宿敵・阪神との3連戦で投打の完成度の差を見せつけられ、屈辱の「3タテ」を喫した阿部巨人。期待された若き大砲候補が沈黙する一方で、相手の新人には快打を許すなど、近年のドラフト戦略の歪みが表面化している。とりわけ、点が取れない「貧打線」には、指導体制への不満も再燃しているようで……。
5月24日に東京ドームで行われた阪神戦。マウンドに上がったのは、前年のドラフト1位ルーキーの竹丸和幸だった。4回まで粘りの投球を見せていたが、5回に相手のドラ1位ルーキー・立石正広に先制2ランを被弾。6回4失点で3敗目を喫した。7連勝の後に4連敗となり、首位・阪神とのゲーム差は4・5。阿部慎之助元監督は試合後、「力の差を見せつけられた3連戦で、ファンの人に申し訳ない。それだけです」と語り、わずか15秒で会見を切り上げた。
「深刻なのは、阪神とのドラフト戦略の差がそのままチーム力の差になって表れている点です。阪神は佐藤輝明、近本光司、大山悠輔、森下翔太といったドラフト1位指名選手が主軸を形成しているのに対し、巨人は現在のスタメンを見ても他球団なら1・5軍と評されるような選手ばかり。
22日の試合中には、解説の原辰徳氏と岡田彰布氏が2022年ドラフトの際、浅野翔吾の指名を巡って『取り合いはやめましょう』と事前にメールを送るなどの裏話を披露しました。結果的に巨人が浅野を引き当て、阪神が外れ1位で森下を獲得した経緯がありますが、5月23日にようやく一軍昇格となるも結果が振るわない浅野の姿を見て、ファンからは『森下を取っていれば…』という嘆き節が聞こえてきます」(スポーツ紙記者)
やり玉に挙げられている“外様”コーチ
この閉塞感に加え、ファンの間で戦犯としてやり玉に挙げられているのが、今季から一軍打撃コーチを務める李承燁氏やゼラス・ウィーラー氏ら打撃コーチ陣だ。
「ウィーラーコーチや李コーチは、基本的には選手の自主性を尊重するスタンスです。しかし、打撃の細かなニュアンスや感覚的なアドバイスを伝える際、通訳を介することで微妙なズレが生じている可能性も指摘されています。
貧打が続く中で、ファンからは昨季までヘッド兼チーフ打撃コーチを務めていた二岡智宏氏の解雇を悔やむ声も再燃。阿部監督が人間関係ややりづらさを理由に周囲のコーチ陣を整理したとも見られていますが、すべてを自分一人で抱え込もうとしたツケがこの停滞期に一気に出てしまっている印象です」(前出・スポーツ紙記者)
ネット上でも、《予想通りの3タテだね、阿部も試合後に言ってたけど力の差がありすぎやな》《去年のドラフトで巨人は竹丸を獲って阪神は立石を獲って、そしてドラ1カルテットに活躍されて巨人は誰も打てない。この近年のドラフト戦略の差がもろに力の差を生み出している》《編成のドラフト戦略の敗北》《再生できるコーチがいない。二岡がいればまだなんとかなったかもしれんけど》《今からでも二岡を連れ戻してきてくれ》といった厳しい声が並ぶ。
監督は「男として頑張っていこう」
24日の試合後には緊急ミーティングが行われ、橋上秀樹オフェンスチーフコーチは、「監督の方から『もう一回引き締め男として頑張っていこう』というようなことを言っていただきました」と明かしたが……。
「打線がこれだけ冷え込んでいると、どんな打順を組んでも繋がりを欠いてしまいます。現状は選手個々の調子を上げるための的確なアプローチが見えてこず、首脳陣と選手の間で意思疎通が十分に図れているのか疑問が残るところ。26日から始まった交流戦では、チームを技術面・メンタル面の両方で救い出せる指導者が一軍ベンチに不在なのは、今後の戦いにおいて大きな懸念材料と言えます」(別のスポーツ紙記者)
パ・リーグのパワーピッチャーを相手に、巨人の「貧打線」が意地を見せられるのか。チームのゴタゴタもあったが、采配の真価が問われる。
