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 9月に4日間の開催、20万人以上が足を運び、90億円以上の経済効果が見込まれるという『ARASHI BLAST in Miyagi』。しかし、付近のホテルに予約が殺到し、同時期に開催予定だったほかのイベントは日程変更を余儀なくされた。

 また、同じ会場である『ひとめぼれスタジアム宮城』で過去にGLAYがコンサートを行った際には、帰宅&トイレ難民が続出し、問題になった。

 ではなぜ、嵐はこの場所を選んだのか。実はこれ、ただのライブではない。いわば、東日本大震災からの復興を願っての一大プロジェクトなのだ。

「宮城県総合運動公園全体を嵐がジャックして、“宮城嵐ランド”を作ろうというものです。東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを合わせた広さに匹敵する約90万平方メートルの敷地で、ライブ以外に東北ならではのイベントも開催する予定で、岩手や福島を含めた東北地方の地場産業や伝統文化とのコラボを企画中だといいます。嵐のライブ自体、東北地方では’07 年が最後になっていて、メンバー内でも“東北でやりたい”と話していた中、1月に宮城県の村井嘉浩知事からオファーを受けて、決定したそうです」(芸能プロ関係者)

 この“宮城嵐ランド”について松本潤はこう構想を熱く語る。

「グッズを作ったり、地元の大衆演劇の公演を見ながら、ファンが地元の名産を食べられたり。施設全体が大きなエンターテイメントの場所になってくれたらいいな」

 コンサート発表から1か月後の6月1日には異例の発表が。開演時間が30分繰り上げになったのだ。当初は午後5時からの予定だったのが、午後4時半開始ということに。観客を帰りやすくするための変更だという。

「これによってステージのライトアップ演出に関しては変更せざるをえなくなり、演出担当の松潤は“なんでいきなり?”とスタッフに文句を言ったとか。もちろん、理由を聞いて納得したでしょうけどね。ほかにもいくつか、コンサート難民を防ぐ対策が追加されました」(前出・芸能プロ関係者)

 他県への送迎を行うバスツアー、さらには“アクセスツアー”という都内までバスで送迎してくれる日帰りパックも設けられることに。

「この結果、開催期間中のスタッフ数は1500人を超えることになりました。その上乗せされた人件費や演出の変更費用などは、ジャニーズ側が負担することになり、困惑ぎみだったとか」(前出・芸能プロ関係者)

 しかしなぜ、急な変更となったのか。その事情を探ってみると、ある人物の存在が浮かびあがってきた。大塚高司衆議院議員だ。

「村井知事と同じ自民党出身ですし、ふたりとも大阪府豊中市生まれで、以前から交流がありました。そこで、偶然にも嵐のファンから今回の一件を聞きつけた大塚議員がコンサート難民の処遇について知事に問いただし、公演時間の繰り上げや交通手段の確保までアドバイスしたそうです。そして知事はすぐさまジャニーズサイドに相談をしたようです」(県庁関係者)

 宮城県庁の地域復興支援課の担当者に今回の嵐ライブの対策について聞いてみると、以下のような回答が。

「確かに、今回の嵐のような4日間のライブは初めてですが、過去の1日もののライブでの経験を生かして、より効率的に、できうる対応をしたいと思っています。交通手段の情報を提供したり、バスの効率的運行や信号機のタイミングを変更するなど、スムーズに行われるようにと考えています」

 一大プロジェクトの無事を願う気持ちが伝わってきた。事実確認のために大塚高司議員の事務所に連絡してみると、

「嵐のファンの方々から宮城県でのコンサートについての懸念事項をお聞きしたので、ジャニーズ事務所と宮城県庁にお話をさせていただきました。嵐のファンの方々が楽しい時間を過ごし、被災地の復興支援に貢献していただけることを祈っております」