調の原因とは思いませんが、しばらくは選手も周囲から疑惑の目を向けられかねません。仮に今後、他選手の逮捕などに発展すれば選手個人だけでなく、球団としても危機を迎えるかもしれません」(前出・野球ライター)
初公判を終えた5月16日、カープ「ロゴ」を消した自身のXを更新し、騒動を謝罪しつつ【近日中に、今回の件について自分の言葉でしっかりお話しさせていただく場を設ける予定です。】と、会見にて詳細を明らかにすることを示唆した羽月被告。
広島から“不要”とされた前田だが、古巣が陥っている“三重苦”をどう見ているのだろうか。
