5月14日、栃木県・上三川町で起きた強盗殺人事件。逮捕された実行犯が16歳の少年であることや、指示役の存在など事件の背景が明らかになってきた。
アルバイトで実行役を募ったり、それに応えて強盗を働くなど、これまでの“常識”では測れない匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)による犯罪がはびこる現在。
“攻撃型”の監視カメラ
「今はもう、犯罪がビジネスとして成立してしまっているんです」
こう話すのは防犯ジャーナリストで、一般社団法人 日本防犯学校の梅本正行会長だ。
「犯罪のシナリオを書いているトップは、不良少年などを手足として使い、自分たちが捕まらない環境をつくっています。金儲けをするビジネスとして選んだ“職種”が犯罪ということ。悪知恵の働く連中ですよ。
犯罪者はとにかく情報に基づいて動く時代です。生年月日や住所、どんな仕事をしているのか、家族の構成は……。そんな情報がお金になる時代だから、極力、個人情報を出さないことが大切」(梅本さん、以下同)
そんな時代に、自分の家を守るためにはどうしたらいいのか? 今回の栃木県の事件を振り返ってもらうと、
「まずは監視カメラを“攻撃型カメラ”にしてみてはどうでしょうか。人が敷地内に入ったことを感知すると、音を出したりフラッシュで威嚇します。その映像は登録したスマホに送られ、それをそのまま警察に転送できるシステムがあります。
あと今回、ガラスをバールで破られて侵入されてしまいましたが、防犯ガラス、もしくは普通のガラスに防犯フィルムを貼っておくだけで、ヒビが入っても簡単に貫通することはありません」
毎日ニュースを見る
今までの平和な日本、という感覚は改めないといけない、と梅本さんは語気を強めてこう続ける。
「素人が対策を考えてもダメなんです。ちょっと調べれば防犯の専門家として、いろいろな人がネットで情報を発信しています。その情報をうのみにするのではなく、知り合いや家族に相談しながら、ひとりで判断をしないこと。
また会社を経営したり、商売で成功した人たちこそ、防犯にお金をかけないとダメ。お金をかけずにやっている“気休め防犯”がいちばんよくない。安全管理をケチることは自分や家族を危険に晒しているということをわかってほしい」
そして、ワイドショーでもいいので、毎日報道されているニュースに触れることが大事だという。
「スマホでもいいんです。1日に30分は報道を見る。今、どんな詐欺が起きていて、強盗の手口はどんなものがあるのか。日々、報じられているニュースを見るだけでも考えるきっかけになり、対策も見えますから」
さまざまな犯罪が新たな形で昼夜を問わず、自分たちを狙っている社会になりつつある日本。自己防衛について、考え直す機会なのかもしれない。
(取材・文/蒔田稔)
「梅と桜の防犯チャンネル」では日本防犯学校の梅本会長と桜井礼子学長が、防犯についての知識を公開している
