嵐が活動を終了するまで、残り1週間を切った。5月31日のラストライブが近づくにつれて“5人”での姿が見られなくなることを惜しむ声が相次いでいる。
長年“国民的アイドルグループ”として輝き続けてきた嵐。その背中を間近で見てきたのが、コンサートにバックダンサーとして同行してきたJr.たちである。
「ラストツアーの『We are ARASHI』にも、ACEesをはじめとするジュニアが出演しています。この経験は、彼らの今後の大きな糧となるでしょう」(スポーツ紙記者)
実際、嵐のバックで踊った元Jr.に話を聞くと、当時得たものが今でも多大な影響を及ぼしているという。2014年の『THE DIGITALIAN』など3つのツアーに出演した川口優は、
「嵐さんのコンサートは、規模感や演出などすべてがケタ違い。“嵐のバックにつくと他ならぬ経験ができる”とJr.の間でも常々話していました。それぞれが事務所内に憧れの先輩がいた中でも“嵐”は全員が目指すべき目標の一つでした」
と、当時を振り返る。2009年から2010年にかけて開催されたツアー『5×10』などに出演した千田京平も、
嵐のコンサートは100%日本で一番
「嵐さんのコンサートは100%日本で一番だといえます。あのようなクリエイティブなコンサートがなくなってしまうと、日本のエンターテインメントが止まってしまうのではないかと心配になるほどです」
と、話す。これまで10回以上のツアーに同行して、Jr.のまとめ役も任されたことがある江田剛は、初めて出演した2003年『Howʼs it going?』の最終日が忘れられないという。
「ツアーを終えた達成感やお客さんの笑顔などのすべてに“これがエンタメの世界なんだ”と体感して泣いてしまったことが強く印象に残っています」
その“エンタメの世界”を中心となって作っているのが、演出を担当している松本潤だ。2009年に入所から約4か月でその世界に触れた千田に印象を聞くと、
「『5×10』のとき僕は中学生で年齢的にも幼く、芸能活動への自覚が欠けていた部分がありました。なので、スタッフさんとテクニカルなことを真剣に話している姿を見て、率直に“怖いな……”と感じてしまうこともありました(苦笑)」
と、自身を省みて話す。
そんな場面で、現場の空気を保つよう動いていたのが櫻井翔だった。
「バランスのとれた声かけで周囲をケアして、潤くんが悪者にならないように立ち回っていたように見えました。もはや“陰のリーダー”といってもいいかもしれません。櫻井くんは、僕らJrにとっても、すごく安心感のある存在でしたね」(川口)
とはいえ、松本は厳しいだけではなかったという。
「あるとき、そのツアーについていた20人ほどのJr.全員を集めて、質問コーナーを開いてくれました。ライブ作りについて聞けばよかったと今でも後悔しているのですが、なぜか“心臓の鍛え方”を質問してしまって……。当時の僕は態度がよくなかったと思うのですが、それでも優しく気にかけてくれました」(千田)
Jr.の努力を見守っていた大野と二宮
江田も、松本から与えられたものは多いと口にする。
「僕が事務所を辞めるギリギリまで、潤くんの仕事のサポートに入り、近くで学ばせてもらいました。勉強のために見に行く他のアーティストのライブにも誘ってくれて、その後、ご自宅で“今日のライブどうだった? 感想を聞きたい”と意見交換をする会を開いてくれて、とても勉強になりました」
一方、大野智と二宮和也は、静かにJr.を見守っていた。川口が、こう振り返る。
「リハーサルでJr.だけが踊っているときに、後ろで見ていた大野くんと二宮くんが僕を目に留めてくれて“あの子誰? ダンスうまくない?”と言ってくれたそうなんです。
それがあったからなのか、Jr.の欠員が出てしまった曲の“代打”にも選んでいただけて。おふたりはたくさんのJr.を見ているので覚えていないかもしれませんが“努力を見てくれる人がいるんだ”と、とてもうれしかったです」
普段から後輩たちに目を配っているからか、相談した際には的確な言葉が返ってきたという。
「二宮くんに、進路について相談をしていました。そのとき“今までは先輩や後輩の縦のつながりを気にして頑張ってきたかもしれないけど、これからは横のつながりも大事にしていきなさい。横のつながりがおまえを支えてくれる一番の縁になるから”というアドバイスをいただきました」(江田、以下同)
大野はおちゃめな一面もあって、
「みんなでごはんを食べていたときに僕は納豆が苦手だと話したら“じゃあ、今から克服です”という大野くんのひと声で、その場で食べることになったのもいい思い出です(笑)」
元Jr.が口を揃えた「嵐への感謝」
相葉雅紀はというと、
「ホテルの部屋で一緒に練習をしたり、アジア公演のときには和気あいあいと楽しく話をしたことを覚えています」
川口は相葉のソロ曲のバックについたことがあり、リハーサルへの姿勢に感服したという。
「相葉くんがヘッドスピンをする演出があったのですが、もともとは未経験。また、リフトにつなげられてシルクの布に巻かれて落ちていくという難しい演出もありました。どちらも身体を酷使しますし、簡単にできるものではありません。
バラエティー番組など、ほかの仕事も完璧にこなしながら新たなことにチャレンジして、リハーサルが進むたびに上達していました。そういう努力を目の当たりにして、僕らも頑張らないわけにはいかないなと思わされました」
このように、後輩たちに偉大な背中を見せ続けてきた嵐。今回、話を聞いた3人がそろって口にするのは“感謝”だった。
「言葉で教えてもらうというより、その姿勢を“見て盗む”というスタンスだったと思います。この経験が、今の自分の心の支えになって、事務所を離れても舞台などのエンタメの世界で生きていられるのだと思います」(江田)
“言葉より大切なもの”を与え続けて─。
